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042 : 対等

久々の更新です!

楽しんでください!!

 俺ははじめての理解者に家に留めてもらうことになった。宿などと違って生活感が、あったのでとても居心地がいい。


 「なあハクヤ?お前も料理作るんだよな?」

 「まぁ、作るっちゃ作りますね」


 俺はどう答えればいいかわからずに苦笑いをしながら曖昧な答えを返す。


 「じゃあ俺の料理の仕方見てくか?」

 「はい!是非!とても気になります」

 「そんなに喜びをあらわにしてくれるとこっちも嬉しいよ」


 俺はそんなにも喜んでいたのか?っと顔に触れてみると頬かつり上がっているのに気づいた。多分、久しぶりにこんなまともに会話できていることに嬉しくなったのだろう。


 俺はシュリの後ろについて厨房へとあるいていく。

 シュリは包丁などの調理道具などを用意し、冷蔵庫から食材を出している。


 「ハクヤはさー、ブラウンの神器についてどこまで知ってる?」


 唐突にそんな質問をされたので少し驚くが、知っていることを包み隠さず話すことにする。


 「なんでも切り裂く剣。他の能力も多々あることは知ってます」

 「そうか、やっぱりお前もあいつの最強さを知ってしまったか……」


 シュリは何かを思い悩むようにして、食材を取り出す手を止める。


 「じゃあお前もやっぱり神器所持者なのか?」

 「はい」

 「やっぱりかー。まぁ、それが知りたかっただけだ。別にこれ以上深く探るつもりはないよ」


 そうしてシュリはまた、食材を取り出し始める。

 だが、そんなとき、


 「玉ねぎがない」


 ことにシュリは気づいた。

 今、テーブルの上においてあるのは、じゃがいも、人参、肉、数多くのスパイスたちがある。このことから考えるにカレーだろう。

 俺はカレーの食べたさに負け、自分の神器について話すことにする。


 「じゃあ、創り出しましょうか?」

 「どういうことだ?……あっ!それがお前の神器の力って言うことか」

 「正解です。じゃあ行きますね。玉ねぎオニオン!」


 俺は玉ねぎを創り出すことに成功し、それをテーブルの上に置く。

 そんな俺を見て、シュリは呆気に取られたように呆然と立ち尽くしている。


 「それがお前の能力……神器っていうのはやはりすごいな」

 「時には便利ですが、時には人を気づけてしまう道具になってしまう最高で最悪なものですよ」

 「そうだな。で、お前のその能力は創造の力なのか?」

 「大体はあってます」


 この神器は、言葉を操る神器だ。だが、やっていることはまだ、創造だけ。別に否定しなくてもいいだろう。

 まだ能力が創造だけだから、他の使いみちは隠されているということになる。プラスアルファーの能力もまだあるだろうし。

 少し気になることだが、今はシュリといるのでやめておくことにする。


 「まぁ、こんな話はこんなとこにして料理といこうか!」

 「そうですね。ブラウンも晩飯を待っているだろうし」


 俺たちは料理をはじめる。まぁ、俺自身は何もやっていないが、味付けの工夫や、仕方、そういうのを集中して見た。知らなかった知識がとてもあった。

 この神器に大切なもの、それは知識量。それがこの神器の最大の武器であり、最大の弱点でもある。それを心の中に深く刻みつけておく。


 料理も完成したので、シュリにブラウンを昼食ったところに呼んでおいてくれ、と言われたので、部屋に行った。

 部屋でブラウンは剣の手入れをしていた。


 「おいブラウン!シュリさんがご飯できたから来いってよ」

 「わかった」


 ブラウンはそのまま剣から目を話さずに続けた。


 「シュリには、神器の力をあんまり見せるな」


 その一言は俺の身体に重くのしかかってきた。もう見せてしまった。その後悔で押しつぶされそうだった。


 「もう見せてしまったんだが……」

 「じゃあ、これからは見せるのはやめてくれ。なるべくな?」

 「どうしてなんだ?」


 俺の疑問にブラウンは答えようか迷っていたが、コクリと頷き、教えてくれた。


 「あいつも昔は俺と同じ剣士だった。神器なしだったら俺と張り合うくらいだった。だけど、あいつは神器を所持した魔族種にやられてしまったんだ」

 「こう言ってはいけないんだろうけど。それだけでって思ってしまった。普通に負けることなんてあるだろう?」

 「そう。だがあいつを苦しめたのはそれじゃないんだ。その魔族種はシュリを殺さず、近くの村の人々が殺されていくのをその目で見てしまったんだ」


 そんな酷いことが……

 俺はシュリの異変に気づくことができなかったことを後悔する。


 「あとで謝っておくよ」

 「いや、そんなことはあいつは望んでないよ。あいつは自分の作ったご飯を美味しく食べてくれることを今は待ってる。そんな、お前が気を使うことじゃないさ」


 やっぱりこの二人は仲がいい。

 何も言わなくても、相手が何を望んで、どうしたいのかが全部わかっている。これが親友か……


 俺は少しアイナのことを思い出して少し儚い気持ちになる。だが、イマは笑顔でご飯を食べに行くことが優先だ。


 「よし!シュリさんも待っているだろうしカレーを食べに行きますか!!」

 「おっ!今日はカレーなのか!?やったぜー!シュリーおかわりー!!」


 ブラウンは走ってカレーが待つ部屋に向かう。俺もその後についていく。


 アイナ。

 俺は楽しくやっているよ。空から俺をみていてくれ……

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