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転生しきれなかった魔王はこの世界で勇者になっちゃいました  作者: 咲白 正則
第二章 師匠と弟子
40/42

040 : 接近

 もうあの森を去って5日目だ。流石に疲労が溜まってくる。

 王都に行く方法はやはり徒歩になり、ブラウンに合わせて走っている。(ブラウンに合わせると言っても、全速力だが……)


 途中に何個か街を通ってきたが、俺のいた村より遥かにデカく。王都に近づくほど街に活気がある。

 そんなことに浮かれていると、今日ついた街で呆気にとられた。


 「なんてでかさだ……」


 ブラウン曰く、後2つ先に王都があるらしい。だが、この街は今までとはクオリティーがちがかった。


 「この街は工業で栄えてる街だからな。そこそこデカイぞ」

 「えっ!?これでそこそこなのか?」

 「王都はこの3倍以上はあるぞ」


 なんてこった!絶対迷う。100%迷う。

 俺は街を軽く見渡し、村人を確認すると、その村人は皆、俺達とは全く違う生地の服を着ている。だが、そこまで目立っていないので、服を作り直さなくてもいいか。


 「おい、そんなキョロキョロしてないで、早く飯食いに行こうぜ」

 「わかったわかった。その前に少しこの街を見学させてくれよ」

 「それはいつでも出来るだろ!だから飯だ!!」

 「それこそいつでもできるだろ!」


 ツッコミを入れたが、そんなこと構わずに走っていく。俺もそれを追いかけて走っていく。


 ブラウンは大衆食堂に入っていくので、俺も続いていく。

 ここのご当地料理を食べに来たのかな?と思ったが、ブラウンはそんなことお構いなしに、目についたメニューを片っ端から頼んでいく。


 「おい!そんなに、食べるな。また、腹壊すぞ」


 ブラウンは立ち寄る街全部で、メッチャクチャ飯を食っては腹を壊す。わかっているはずなのに馬鹿みたいに食べて、また腹を壊す。その繰り返しだ。


 「いや、今回は大丈夫だ。そろそろ俺の腹も、こんな状態に慣れてきただろ?」

 「いや、慣れても、容量を超えるくらい食うお前はそれを上回ってるだろ」

 「じゃあ、今日は腹八分目でやめておこう。おばちゃん!追加でこれとこれとこれ!」


 こいつの腹はどうなってるのだろうか?ブラックホール並みに大きくできているはずだ。

 周りの客たちもブラウンの食べっぷりに、初めはすごいなど言っいたが、いまはもう、流石に引いている。この店の店員や、料理人も疲れて倒れ始めてきている。


 「あっ!そほだ。おみゃえにいっとかなか、ならなかっま」

 「おい!口の中の物をなくしていえ」


 俺の指摘を聞き入れ、ブラウンはゴクリと口の中の物を飲み込み、水を飲みほす。


 「お前に行っとかなきゃならないことがある」

 「なんだ?」

 「お前のその神器。王都に付いたとき、嫌もう外しとけ」

 「なんでだ?神器付けとかないと、いざという時に何も出来ないぞ?」

 「いざというときは俺がやっつけるから大丈夫だ。なぜかは、無すまれる可能性があるからだ」


 そうか、ここまでの都会になると、治安も悪くなってくるってことか。

 俺は辺りを見回すが、そこまで柄が悪そうな奴は、見当たらないが、そんな人じゃなくても盗む奴がいるかもしれない。

 俺は外して、と思ったが、それでも取られそうだ。そこで、少し神器の能力を使う。


 「《接着アドヒジョン》。これでよし」


 俺は指輪を引っ張るが取れない。

 これで盗難対策は完璧だ。だが、油断しちゃ行けない。指を切られて持っていかれるかもしれない。注意しておこう。


 「よし、伝えることはいったし、俺はじゃんじゃん食うぞ!」

 「おいおい、さっき腹八分目って言ったじゃん。もう忘れたのかよ?」

 「ああ、もう忘れた。俺が食べるのを途中でやめるはずだろ?俺は食えるだけ食うのがもっとーだ」


 もうこいつとは話が通じん。俺も飯を頼む。

 そうだなー、パスタでも頼むか。今日はカルボナーラの気分だな。


 3分後。頼んでいた料理が届き、麺を啜る。


 「美味い!!」


 久しぶりに麺類を食べたから、美味しいのかもしれないと思ったが、そんなこと関係なく美味しい。俺も、ブラウンのようにがっつく。


 「おい、ハクヤ!勝負しないか?」

 「何で勝負するんだ?」

 「内容はこれだ!」


 ブラウンが指を指した方を見ると、特大のラーメンが入った丼があった。


 「勝負は、このラーメンを早く食べきった方が勝ちだ」

 「別にいいが、俺が勝ったら何かあるのか?」

 「そうだなー、お前の言うことなんでも1つだけ聞いてやるよ!」

 「乗った!よし、やってやるぜ!」

 「じゃあ、スタート」


 俺とブラウンは、麺をすすり始める。俺が1啜りすると、ブラウンも1啜りする。だが、その量が俺の3倍位だ。こんなの勝てっこないや。


 結果はその通り、ブラウンの圧勝だった。


 「俺の勝ちだな。よし、じゃあ言うことを1つ聞いてもらおうかな」

 「何だそれ?それって俺が勝ったときの場合じゃないのか?」

 「そんなの俺になんの利益もないじゃないか」

 「わかった。だが、俺ができる範囲にしとけよ」

 「じゃあ、1回だけ、俺が食べたいだけ料理を創るってことで」


 疲れるが、まぁ、ブラウンでも限界はあるだろ。


 「わかった」

 「わすれんなよ」

 「お前じゃ無いんだから忘れないよ」

 「それはどういうことだ」


 俺とブラウンの面倒臭い喧嘩が始まる。こんな会話が楽しく思えるのは何故たろうか?ムカつくのに楽しい。憎めねー野郎だな、ブラウンは。

スイマセン。そろそろテスト勉強しないとなんで、投稿おくれます。

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