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転生しきれなかった魔王はこの世界で勇者になっちゃいました  作者: 咲白 正則
第二章 師匠と弟子
26/42

026 : 格上

 俺は木刀を右手で強く握り、宙を斬る。いつも使っている剣とは違い、少し軽いと違和感を感じつつも、急に模擬戦をしようと言われて波打つ鼓動を沈めさせる。


 ブラウンはというと適当に握って肩に担ぐように持って、方をポンポンと叩いている。


 「よし!その勢いがあるんなら始めるか!俺が3つ数えるからそれを言い終えたらはじめだ」

 「わかった」

 「じゃあいくぞ。い~ち」

 「《肉体強化ボディーストレングスニング》」


 俺は自分に神器の力を使い、強化を計る。これで差はかなり埋まった。

 別に俺はズルはしていない。ブラウンが言ったとおり戦闘開始は数を言い終えたときだ。だが、別に自分の体を強化することは戦闘にはならない。だからこれは許可されるはずだ。


 「に~」


 ブラウンは何も言わずにカウントを続けていく。その顔にはかすかに微笑みが浮かんでいることだろう。楽しみなのが声でわかる。

 俺も手の震えが止まらない。怖さ、という理由もある。だが、それ以上に好奇心が大きすぎた。俺も自然に微笑みを顔に浮かべていた。いつから俺は戦闘狂になったのだろうか?


 「さ~ん」


 俺は剣を構えて、どんな攻撃も防げるようにする。そして自分の視覚以外の五感を研ぎ澄ませる。


 「はじめ!」


 カサ


 足音で近づいてきてるのを悟る。だが、どこから攻めてくるのかわからない。もっと聴覚、触覚を……

 左から風が伝わってくる。攻撃がきている。


 ガン!


 「グゥ!」


 とっさの判断で、俺は木刀の柄で攻撃を防ぐ。だが攻撃の重さで耐えきれずに体がよろける。ヤバイ!これじゃあ次の攻撃が!


 俺の右から風を感じる。


 「《鉄板シルバープレート》!」


 俺は右横腹に鉄板を貼り付け攻撃で骨が折れないようにガードする。だが、攻撃の勢いに耐えることが出来ず、弾き飛ばされた。


 クソ!見えないと攻撃ができない。しかもアレ、防御が遅れてたら、骨折じゃなくて死んでたぞ!


 「《飛行フライ》」


 俺は間を取るために宙へ浮かぶ、5メートルくらい浮かぶ。流石のあいつでもここまでは無理だろうと予想した。

だからは安心して作戦を考える。だが、


 「ハクヤ!お前俺をなめすぎだ!」


 下から声がしたかと思うと服を捕まれ下に投げ飛ばされる。俺は地面に叩きつけられる。


 「グハッ!どうして、てかヤバイ!」


 追撃がくる。俺は右に寝返りをするように体を転がす。


 ドスン!


 俺の左耳に砂が入り込む。危ねー!


 「《高速移動ゴッドスピード》」


 俺はこのままいたら接近戦をしていたらヤラれてしまうので、間を取る。

 かなりの距離を取る。だが、ブラウンなら数秒あれば来れてしまう。なら


 「《透明化ステルス》」


 俺は透明になり、身を隠す。足音や風を起こさないように静かに何もせずにたつ。これならブラウンにもバレないだろう。


 数秒後

 足音が聞こえてくる。ブラウンのものだ。ブラウンは俺の存在に一切気づくことなく遠ざかっていく。よし、乗り切った。俺は安堵のため息をつく。


 俺はこの不利な状況の打開策を考える。このまま真向法勝負してもかつ可能性は限りなくゼロに近い。この実力差でも勝てる方法を……

 俺は頭をフル回転される。


 1、『銃を使い遠くから殺る』

     →反則になるかもしれないが、あいつは神器の使用許可を出してくれたんだ。使っても大丈夫だろう。だが、多分あいつなら躱すし、音で場所もバレてしまう。却下


 2、『一撃自分の体を犠牲にしてそのすきに攻撃を入れる』

     →多分一撃で俺は息の根がとまる


 3、…


 と案を考えていると、俺の前に何かが舞っている。なんだこれ?すると一気に俺の後ろからカサカサという足音が聞こえる。


 ヤバイ!

 俺はとっさに右に飛びのきなんとか躱すことが出来た。だが、なんで?なんで俺の居場所が?


 「ハクヤー!後もうちょい考えが足りなかったなー。もうお前の位置は見えてるぞ?」

 「なんで!?俺は隠れてたはずなのに?」


 俺は疑問をぶつける。


 「それは簡単なことさ、お前の体に身についてるものも一緒に消してしまう、その透明化には弱点があったってこった」


 俺は弱点があると言われた透明化を解く。


 「その弱点ってなんなんだ?」

 「はっ!?お前は馬鹿か!そんなん自分で見つけろ!それにここは戦場だぞ!相手にそんなことを教えてもらうのか?」


 そうだ!俺は模擬戦をしている。模擬戦だって戦いは戦いなんだ。そんな甘ったるいことなんて考えてはいけない。

 俺は再び戦闘態勢を取る。


 「そうだな!まぁ、俺は別に弱点がバレたところで勝つけどね!」

 「フフ。そうでなくちゃな」


 ブラウンは笑いながら構えを取る。


 「第二ラウンド突入だー!」

テスト週間なんで投稿遅れます

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