番外編第一話「スローン、服を買う。」
こんにちは、豆腐です。
今回は番外編。
スローンが服を買う話です。
今回の前書きは、スローンの簡単な解説です。
名前:スローン・オルブライト
コールサイン:SKYWOLF
性別:女性
年齢:30歳
身長:160cm
体重:56kg
所属:アストラ連邦軍 / 空母フェンリル所属
部隊:ヴィトニル隊(4番機)
元職業:航空機整備士
スリーサイズ:
バスト:88cm
ウエスト:63cm
ヒップ:90cm
容姿:
白い長い髪
蒼空のような青い目
いつも少し微笑んでる
性格:
明るく元気なお姉さんタイプ
面倒見がいい
行動力が強すぎる
趣味:
機体の整備、改造
ゲーム
模型作り
好きなもの・こと:
空
戦闘機
平和
食べる
作る
嫌いなもの・こと:
不自由
人に利用される
見下される
ポリシー:
「仲間は絶対に助ける」
蒼天の狼第二話と第三話の間のお話。
彼女は空母に来てからずっと対Gスーツを着ていました。
それを見かねたハルトマンは、服を買うように促します。
しかし、売店にはシンプルな服しか売っていません。
すると、ハルトマンは空母フェンリルを近くの港町に停泊させ、スローンを半ば無理やり行かせます。
はたしてスローンはどんな服を選ぶのか……
それでは、番外編。
「スローン、服を買う」
お楽しみください。
空母フェンリル。
通称『狼たちの巣』。
エースパイロットが多く所属する、超巨大空母だ。
その格納庫の片隅で、一人の女性が機体の下に潜り込んでいた。
「ここをこうして……」
レンチを回す音。
オイルを注ぐ音。
金属が落ちる音。
長い白髪を束ねた、ヴィトニル隊4番機パイロット。
名はスローン・オルブライト。
本来なら整備士の仕事を、彼女は自分でやっていた。
その様子を見ていた一人の男。
名はアルヴィス・ハルトマン。
ハルトマンはスローンに言う。
「…それはお前の仕事じゃない。」
「…でも私整備兵なんだけど。」
スローンは答える。
ハルトマンはスローンの言葉に続けて言う。
「元、だ。」
「他の者の仕事を奪うな。」
スローンは不服そうに言う。
「奪ってない。」
「手伝ってるから。」
「…はぁ……」
ハルトマンはため息をついた。
ふと、ハルトマンの目がスローンの服に行く。
緑色の、油まみれの対Gスーツ。
ハルトマンは聞く。
「…ほかの服はないのか?」
スローンは答える。
「…ない。」
「全部あの基地に置いてきた。」
ハルトマンは少し黙り込んだ。
そして、
「…売店で買ってこい。」
そう一言。
しかし、隣にいた整備兵が反応した。
「いやー、この子に売店の服は似合わないっすよ。」
「服屋に行ったほうがいいですって。」
ハルトマンはその言葉を聞き、考えた。
そして、静かに言った。
「…この空母を付近の港町に寄港させる。」
───格納庫が静まり返った。
「……今なんて?」
整備兵たちは顔を見合わせる。
ハルトマンは続ける。
「港町で服を買ってこい。」
「艦長命令だ。」
スローンが瞬きをする。
「……え?」
少し黙って、スローンは叫んだ。
「ええええ!?」
「職権乱用だよ!」
ハルトマンは続ける。
「職権乱用には入らない。」
「それに艦の風紀に関わることだ。」
「だからって……」
スローンは黙り込んだ。
「いいか、艦長命令だぞ。」
ハルトマンなそう告げた。
スローンは小声で一言。
「…了解。」
空母フェンリルは近くの港町に寄港した。
ただ一人のパイロットに服を買わせるために。
明らかに異常事態である。
…ただ、空母フェンリルではたまにこういうことが起こる。
だいたいハルトマンのせいである。
スローンは下船した。
…しかし、その横にはハルトマンがいた。
「なんでついてくるの……?」
スローンは呆れてハルトマンを見る。
「お前のためだ。」
ハルトマンは静かに言う。
周囲の人々は驚いている。
そんな予定は聞いていないのに港に軍艦が寄港しているのだ。
「おい、なんで空母が……?」
「わからないが、異常事態ってことはわかる。」
軍事マニアはキラキラした目で空母フェンリルを見つめ、
一般人は唖然として空母を見つめている。
そして、町を歩いているスローンとハルトマンも注目されている。
「おい、あいつら軍人だぞ。」
「一人は対Gスーツだな。」
「もう一人は艦長服だ。」
「艦長服!?」
スローンは周りの視線やざわつきを感じていた。
「…なんかすごい目立ってる……」
ハルトマンは静かに言った。
「無視しろ。」
「面倒なことになる。」
「了解……」
スローンは呆れていた。
港には、巨大な空母フェンリルが堂々と停泊している。
その周囲には人だかりができている。
補給船で行けばこうならないのに……
しばらく歩いて、スローンたちは服屋にたどり着いた。
店員が笑顔で出迎える。
「いらっしゃいま……」
しかしその笑顔はすぐに消えた。
「え……」
「軍人!?」
店員たちは驚愕した。
なぜここに軍人がいるのだろうか。
しかも片方は対Gスーツ、もう片方は艦長服だ。
ハルトマンはスローンを見て言う。
「この子に似合う服をくれ。」
スローンは言う。
「私たちの艦長がごめんなさい…」
店員たちは顔を見合わせた。
「…この方の?」
ハルトマンは答える。
「そうだ。」
店員はスローンの服を見る。
油まみれな緑色の対Gスーツ。
本当に服を買いに来たのか?
「えっと…」
「普段はどんな服を着ているんですか?」
店員は聞く。
「整備服…ですかね。」
スローンはさも当然かのように答えた。
店員は頭を抱えた。
本当に?
本当に服を買いに来たのか??
「そういうわけだ。」
ハルトマンが相変わらず真顔で言う。
一瞬の沈黙。
「と、とりあえず試着してみましょうか!」
別の店員が言った。
しばらく経って、店員がいくつか服を持ってきた。
白いシャツ、
黒いズボン、
黒いジャケット。
「こちらなどいかがでしょう?」
スローンは服を受け取り、見る。
「…なんか違う。」
ハルトマンは言う。
「それでいいだろう。」
「でも……」
「なんか気に入らない。」
スローンは服を店員に返した。
「はあ……」
店員は首を傾げた。
こんな服なのに別のがいいのか…
「…自分で選ぼうかな。」
スローンは店内を歩き出した。
ハルトマンはそれを黙って見ていた。
数分後、スローンが服を持ってきた。
フリフリで、超派手な。
まるでアイドルが着るような服。
ハルトマンはスローンの持ってきた服を見た。
「…こんな服もあるんだな。」
「そういう問題じゃないでしょう!」
店内は半ば叫んだ。
「こんなの普段着には向きません!」
「…そうなんだ……」
スローンは不思議そうに言った。
一体どこで日常的にこんな服を着る人を見たのか。
「一体どうすれば……」
軍人に服を売った経験なんてない。
ましてやこんなイカれた軍人にも売ったことはない。
店員は頭を抱えていた。
すると、店の奥から何者かが現れる。
この服屋の服を見事に着こなしているお爺さんだ。
「……そういうことなら、私に任せてください。」
店員たちは振り向き、叫んだ。
「店長!!」
店長はスローンを見た。
対Gスーツ、
油、
工具入れ。
「……ふむ。」
店長は冷静に語る。
「動きやすく、かつ丈夫な服。」
「すぐお持ちいたします。」
「流石は店長!」
店員たちは歓喜した。
やっと終わる。
これほど嬉しいことはない。
「なんでわかったの……?」
スローンは恐怖した。
服を見ただけでなにが欲しいか分かった。
どうなっているのだろうか。
ハルトマンは黙って店長を見ていた。
しばらくして、店長が服を持ってきた。
白いファー付きジャケット、
黒い防弾チョッキ風ベスト、
シンプルな白いシャツ、
黒いズボン。
「これを着てみてください。」
「…はい。」
スローンは不思議そうに服を見た。
シンプルな服。
私に似合うだろうか。
スローンは試着室に入った。
数分後、試着室のカーテンが開いた。
スローンがゆっくりと姿を現す。
一瞬、店内が静まり帰った。
今まで見たことのないほど秀麗な見た目のスローン。
服は少し大きいが、それが逆におしゃれさと機能性を作っている。
そして、スローンが一言。
「これ買います!!」
スローンは目を輝かせていた。
店員とハルトマンは驚愕した。
あんな油臭い服を着た人がこんな美しくなれるとは。
店長は、予想通りと言わんばかりに微笑んだ。
会計が終わった。
服は着たまま帰ることにした。
元の服はハルトマンが抱えている。
すると、店長が店の奥から服を出し、スローンたちに見せた。
「こちら、サービスです。」
横縞の淡い色のパーカー。
パステルカラーと言うのだろうか。
メインの色はピンク。
そして、白と青の大きな横縞が一本ずつ。
ふわふわで、大きくて、柔らかそうな服。
「…いいんですか?」
スローンは聞く。
店長は答えた。
「はい。」
「初めて服を買った記念に。」
スローンは不思議に思った。
なぜ初めて服を買いに来たのが分かったのか。
しかし、そんなこと考えても仕方ない。
「ありがとうございます!」
スローンは勢いよくお辞儀をした。
ハルトマンは、笑顔でその様子を見ていた。
スローンの表情は、どこか誇らしげだった。
空母フェンリルが出港した。
軍事マニアたちは名残惜しそうにフェンリルを見送っていた。
スローンは空母の格納庫へ赴く。
先ほど買った服のまま。
「ただいまー!」
スローンが格納庫に現れた瞬間、整備士たちは一斉に工具を落とした。
「…おい。」
「誰だこの美少女……!」
「…みんな、どうしたの?」
スローンは不思議そうに言った。
整備士たちは騒然とした。
「この声スローンだ!」
「まじかよおい!」
「スローンってこんな美少女だったんだな!?」
「美少女って……」
30歳のスローン。
美少女と呼ぶにはいささか老けているが、そう呼べるほど彼らには若く見えているのだろう。
すると、ハルトマンが対Gスーツを抱えて格納庫にやってきた。
整備士たちは途端にすべてを理解したかのような顔になった。
「…やっぱり艦長のせいか。」
ここまで読んでくれてありがとうございます。
豆腐です。
兵器を紹介したいところなんですが、肝心の兵器が出てきてません。
なのでGHOST乗っている第四世代戦闘機の説明をしようと思います。
F-12A スワロー
基本仕様(量産型)
機体名:F-12A スワロー
世代:第四世代戦闘機
エンジン:単発ターボファン
乗員:1名(単座)
最高速度:マッハ2.2
特徴
軽量で整備性が高い
実在する戦闘機で言うとDassault Mirage 2000に近いシルエット
昔の連邦の主力機
GHOST使用
機体名:F-12A スワロー
世代:第四世代戦闘機
エンジン:単発次世代ターボファン
乗員:2名(複座)
最高速度:マッハ3以上
特徴
次世代エンジン搭載
複座式
マーキングや機体番号が消えている
黒色塗装
バリエーション
F-12A スワロー
制空戦闘機型(基本型)
最初に量産された主力戦闘機。
軽量な機体とデルタ翼により高い機動力を持つ。
乗員:1名
最高速度:マッハ2.2
任務:制空戦闘 / 迎撃
F-12B スワローII
マルチロール戦闘機
A型をベースに電子機器と兵装を強化した型。
対地・対艦攻撃能力を持つ。
主な変更点
レーダー強化
兵装搭載量増加
多用途ミッション対応
F-12C ストライクスワロー
攻撃機型
地上攻撃を重視した改造型。
特徴
装甲強化
低高度安定性向上
大型対地兵装搭載
RF-12 スカウトスワロー
偵察機型
武装を減らし、偵察装備を搭載した型。
特徴
高解像度カメラ
電子偵察装置
長距離燃料タンク
TF-12 トレーナー
練習機型
F-12の操縦訓練用。
特徴
複座式
操縦教官席あり
XF-12
試作型
F-12の最初の試作機。
実験用エンジンや新技術のテストに使われた。
次回は第三話。
空母フェンリルは補給のため港に停泊していました。
スローンが下船して散歩をしていると、一人の少女と出会います。
その子供は戦争孤児でした。
15年前、生まれたての時に親を失って、軍の施設で孤独に育った少女でした。




