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半神の物語

これはこの物語の最新エピソードです。皆さんに楽しんでいただければ幸いです。

爆乳エルフの吟遊詩人たちは、

歌いながら歩いた。


歌は、

道しるべだった。


それを聞くと、

勇者たちは自然に、

歩き出していた。


この異世界にいる、

すべての勇者。


元・引きこもり。

元・誰でもない者たち。


彼らは、

自分たちが住んでいた

小さな宇宙の外へ出た。


外は、

広かった。


広すぎて、

怖くなかった。


怖がる前に、

歩いてしまった。


ダンジョンは、

その小さな宇宙の外にあった。


壁は石で、

床も石で、

天井も石だった。


どこまでも、

同じだった。


勇者たちは、

戦わなかった。


敵が、

いなかったからだ。


ただ、

進んだ。


エルフたちは言った。


「止まらなければ、

 だいたい着く」


やがて、

大きな部屋に出た。


そこは、

結晶で満ちていた。


床から、

壁から、

天井から、


無数の結晶が

生えていた。


透明で、

冷たく、

静かだった。


勇者の一人が、

結晶に触れた。


すると、

中に映像が浮かんだ。


それは、

魔王の記憶だった。


魔王は、

最初から魔王ではなかった。


彼は、

半神だった。


神と人の、

あいだの存在。


父は、

忘れられし神

The Forgotten One。


母は、

人間の女性。


名を、

エスフィミアという。


エスフィミアは、

特別な人ではなかった。


村に住み、

水を汲み、

笑う。


それだけの人だった。


忘れられし神は、

彼女を愛した。


理由は、

誰にも分からない。


神自身にも、

分からなかった。


だがその恋は、

長く続かなかった。


神は、

別の神によって

捕らえられた。


名を、

カナタ・ジン。


理由も、

正義も、

結局よく分からなかった。


神々の世界では、

そういうことが

よくあった。


忘れられし神は、

長いあいだ、

閉じ込められた。


エスフィミアは、

ひとりで、

子を産んだ。


それが、

後に魔王と呼ばれる者だった。


結晶は、

さらに語った。


この宇宙だけではなかった。


別の宇宙。

別の世界。


そこにも、

魔王がいた。


ほとんどすべての魔王は、

同じだった。


神と人の、

あいだに生まれた子。


どこにも属せず、

どこにも帰れず、


強すぎて、

孤独だった。


だから、

世界を壊すことがあった。


それは、

復讐というより、

事故に近かった。


勇者たちは、

黙って見ていた。


怒る者はいなかった。


同情する者も、

少なかった。


ただ、

理解した。


魔王は、

選ばれてなったわけではない。


なってしまったのだ。


結晶の部屋を、

抜けるとき。


誰かが、

小さく言った。


「じゃあ、

 倒すって、

 なんだろうな」


誰も、

答えなかった。


エルフの吟遊詩人たちは、

また歌い始めた。


歌は、

前より少し、

低かった。


だが、

歩みは止まらなかった。


イグネオスは、

まだ戦っている。


魔王も、

まだそこにいる。


宇宙は、

答えを

急いでいなかった。

このエピソードを楽しんでいただければ幸いです。次のエピソードはすぐにアップロードします。

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