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おかしでおかしな二人の関係  作者: チャパニメ
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体育とカルパス③

遅くなりました。

昼休みが終わり五限目の授業のため体育館へと僕は向かっている。正直毎回思うのだが体育の授業の時はいつも憂鬱すぎる。それは担任が森宮先生だからだ。


彼の仕事への向き合い方と人格的な部分が僕とは相容いれず、それが憂鬱な感情を作り出している原因である。


「そいえばよ森宮の噂知ってるか?」


前を歩くクラスメイトの立川くんと前上くんが会話が聞こえてくる。


「なんだよ噂って」


「森宮あいつ陰で女子生徒に手を出してるって言われてるんだけどしらね?」


「えっまじ?」


聞き耳を立てているわけではない、後ろにいるため自然と耳に入ってくるのだ。


それにしてもまあなんとも信ぴょう性のある話なんだろう。日頃の森宮先生を見ているとあってもおかしくないと思ってしまう。


「まああいつ女子対してキモイかおしてたから普通にありそう」


「そそ、それに加え男子にはめっちゃきびいからクソなんだよな〜。まあ抱かれる方も抱かれる方でセンスねぇけど」


「確かに」


森宮先生は女子生徒への依怙贔屓は学校で知らぬ人がいないほどに有名な話である。だが大の大人が子供相手に手を出すものだろうか。一般てきな道徳感を持っていたらそんなことはしないだろうし、大人の行動としてはあまりにも稚拙すぎる。


あの森宮先生ならやりかねないしあってもおかしくはないと思うが流石にという気持ちの方が僕は強い。


「それにあいつ昭和のクソジジイだから今の価値観とか知らねぇんだよな〜。この前とか胸でかくなったなみたいなこと三年の先輩に言ったって部活の先輩から聞いさ、その先輩は笑って流したらしんだけど本当にあいつやばいんだよな」


「うわっやば、それ思っても言わないだろ」


「だよな。だからあいつの頭昭和で止まってんだよな」


森宮先生は年齢的に五十代くらいだったと思うが正直今の時代の流れについていけてないというのは僕自身も思うところがある。


それは高校に入りたての頃だったと思うが自分より歴の浅い先生に対してかなりのものを言っていた場面に出くわした。その時はただ怒っているのかと思ったが度々そういった場面をみかけ、言っている言葉も人格否定など説教としては程遠いいものがほとんどであった。


時代的に言葉や行動を選ばないといけないのにも関わらず昔の感覚で過ごしていることが若者として遅れていると思わざるを得なかった。


「森宮のそういった話表に出てないだけでいっぱいあるらしいぜ」


「まじで?」


「あいつサッカー部の顧問だろ。でマネジャーで入ってきた女子部員にセクハラしまくってそれでその親が学校にやめてくださいって言いに行ったらしんだけど学校は動かなかったらしんだよ。まあ俺らが入学する前だけど」


「キモ、てかお前なんでそんなこと知ってんだよ」

「先輩に教えて貰った」


「お前の先輩なんでも知ってるんだな。でもやっぱ森宮顔広いし一応サッカー部全国行かせてるからそれが理由で首切れないとか絶対あるだろ」


森宮先生は学校以外ではかなりの人脈があると聞く。

この北東高校はスポーツが非常に盛んか学校であり尚且つサッカー部は毎年インターハイに出ている強豪校、その監督ともなれば一目置かれる存在なのは明白であり他校の選手、監督、メディア関係、企業など多くの人と繋がっていても不思議では無い。


ただ各所に顔が聞くからとい理由で首をキレないのは学校側の対応として不適切だと思わざるを得ない。社会的立場には責任が生じるもの、今の時代テレビでもコンプラを意識するのだから学校でも意識して欲しいものである。


「それな、あいつのセクハラをされた被害者の会みたいなの開いたら大勢来そう」


「それ面白そうだな。でも森宮人格的にはあれだけど全国行かせれる指導力はあるから、やっぱ学校もみすみす逃したくないんだろ多分。部活やってるからわかるけどやっぱ監督が実力ないと指揮上がらないし、自分のポテンシャルを引き出してくれるのも監督だから学校側の気持ちもわかっていうか、まあクソはクソなんだけど」


「確かにな〜頑張るのは自分だけどさやっぱコーチは大事だよな。部活やってると尚更わかるよな」


僕は部活に入っていないのでコーチの存在がどれほど部に影響を与えるのかは肌感としてはわからないが授業を教えるのが下手だから成績が伸びないのと感覚は似ているものなのだろか。


だがいくら指導力や実績、人脈があるからという理由だけで本来受けるべき処遇を受けないのはあまりにも保守的過ぎる。まあ私立高校なので仕方ない部分はあると思うが僕は理解もしないし納得もしたくない。


「でもあいつ結構好かれてたりするんだよな」


「運動系の部活してるヤツからはそうだよな。あれじゃね体育とか成績くれたり好きなことやらせてくれたりするからだろ」


そう森宮先生は一部からはとても嫌われているのだが、その逆で一部からはものすごく好かれている。


彼自身元々サッカー選手だったという経歴があり、運動に対する信仰がものすごく強い。それ故に運動系の部活に所属する人を優遇し文化部など運動系に属さない人達は冷遇する。それがあることによって彼への味方が二分してしまっているのだ。


「まあ俺は嫌いだけどね。あいつに一回怒られたことあって反抗したらめちゃくちゃしごかれたんよ、しかも俺悪くねーのにりでそれからめちゃくちゃ塩対応だからクソウザイ」


「あーあいつ反抗されんの一番嫌いだからじゃね?自分の言うことに逆らうやつには容赦ねーよ」


「やっぱり?」


「俺の先輩もそれで内申点落として推薦取れなかったって言ってたから、絶対逆らわない方がいい」


森宮先生のことだからもしかしたら理不尽に怒った可能性はなくはないが立川くんがただ単に反抗的な態度をとったのかもしれない。どちらにしても内情を知らないのでなんとも言えない。


新校舎を抜けるとグランドが見えてきた。


「見ろよまたやってるよあいつ」

「きっしょ」


二人が向けた視線の先には女子生徒に囲まれる森宮先生がそこにはいた。


「女子も女子であいつの所いるのキモすぎだろ。媚びうんなや」


「ほんとそれ、あれで内心貰えるとかもはやキャバクラじゃん」


女子生徒も自ら単位のために森宮先生に近づこうとするのは案外自業自得感はある。それでも森宮先生が悪いのは変わらないのだが。

「うわっ立右居たのかよ」

立川くんが振り返り僕がいたことに驚いた様子を浮かべている。


「いるならいるって言ってくれよ」


「ごめんらあまりに二人が楽しそうだったから」


「えっ?もしかして立右聞いてた?」


「まあ.....一応」


少し焦った様子でこちらに近づいてくる前髪くん、そして僕と肩を組む。


「内緒にしろよ!まあお前なら大丈夫だと思うけど」


「わかってるって。それに僕こんな話言える人いないよ」


「そうだよな」


もう一方の肩が空いていたのだがすかさず立川くんが肩を組んできた。


「それで立右は森宮のことどう思ってるんだよ」


「僕?そうだね好みではないかな」


「それは嫌いってことか?」


「そのニュアンスとはちょっと違う。なんだろお菓子のカルパスってあるでしょ。あれお菓子だけどお菓子じゃないじゃん、つまりそういうこと」


「わかんねーよ」


結構わかりやすい例えだったと思うのだけど、そうではなかったらしい。


「いこーぜ」


両方の肩からは腕が離れ、走ってグランドに二人は向かっていった。


体育の授業が始まるといつも通り、各々が好きなスポーツをする時間が始まった。こんなことが授業になっているのは生徒としては嬉しいは嬉しいが、やはり大人なのだからしっかりと仕事をして欲しいものである。面倒くさいという理由でやっていないと森宮先生は言っていたがカリキュラムがあるのだからそれに沿ってやるべきだろう、教師なのだから。


今日も一人虚しく外に設置されてあるバスケットボールのリングへ向き合う時間はいつもより長く感じた。

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