始まりの詩〜ロンド〜
平凡な日常。そんな平和が保たれている世界。
そこからは有り得る事のない場所へもしあなたが誘われたらどうするでしょうか?
1歩足を踏み出してその世界を覗くのか
はたまた未知に足を踏み入れず、平凡な日常に帰るか
平凡な日常を退屈に過ごす少女、琴ノ葉紬糸そんな彼女の前に現れた転校生の少女。
その少女と半ば無理やり友人関係となり紬糸の人生が一変する
この物語、この1冊は物語の始まりでありこの後の物語をきっと楽しく誘ってくれるでしょう。
第1章 〜無能〜
朝。私は朝が嫌いだ。起きて登校の準備や朝食それを済ませなければならない。それに朝日が眩しくて嫌でも起きなければと思ってしまう。
できる事ならば昼夜逆転をして欲しいところだ。
しかし、現実はそういう訳にはいかない。
私は一般の学生であって魔法使いでも超能力者でもない。ただただ普通の女子学生だ。
まぁ、大概の事は面倒でやる気にならない上にどうでもいい事で溢れている。
普通の事を普通にこなす、毎日毎日が退屈で仕方ない。どうせならこの退屈な日常から、かけ離れた出来事が起きないかと想像だけで思ったりもする。
「まぁ、そんな事起こり得ないよね」
一言ボソッと言って私は学校へ向かった。
登校する道はできるだけ人があまり通らない道を使いたいがそうするとそうするで疲労してしまう。しかし、この道はこの道で厄介な事になるし騒がしくなる。
「琴ノ葉さーーーん!」
ほら、厄介な人が来た。彼女は同じクラスの市原さん。クラス長でいつも私に話し掛けてくる私にとってはとても厄介な人だ。
「おはよー!今日もいい天気だねー平和だねー」
「・・・どうでもいい」
「えぇー、天気良くて平和なのがいいよーなんかこーいい事ありそうな気がするし!」
「そう」「あーそうやってまた私を厄介者扱いするぅー」
だって私にとって現実そうだもの。それにしても朝から元気ねこの人。そんな元気どこから湧いてくるのか不思議でならない。
「あ、私日直だから先に行くねーまたあとでねー琴ノ葉さん!」
市原さんはそう言って走って行った。
これで一時的に厄介な人と話さなくて良くなった。何故、彼女をそこまで避けるのかと言う理由だが面倒なのもなのだけど彼女と話していると疲れるからだ。
他のクラスメイトもそうかと聞かれればそうかもしれないが私から遠ざける人が多い。私が近づくなオーラを放ってるらしく誰も私に近づこうとはしない。ただ1人を除けば。
正直、人と関わる事は好きではない。小さい頃はそんな事はなかったのに「あの出来事」があって以降、私は人を避けるようになった。
そうこうしているうちに正門に到着。いつもの通り先生方が立って挨拶をしている。
「琴ノ葉さんおはよう」
「おはようございます。先生」
この先生は私の担任で水樹先生。口調、性格共に良い先生で古文を担当している。口うるさくない分に何を言われるか予想がつかない。
あとこの先生はおっちょこちょいなのか少しドジっ子なのではと生徒内では噂になっている。
「琴ノ葉さん今日は1人で登校なのね」
「・・・まぁ市原さんが日直だからと走って行来ましたし、それに1人の方が気楽ですから」
「もぉーまたそんな事言ってるの?先生、前にも言ったと思うのだけど人は1人では生きられないから友達は1人でも多くしなさいって」
「はい、でも私も前に言いましたよね?私は1人でいる方が落ち着くし気楽で不便はないと」
「うーん。やっぱり貴女にはそれがいいのね。でも、それはきっと寂しいくて苦しくなっていくかもしれないよ?」
「先生、私、もう教室行きます」
そう言って私は教室へ向かった。私の席は窓側の1番後ろの端っこのところだ。
私は鞄を置き、中からライトノベルの小説を取り出しホームルームが始まるまで読む。
本は好き。無駄な事を話さなくてもいいし、その話の世界観にのめり込む事もできる。
私だけの世界。私だけの空間。
キンコンカンコンとチャイムが鳴り響きホームルームの始まりを告げる。私は本に集中してたから今気づいたがなんだか教室が騒がしい。
片耳を立てて聞いていると転校生が来るとの事、なんだそんな事で騒いでたのと思いながら私は黙って本をしまい待機していた。
少ししてから教室に水樹先生が入ってきた。
その後に続いて見慣れない子が教室へと入った。
第2章〜ざわめき〜
「はーい、席着いてー」
先生が席に着くよう促す。その隣にいる転校生が何故だか私の方をじっと見ている。
私、あの人に何かしたかしら?とそう思いながら私は窓の外を見て視線を逸らす。
「これからみんなと一緒に学校生活をする事になる星波奏音さんです。では星波さん自己紹介を」
「星波奏音です。よろしくお願いします」
星波さんの自己紹介が終わると教室内から拍手が響いた。
そして、運悪く私の席の右隣が空いている。その席は丁度1週間前に引越した人の席だった。
「それじゃ、星波さん、あそこの彼女・・・琴ノ葉さんの隣の席に着いて」「はい」
星波さんは先生に言われた通り私の右隣の席に着いた。
「琴ノ葉さんって言うのね。改めてよろしく」
「・・・琴ノ葉紬糸です。よろしく」
隣に彼女が座り、約15分ほどでホームルームを終え、それからは退屈ないつも通りの授業を受け放課後へ。
放課後は大体の生徒は部活動に行くだが私はどこの部活にも入部していないので家まで直行で帰るのだがここで厄介な問題に差し掛かった。
「琴ノ葉さんは部活動はしていないの?」
星波さんが私に話しかけてきたのだ。
「えぇ。正直、面倒だし群れるのは好きじゃないから」
「へぇ。そうなの。なら帰りついでにこの町を案内して貰えない?私、来たばかりで全然何も知らなくて」
正直に言う、面倒くさい。それから何故、私なのか。私以外にもクラス長の市原さんだっているのに、それにこういう役柄は彼女の方が私よりよっぽど良いのに、なんでこんな時に居ないのか。いや。居てもどちらにしろ巻き込まれる事に違いはない。なら私の選んだ答えはこうだ。
「はぁ。まぁ仕方ないか。いいよ。案内してあげる」
「はい。よろしくお願いします」
彼女は微笑みながらそう言って私の後についてくる。
私は彼女にどこに何の店があってなど説明をしながら歩いていた。彼女は私の案内を黙って聞いていた。案外、私としては好感が持てた。
どっかの誰かさんならそうはなっていないと思う。
そして、案内を終え元来たところまで戻った。
「っと周って見たけどこれでいいかしら?星波さん」
「ええ。助かりました。琴ノ葉さんに頼んで正解でした、ありがとうございます」
そう言うと笑顔で言って返してきた。
「そう。なら良かったけど、もう大丈夫よね?」
「はい。おかげさまで迷わずに済みそうです」
「それじゃ、これで帰るわね。」
「はい。ではまた」
私はそこで星波さんと別れ帰宅した。それにしても星波さんは少し不思議な雰囲気を持って人だったなと思いながら荷物を置き、お風呂へ入り1日の疲れを洗い流した。
花咲ひめいちごです。
また気まぐれに作品を書いています(笑)
今回は「プリンセス」と言うのをテーマに書かせて頂きますが気乗りした時にしか書かないと思われるので続編投稿は長らく待って頂くようになってしまいますが楽しみに待って頂けると嬉しいです♪
プリンセスゲーム第1巻お楽しみ頂きありがとうございました