表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/18

プロローグ 絶望の未来

 これは……夢……?

 閉ざされた場所で、キミはボクに優しく笑いかける。

「あなたは、まだ死ぬ時じゃありません」

 キミは死ぬ間際、ボクにそう言ってくれたね。でも、ボクにとっては……キミはとても大切な人で、希望でもあったんだ。

 そんなキミが死んでしまうなんて。ボクは生きている意味がなくなってしまった。キミが傍にいて、ボクに笑いかけてくれる。それこそがボクの幸せだったのに。

「泣かないで。こうなる運命だったんですよ」

 そう、ボクに語りかけながら目の前で無残に処刑されてしまうキミ。キミは、悪いことなんて何一つしていないのに。悪いのは、他の人達なのに。なんでキミが死なないといけないんだ。

 頬に何かが伝った。それが涙だと気付くまでに少し時間がかかった。

 ボクは持っていたナイフを自分の手首に当てる。そしてそのまま、周りの人達の制止なんて聞かず自分の手首を斬った。そこから血が流れて痛むけど、彼女が味わった苦痛に比べればなんてことはない。何度も、何度も斬りつける。周囲の声なんて、全く聞こえない。

 キミがいない世界なんて。

 キミガイナイセカイナンテ……。

 イキテイテモイミガナイジャナイカ……!

 薄れゆく意識の中、ボクは後のことなんて全く考えず、ただ皆のために死んでいったキミのことを想っていた――。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ