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プロローグ《仮》

※暴力表現あり


目を開くと桜が舞い散る豪奢な門の向こうには白地の、これまた豪奢な学園が見える。


ハッとして自分の衣装を見ると、明るすぎない黄土色のブラウスに白いシャツ、チェック柄のスカート、新しくはないが綺麗に磨かれた靴。

最近は親の顔より見ていたかもしれないほど見慣れたその衣装を、田所愛菜は良く知っていた。


「やった…!私『キミせか』の世界に転生したんだ!!!」


愛菜はガッツポーズをとりながら桜の舞う青空を見上げた。オープニングムービーではこの景色にタイトルが表れたものだ。



『キミだけの世界』は買い切りタイプのスマホアプリ恋愛シュミレーションゲームである。最初に1200円で購入するとその後は基本課金なしでラストまでプレイできることでリリース時は少しだけ話題を集めた。何と言ってもイラストは美しく声優は有名人の起用はないが演技力も高く曲も良く、もちろん攻略対象の相手5人はそれぞれイケメンで基本ストーリーも良かった。

が、このゲームは平均評価2.3とすぐにクソゲー認定を受けることになる。


ラスト、プレイヤー達は全員、攻略対象を攻略できずエンドを迎えるからだ。


「私は王子狙いで24回やって20回バッドエンドの4回友情エンドだもんな…」


強者は軽く800回やっているとネットで見たがどの攻略対象ともハッピーエンドになれないそうで攻略サイトは存在しないという、ある意味の徹底ぶり。

会話の選択肢は基本3つだがこの3つが普通のゲームより頻回に現れる上にそれによって微妙にストーリーが変わるため脚本の量は膨大であろう事やシステムの苦労を労って評価が入っているようなクソゲー。


しかし、愛菜はそのクソゲーの世界に転生して期待と確信に満ち溢れていた。



「(私が攻略するためにハッピーエンドにできなかったのね!)」



私1人のために存在したゲームだったんだ。と胸を躍らせて歩き出す。アプリを立ち上げるとはじまるムービーはいつもスキップしていたが、そのムービー通りに門をくぐる。




ゲームらしく学園生活が中心のストーリーでりながら世界は中世の身分制度がある王国の話。

平民の娘として母と2人で生きてきたアンナ(名前変換可能)はある日オーヴレイ男爵家の娘だと告げられ学園に入学するように言われる。それはアンナには聖女候補としての資格があるため、最低限の教育が必要となったからだ。貴族のマナーなど知らないアンナだが学園に同じく通う第一王子や第二王子、先輩や同級生や教師やその他諸々と絆を深め成長してく。

王道中の王道ストーリー。ある意味珍しい程で、逆に新鮮だと言われたほどだ。


そのくせ難易度は過去見た事がないほどのレベル。クソゲーと言われるのは致し方ない。


しかしこれが自分の異世界転生のためのものだったと思えば全てが愛おしい。


「待っていてくださいアルフレッド様!」


第一王子を絶対攻略して見せると校門に向かう足取りはあまりに軽く、地面から1cm程浮いているような居心地だった。

確かこのまま入学式のある講堂ではなく中庭に行けば第一王子に会えるはずだと別れ道の道を一度止まる。




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