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「三期生の実力」

 修練場に移動して数分後……


「強い……」

「いや、お前もなかなかやるじゃねえか」

「完敗だ」

「これで分かったでしょ? 見た目がそんなに関係ないってことが! 」

「ちきしょォ! 」

「なかなかいい勝負だった。これからの成長が楽しみだよ」


 目の前には倒れる二期生三人と見事勝利した三期生三人、同じソウル同士の戦いなので威力がモノを言う……のかどの勝負も一瞬でカタがついた。


「まさかこちら側が一勝も出来ないとはなァ! 」


 いつの間にか学期対抗みたいになっていたようで歯を食いしばるヴィルゲルさん。


「確かにこのまま負けるのは悔しいねえ」

「同感だ」


 三人の視線がアローさんに集まる。


「アローよォ、オレ達の仇討ち、頼めねえかァ」

「えーと」


 困惑した様子のアローさん、確かに実力を把握するという意味では昨年彼らに実力を示したであろう彼がここで戦う理由もないのだ。


「アタシからもおねがいするよ」

「ワタシもだ」


 というのに彼らはアローさんを逃がさない。エースというのも大変なのだなあ。


「分かった、先輩、お願いできますか? 」


 解決するには戦うしかないと判断したのか彼はシェスティン先輩に声をかける。


「そうねえ……」


 ちらりと二期生三人に視線を向ける。彼女もこの場を収めるには戦うしかないと考えているのだろう。彼女の視線は三人からアローさんに移りそして……どういうわけかオレで止まった。


「ガイト君となら戦っても良いわよ」

「ええっ! ? どうして……」


 たまらず口にすると彼女はニッコリと微笑む。


「貴方の実力を知っているのはアロー君とウォルバースト君だけよ? ワタシは知らないわ」

「確かに……」


 大変なことになってしまった。まさかここでオレに話が振られるなんて……と困惑しながら二期生三人を見る。簡単な話で彼等がオレではダメだと言えばそれでこの案は却下されるのだ。

 だというのに……


「頼むぜェ、ガイト」

「宜しくね」

「お願いする」


 何故か三人全員が承諾、いつの間にかオレは二期生側に付いていたようだ。


「分かりました」


 まさかこのような形で再び三期生と戦うことになるとは……

 観念したオレは模造剣の柄に手をかける。


「分かりました、お受けします」

「そうこなくっちゃ」


 彼女は満足気に模造剣の柄に手をかけた。


 ~~

 お互い剣を構えて数メートル程隔てた白線の上に立つ。審判役はアローさんだ。


「それでは、試合開始! 」

「『エアスラッシュ』」


 彼の簡潔な宣言と共に試合が開始される、と同時に彼女が白髪を大きく(なび)かせ剣をふるう。途端に鋭い巨大な牙のような斬撃がオレに向かってくる。

 流石三期生のソウル、フウトのよりも格段に速く直撃したらタダじゃ済まなそうだ。

 感心するもこれを直撃して倒れるわけにはいかない、

「『インバリード』」

 無効化のソウルを発現させる。たちまち剣が輝き彼女の斬撃は消滅した。


「「「消えた! ? 」」」


 周囲が驚く中、彼女はもう一度剣を振るう。しかし、ソウルは現れない。


「なるほど、光の剣士は伊達じゃない……か。でも、剣技はどうか……しら!」


 呟くと同時に剣を構えるとこちらに向かってくるのを見てオレも床を蹴る。

 勝負は一瞬だった。

 構えている彼女の剣を避ける胴体目掛けて剣を振る。


「え……」


 その言葉と共に彼女は剣を落とし腹部を抑える。


「や、やりやがったァ! 勝ちやがったァ! 」

「どういうこと、見えなかった」

「シェスティンが駆け出した瞬間、振るわれた一撃を避けて真横から一閃だ」


 困惑する彼女にウォルバーストさんが説明するとオレを見る。


「やるじゃねえか、以前よりも速くなっている。これはうかうかしてはいられないな」

「いえ、まだまだですよ」


 そう、まだまだウォルバーストさんには届かない。説明が出来たということは見切ることが出来たということだ。彼もまた成長している。


「まだまだってェ……おいおいそりゃねえだろォ。謙遜しすぎだぜェ」

「いいえ、まだまだよ。この戦いはワタシの完敗、でもそのままじゃ困るわ」


 ヴィルゲルさんをピシャリと制したシェスティンさんはそう口にした。

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