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チャレンジ

「何してる!逃げるぞ!」

準備運動をしていた私にかけられた言葉だ。

大きく息を吸い込み出来ているかは解らないが、身体の中から力を引き出し留める。

(魔法が使えたなら、身体強化もきっと出来る!)

と、魔法が使えたと言う自信から身体強化を試みる。

(内側から溢れるナニカを、金髪の戦闘民族みたく身体に纏う…イメージで!)


「まだ、少ないみたいだしあなた達が逃げる手助けするよ」

「どこが!見えてないのか?」

そうは言っても、私にも見えている。

「あっという間に囲まれておしまいだぞ!」

そして、私だけに見える。

いつもの様に、赤と青のブロックが。

(鳥の手応えはいつものプレイと変わらなかったし)

モンスターが弱いのか、異世界補正か。

(この子達のお陰って可能性もあるか。それに、自称身体強化もかけたしね!)

両手に持った薄く光る剣へと目を向ける。

(さっきの特別モードに比べたら今はまだ正面からのみ。大丈夫!いける!)

「この情報を持ち帰るのがあなた達の仕事でしょ?行って」

「行けって、おまえ」

困惑、見捨てて行っていい物なのかと葛藤する様な顔。

「死にたい訳じゃないから、危なくなったら逃げるよ。」

「あーくそ!どーなっても知らねーからな!」

3人は何か言足りなさそうな顔だったが自分達の仕事を全うする為に走り出す。

自分達の命の為。街の命運の為。不満に思いつつも走る。

そんな3人を見送り、モンスターへと目を向ける。

あちらから来てくれるなら問題ない。

(何百時間プレイしたと思ってるの。自分に向かって来るブロックならクリアしてみせるわ!)


すぅーっと息を吸い込み自然体になり両手を構える。

頭の中で大好きな曲のイントロが流れ出す。

第一集団と言うべきか、そこまで迫ったモンスターを見据える。

直後、自分へと飛び掛かかって来た青いブロックを斬る。

続け様に青いブロックを3つ斬って行く。

軽くステップを踏みつつ、破壊不可能なブロックを左へとかわし今度は左手で赤いブロックを斬る。

(魔法?を使う個体もいるんだ)

度々来る破壊不可能なブロックを見て思う。

間隔こそあるものの、次々に現れるブロックを斬る。

体感では1曲が終わった頃で、数とスピードが増して来る。

(まだまだ大丈夫だけど、いまいち…)

色々な『バフ』のお陰か、問題なく斬って行けているがリズムに乗れずストレスが溜まる。

嫌がらせの様にテンポをずらして到達するブロックに

「あーもう!」

ストレスからか大きく踏み出し斬りに掛かる。

次のブロックが目の前に迫るが、なんとか上体を反らしつつ右手で掬い上げる。

(そっか。ステージによる制限なんてないんだからテンポを自分で調整しよう!)

自分のテンポに合わない遅い物は迎えに行き、詰まってしまったテンポはバックステップで引きながら斬る。

それでいて極力背後へ通さない様に左右へ動く。

(360度モードは疲れるしね)

それを機に、難易度が一段上がったかの様に感じるが先ほどよりも乗れてる事に心を躍らせる。

自然とパフォーマンスも上がって行く。

(さっきまでは見えなかったけど、破壊不可能なブロックも横を通り過ぎる時にだけ斬れるみたい)

攻撃と共に駆け抜けて行った打ち漏らした個体も、今なら攻撃をかわしてから斬れる様になった。

半身になってかわした後、青に変化したブロックを上から叩き付ける様に斬る。


(8曲はプレイした。かな?)

撃破速度が衰える事はなく、しばらく経った時変化があった。

それまで途切れる事はなかったブロックが、少し離れた所で様子を見ているかの様に漂う。

(休憩出来るから嬉しいけど、なんで?)

ただ流れて来るブロックとは違い、今相手にしているのはモンスターだ。

低くとも知能は有る。怯えている訳ではないようだが、一様に思うところはある様だ。

周囲を見渡せば、動きながら闘っていたから其処彼処にモンスターの死骸。

(はぁーかなり倒したねー)

散発的に来るブロックを斬りながら思考する。

(スタミナは…問題なし。この休憩で気分もリセット出来て集中力も大丈夫。)

自分のコンディションを確認し気合を入れる。

「よし!行ける所まで行くよ!」

その場で歩幅を広げ身を屈める。そして、軸足に力を溜め爆発的に開放する。

自分から、群がるモンスター達へと飛び込む。

そして当然の結果、全方位から襲い掛かって来るモンスター達。

「360度モード突入よ!」

あと2か3話?

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