よくある話(設定)
ここまで書きました。
しばらく嬉しさを嚙み締めるてから、さてこれからどうしようと思考した所で視界の端に捉えた青い色。
音とも気配ともつかぬ間に高速で飛来したソレを反射的に右腕を振り上げ斬る。
見た事もない鳥がドサリと落ちる。
「小型のモンスター?でも、青くない。なんで?」
右手で斬ったので青だと思い込んでいたソレは、鋭く尖った嘴と爪。目はギョロっとしていて、体はどす黒い赤色。
「この子が悪そうな顔してるからかな?気分は何ともないや」
モンスターだとしても、自分が殺した。道徳観から精神的に来る物があるかと思われたが、すんなり事実を受け入れれた。
「神様?が補正とか付けてくれたのかなー?言語の不安もあるし、だとイイなー」
ライトな小説では鉄板な設定を願う。
「心なしか身体も軽い?よね?」
一人で思考していると、背後から女の子の声がした。
「おーい。あんたもギルドからの斥候か?」
言語の心配はなさそうだ。3人組が声を張り上げながら近づいて来る。
「私達より先に来てる人がいるなんてね」
「あんな軽装の冒険者はいない。きっと近くの村人」
「にしては質の良い生地よ?」
それぞれが私の事を口にしながら。
「ソレ。あんたがやったのか?」
小型モンスター?を指差しながら聞いて来る。
「うん。」
「へー。良い腕してんだな。」
「首以外に傷がない」
「そうね。ここまでキレイに首だけ落としてあるのなんて初めて見たかもね」
「そうなの?」
「コイツすげー速えーだろ?普通は盾でガードしてから攻撃したり、弓や魔法で弱らせるからな」
「これなら肉も高く売れる」
「嘴も爪も良い素材なのに自分で突進して来て折ったりするしね」
もちろん聞き逃したりしない。
(魔法!私も使いたい!使えるよね?神様!)
「そうなんだ。ところで斥候って?」
「なんだ、違うのか?」
「この先のダンジョンの調査」
「最近ここから帰って来る冒険者が少ないのよ。ギルドが言うには最悪の事態も想定しなければって」
過去の記録から見て、最悪『スタンビート』が起こる可能性があると。
「私はたまたまココにいるだけで」
「そっか、まー見た目でそうかな?とは思ったけどな」
「こんな可愛い子が冒険者なんてしない」
「黒い髪、黒い瞳、綺麗な肌、凄く素敵ね」
私の服装は、いつもの撮影用の衣装だった。
タンクトップに少しでか目のTシャツ、ショートパンツにスニーカー、ダンスのレッスンで着ていた服を動きやすくそこそこの見た目って言う理由で、撮影用の衣装にした。
「ありがとう。あなた達はこれから調査を?」
「そうだよ。一緒に来る?」
「ん~せっかくだけど遠慮しておくわ。私、冒険者じゃないもの」
「そだな、依頼を受けてないんなら危険を冒す必要もならないからな」
「残念」
「良い腕してるから頼りになりそうなのにね」
「ありがとう。調査頑張ってね」
「ああ!」
3人はそれぞれ別れを告げ、走っていった。
(面白そうなんだけど、私にはやる事がある!魔法の練習だ!あと食事。)
さっきの会話でこの鳥?が食べれるのは判明した。
捌いて焼けばいいだろう。で、焼くには魔法で火種を作る。摩擦で火を熾すとか勘弁願いたい。
ライトな小説で知識はあるのだ。なんとかなるだろう。
血抜きの為に鳥を逆さまに置いておく。
「火よ!フャイア!燃えろ!」
最初は何も起こらなかったが、粘り強く試したおかげでイメージした通りに小さな火を出す事に成功した。
「やったー出たー!」
少量の薪となる枝を集め着火。鳥を捌きにかかる。
その時、日本では珍しくない地震が起こる。
日本人故か震度1や2程度なら「あ、地震だ」くらいですむ。
どうにかこうにか皮を剥ぎ内蔵を取り出し丸焼きに。
「美味しいー!」
調味料はないので味気ないが、それでも十分旨い。
と、そこへさっきの3人が慌てた様子で帰ってきた。
「おかえりー」
「あんた!まだいたのか!」
「逃げる!」
「状況は最悪よ!もうそこまで来てるわ!」
「そうみたいだね。これ逃げても追い付かれない?」
「なっ!」
さっきの地震よ様に地面が揺れる。モンスター達の足音がする。
読む人は少ないでしょうが、続きは…また今度
本当は、戦闘シーンまで書く予定だった