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閑話 女子会?

三章の執筆が終わったので投稿再開します。

 能力持ちとしての初めての戦いから約一週間が過ぎ、日曜日。

 あれから雹華さんや確矢と一緒に毎日のように能力持ちを探してるけど、今のところ能力持ちは見つかっていない。

 雹華さん曰く、毎日出くわす時もあれば一か月近く見ない日もあったのだとか。能力持ちの数が減ってきていると考えれば一週間強見ない程度おかしくもなんともないのだろう。

 そんな中、雹華さんから提案があった。


『一回能力のことを忘れて、休む日を作らない?』


 気を張ってばかりではいざ戦う時に疲れて本調子にならないということもあり得るから、と一言加えて出された提案に、私も確矢も賛成した。

 …今日はその日曜日。

 確矢は真司の家に遊びに行くと言っていた。普段であれば私もそこに混ざっていたはずだった。

 …普段であれば。


「やっぱり内緒話にはここが一番ね。」


 ドリンクを手に部屋に入ってきた雹華さんを見る。

 皆藤()は雹華さんに呼び出され、カラオケボックスに来ていた。


「能力のことは忘れるんじゃなかったんですか?」


「ええ、忘れるわ。それより、ずっと皆藤さんに訊きたいことがあったの。」


「…なんですか?」


「貴女…城野君とはどういう関係なの?」


「え?」


 どういう、関係?


「どういうも何も、友人同士ですけど…」


 他に答えようが無い。


「そうかもね。

 だけど、貴女の隠された気持ちに気付かない私じゃないわ。」


 …誰? この人。

 普段のあの凍りそうな雰囲気はどうしたの? 今の雹華さん、残念オーラが分泌されてる残念なお姉さんにしか見えないんだけど…


「…なるほど、雹華さんに化けた能力持ちですね。通りで端末が反応すると思いました。」


「そもそも私能力持ちだからね!? 化けてないから! 確かに氷倉雹華本人だから!

 信じられないなら前の戦いの流れ全部話しても良いけど!?」


「……では端的に。」


「敵は刃を作れるけどこっちはそれが届かない距離から氷を投げた。

 途中貴女がドン引きする力で酷い量の氷を投げてノックダウンしたところに私がトドメを刺した。」


「……もう少し文章を洗練してください。それじゃギャグマンガのあらすじです。いやそれ未満です。」


「急に縮めろって言われたんだし仕方ないじゃない! で、内容は合ってるでしょ? 信じてくれる?」


「…合格で良いです。」


 大体合ってはいるし良いだろう。これ以上話の腰を折る必要も無い。


「率直に訊くけど、城野君の事は好き?」


「……好きではあります。けど別に恋愛、的な意味では…」


「あるんでしょ? あるのよね? だってもう絶対そうだもん、人の恋愛に飢えてきた私が嗅ぎ付けられない訳無いし!」


 この人何に自信持ってるの?

 分からない。雹華さんが分からない。こんなに人格変わる人いる? 実は二重人格?

 なんだかだんだん怖くなってきた。もう逃げて帰っちゃおうかな。


「ねえ、城野君と初めて会ったのはいつ?」


「こ、高校で真司と話してるのを見て」

「嘘は良いから、本当のこと言って。」


「嘘じゃ」

「嘘よ。見た限りたかが数ヶ月程度の知り合いに対する愛の募らせ方じゃないわ。もっと昔から…小学校、いえ、それより少し前?」


 エ、エスパー…!?

 凄い、ここまで恋バナに対して貪欲で鋭い人初めて見た。でもできればそんなの見たくなかった。

 やっぱりこの人は危険だ…! 特に確矢に今の話をばらされたら!


「…何か勘違いしてるみたいだけど、私は必要以上に水を差すようなことはしないわ。本人が求めるならセッティングだってやるし、自分が見たければ尾行も辞さないけど。」


 やっぱり恐ろしい人だった!

 じゃあ何? 過去にこの人カップルをストーキングしてたこともあったの…?


「先週私が助けに来たのだって、貴女と城野君の関係を見る為だったんだから。」


「それは嘘ですよね!?」


「それは流石に半分嘘。」


 半分本当!?

 知りたくなかった。あの熱い展開(?)にそんな裏事情があったなんて…!


「それじゃあ、聞かせてもらいましょうか。

 貴女と城野君の本当の馴れ初めと、貴女の素直な気持ちを。」


「わ、私そろそろ帰ろうかなって……」


 静かに立ち上がって移動し、後ろ手でドアノブを握る。

 しかしいくら回して押しても引いても開かない。


「無駄よ? ドアの隙間に氷をたっぷり敷き詰めてあるから開かないわ。

 さあ、全部聞かせてもらいましょうか。ゆっくりと、ね?」


「の、飲み物、飲み物くらい取って来ても…」


「………」


「あ、あぁ…あ…」


 無言で近付く彼女から逃げることも出来ず、私は結局全てを白状した。

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