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第1章 30代独身女。ペットを飼う。 1話

昔から本を読むことが好きでした。


いつか、いつか。私にも「ワクワク」「ドキドキ」を届けられる。

そんなものを書いてみたいと思っていました。


始めて書く。お話です。

「書いてみたい」というそんな気持ちだけでは、どうにもならない事も理解しています。

でも。「やってみたい」そう思って挑戦しています。


少しでも、面白いと感じてくれる人がいたらいいな。

そう思いながら書かせて頂きました。

よろしく お願いします。

気がついたら年をとっている。

皆がよく言うが、30歳を過ぎた頃から本当に実感することが多い。

気がついたら34歳。

高校生の頃「30歳なんておばさんじゃん。きっと2人子どもが居てさー……」

なんて話していた。

現実は、そんな甘いもんじゃないことに気づかされる毎日。

昔は、『白衣の天使』なんて言われていた看護師も。

今じゃそんな事もなく。気が強いと言われそんなに人気がないのも事実。

独身の30台中盤。


病院って場所にいると考えるこれからの老後。

「やっぱ、一人って辛いよな。」

独身が長いせいで独り言も大きくなるのは、仕方ない。

仕事帰り、食事を作るのも面倒でついつい頼ってしまうコンビニ。

(いや。今日も頑張ったよ仕事。お局様に色々言われても。患者に理不尽な事言われても。そんな私にはご褒美☆)

という事でアイス2種とシュークリーム1つ。プリン1つ。という贅沢なラインナップにニコニコしながら歩いていると



『おねーさん。拾ってくれない?』

振り向くと段ボールに入っている男の子が居た。

(いや。何なの?!これ、罰ゲームでもやらされてる訳?マジで段ボールに『拾って下さい』って書いてあるし。明らかにヤバイやつでしょ。)

見なかった事にして通りすぎたとき。

『ねー。おねーさん。』

服の裾を引っ張られ

『おねーさん。家に帰っても一人でしょ。どうよ。』

(はっ?何が?!)

『よく考えてみてよ。トイレ覚えさせなくても最初からちゃんとトイレで出来るし。』

「いや、それ。人だから出来るでしょ。」

『そうそう。ペット禁止でも、人だから大丈夫。』

「いや、それ違わない?」

『ペットと話したい人っていると思うけど。話せないのが大概なわけ。でも俺だったら話せるよ』

「そりゃ、人だからね」

『そうそう。鳴き声だって静かだし。しつけなくても、ダメな事いってくれれば守るしさ。』

「そりゃ、人だからね」

『そうなのよ。用意さえしてくれれば自分でご飯も食べれるし。』

「それ、人じゃなくても出来るでしょ」

『あっ……。えーと。えーと。……ねぇ。おねーさん。人を飼うメリットって何?』

「えっ?何だろう?犬や猫と変わらないかもね。寧ろ、犬の方が癒されるのでは」

『いやー。それだとダメでしょ。だって飼ってもらいたいんだから』

「そっか。難しいね。」

『押しが足りないかー。もう少し練らないと』

「っていうかそういう問題じゃないよね。人飼う人探すの大変じゃない?」

『そうかなー。いいと思ったんだけどな』

「それ。いつまで見られてるわけ?」

『えっ?』

「罰ゲームなんでしょ?」

『いや、これマジよ。この寒空夜の22時30分になっても、飼ってくれる人見つからないわけ。』

「はっ?!家に帰りなさいよ。」

『家、ないから。だから飼い主探してるのよ。』

(これ、本当にヤバイ案件だな。)

夜の風が私の体を冷し身震いがする夜中。私は帰りたい気持ちも大きくなってきた。しかし、この寒空の下いくら成人男性でも風邪とかひくのではないのではないか。

『今日は、冷えるね。俺、大丈夫かな。3日目なんだけど。』

……………。




『いやー。おねーさん。本当にありがとう。流石に3日間外で寝るのは辛いと思ってたから。助かりました。ありがとう。』

気がつくと、連れてきてしまっていた。

(明日も朝から仕事だし。早く帰りたかったし。寒かったし。1日だけだから。ね……)

「1日だけだから。」

『そっか。まあ、それでも有難いよ。ありがとう。』

「ご飯は、食べたの?」

『パン1つ、貰った。子どもに。可哀想って言われて。』

……。ハハハ。ハハ。本当に捨て犬みたいで笑ってしまう。

「そう。ご飯しかないけどおにぎりにしようか?仕方ないから作ってあげるよ。」

『本当に助かります。ありがとう。』

梅干しのおにぎりと鮭フレークのおにぎり2つを作り渡す。

彼は、嬉しそうに手に取ると

『いただきます。』と言いおにぎりを頬張った。

『美味しい。梅干しかー。』少し酸っぱそうな顔をしながらにこやかに話す彼にこちらも嬉しくなってしまった。

私も手を合わせ「いただきます」と言うと『はい、どうぞ。』と返ってきた。

こんな会話、どれくらいぶりだろう。いつも一人で食べる食事。聞こえる声は、テレビと自分のみだった空間が。ホンの少しだが温かく感じてしまった。

「今日、1日だけだから。」

『分かってます。屋根があって、眠れればいいので大丈夫。』

私の家は、リビングと1部屋の1LDKである。仕方なくリビングの端に布団をひいて。

「あっ……。シャワーとかは?」

『入れてると思ってます?』

「だよねー。布団。貸すのちょっと嫌になってきた。」

『大丈夫。俺、自分で体も洗えるから。一人で入れるよ。』

「いや、それ人だから。出来るよね。」

(仕方ない。3日キレイにしていない人に布団貸すのも嫌だし。)

私は、タオルとジャージを渡しシャワーへ案内していた。

『おねーさん。本当にありがとう。』

「布団汚れるの嫌だから。折角、客用だしたのに。」

『でも、優しいよ。本当にありがとう。』

確かに。見ず知らずの成人男性の世話をなぜ私はやいているのだろう。

『おねーさん。俺、眠くなってきたわ。おやすみなさい。』

大きなあくびをしながら彼は横になった。

「あっ。明日は、6時30分には起きるからね。家出るときに一緒に出てね。それから、あたしこれからシャワー行くから。ね!!」

『はい。はーい。大丈夫。覗いたりしないから。』

「当たり前です!!」

シャワーを、浴びながら。普通に過ごしている自分に笑ってしまう。突っ込む事満載なこの状況。自分でも驚いてしまうくらいのお人好しぶりだ。

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