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赤の物語(仮)  作者: 諒一
1/3

旅立ち

短編を連載用に作り直してみました。

良いタイトルが思い付かなかったのでとりあえず(仮)にしています。

 いよいよ明日が旅立ちの日となった。

 夜になり、おじいちゃんに呼ばれていたので、おじいちゃんのところへ行く。


「おじいちゃん来たよ」


「アカネか。アオイがまだ来とらんからちょっと呼んで来てくれんか?」


「わかった」


 アオイの部屋に行き、声をかける。


「アオイちゃん、起きてる?」


「お姉ちゃん、起きていますよ。どうかしましたか?」


 双子の妹のアオイちゃんが顔を出す。


「おじいちゃんが呼んでいるから一緒に行こう」


「もうそんな時間でしたか。すぐに行きます」


 アオイちゃんと一緒におじいちゃんの部屋に入る。


「おじいちゃん来たよー」


「すみません、遅れました」


「二人とも揃ったみたいじゃな。明日の旅立ちの前に渡しておかなければならなくてな」


 そう言うとおじいちゃんは奥の棚から一冊の本と一本の刀を持ってきた。


「アカネにはこの魔道書を、アオイにはこの刀を渡そう」


「ありがとう」「ありがとうございます」


 さっそく中を見てみると、白紙のページだらけであった。


「おじいちゃん、これなにも書いてないよ?」


「それはじゃなアカネ、お前の実力が足りてないのじゃ。その魔道書は持ち主の実力を読み取り、力が有ると判断した時に魔法がページに浮かび上がるようになっておる」


「へー。なんか面白い本だね!」


「アオイに渡した刀は、いわゆる妖刀じゃ。今は無理でもお前なら必ず使いこなせるようになると信じておるぞ」


「努力します」


「では、明日に備えてそろそろ休みなさい」


「はーい、おじいちゃんおやすみー」


「おやすみなさい」


 おじいちゃんの部屋を出る。


「旅の楽しみが一つ増えたね!」


「楽しみというよりは目標だと思いますけど」


「まぁ、どっちでもいいじゃん。じゃあ、また明日ね。おやすみ」


「はい、おやすみなさい」


 アオイと別れて自分の部屋に入る。


 旅に持っていく物をもう一度確認して、布団に入り眠った。




 朝になった。村のみんなに別れの挨拶をしていると、前世で遊んだゲームのプロローグと同じということに気が付いた。

 アオイちゃんはまだ挨拶の途中のようなので、今後のことを考えておこうと思う。


(もしも私の思っているゲームだとすれば、主人公は私と双子の妹のアオイちゃんとなる。主人公の見た目は、アカネが赤色の腰まであるロングヘアーで、アオイが青色のショートヘアー……完全に一致しているじゃん。双子なのに髪の色が違うことに違和感よりも先に異世界だからで納得して気にしてなかった。そんなことよりも、私の中に歴代最強と言われる初代魔王の魂が眠っていることが問題だ。まだ時間は有るから少しずつ対策を考えていこう)


「お姉ちゃん、そろそろ出発しましょうか」


 いつの間にかアオイちゃんが側に来ていた。


「そうだね。忘れ物はない?」


「はい」


「よし、準備オッケー」


 私達は村を出発した。

短編とは違う結末を予定しています。

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