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海。

 ある日。


 海上の人間達の喧騒を見た彼は、アレを潰そうと考えた。


 マスコミはおろか、政府広報が正式に、海上に逃れられる人間は海上へ、と通達を出しているので、彼も情報の把握は簡単だった。


 そして彼は、空母という存在を知る。


 海の上にも、飛行場がある。


 消すしかない。



 幸運な事に、手立てもあるしな。



 ちょうど、彼の分体の1つが人間に捕われた頃。


 同じく彼の分体の1つは、塩水を超越していた。



 確かに塩はヤバい。


 彼自身には手も足も出ない。



 なら、出来る奴にやってもらおうぜ。



 彼はあらゆる生物の能力を取り込む事が出来る。


 魚を取り込み、塩水を排出する器官を自らにも構成。これだけで行けた。


 これも人間のおかげだ。海の魚と川の魚が別物と分かったから、こんな真似も出来たのだ。


 そして水族館を見学した情報によって、種種雑多な生態を取り込む事にも成功。人間、動物始め、水族館関係者には感謝感謝だ。全員美味しかったしな。



 そうして彼は、海を克服した。地上でありながら、海水生物の居た施設のおかげで。


 そして厄介な事に、彼は海の深さまで、知った。




 空母と真正面から戦争しても構わない。彼なら、不可能ではない。


 だが、あまりに、非効率。相手は浮き船だぞ。



 沈めれば、それで良いだろう?



 彼は実行した。


 世界中に散った分体が飛行機を潰している最中、彼の繰り出した新たな分体が海底を進む。


 そう。彼は、水圧すら克服していた。


 水族館には、深海の生物も居たのでな。ついでに進化しといた。


 更に言えば、海底をはって進むタイプの生物を知った事で、そんな発想も得ていた。



 人間の船は浮いている。


 なら、引っ張ってやれば沈むな。


 幸い、おれの腕は、伸びる。



 分体は各々、深海生物を食い漁りエネルギーを得た所で、更に海底の土砂を摂取。


 その土砂で身体を構築。いや、構築し続ける。


 海中の大量のプランクトンを摂取し続ける事で、エネルギー補給を無限に。そしてそのエネルギーを用いて、土砂による腕部を形成し続ける。


 キロ単位にも伸びた腕で、海面に存在する船を掴み、引っ張る。こちらの腕は、海底に接合されているので、パワーには何の問題もない。と言うか、海底につながった岩のかたまりが、船に付着すると同時、ドンドン重くなって行くとイメージすると分かりやすい。


 もしも、潜水艦が護衛に付いていれば、彼の腕も破壊出来ただろう。


 しかし、人類は、彼の性質を見極めたと信じていた。


 更に言えば、彼の脅威をもってしても、潜水艦は、あくまで対人間の役割から外れる事は出来なかった。



 人間は、人間しか見ていない。


 この期に及んで、なお。



 まず日本が侵略されたのも不味かった。


 潜水艦を所持している諸外国にとって、日本国は距離が遠すぎる。


 対岸の火事と見たのも、無理からぬ事ではあった。

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