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BORDER:ARRIVE ~絶対少女と不可視の境界~  作者: GAND-RED
ROG:4/この狂った世に終止符を
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ROG:4-2/犠牲と生贄

「__黒光イマリ……つまりフリストルのリーダーが、一般区域にて惨死体で発見されました」


苦虫と市販薬を噛み潰してもまだ足りないぐらいに苦々しい表情で、ポルカはそう告げた。

「……あいつガ死んだダと……!?」

突然の報告に辺りは静まりかえっていたけど、界人の言葉を皮切りにしてどよめき出した。

……バカみたいだ。

黒光イマリ。人間との共存を目的とする組織「フリストル」のリーダー。フリストルは主に異能者区域におけるイベントなどの手伝いをしていたけど、世間的には自分勝手な行動で外交を邪魔している迷惑組織、と言うイメージが強い。勿論イマリ本人も討伐者や殺し屋の集まりであるラスト・アズールやボクの組織の行動を「平和を乱す人でなしだから」と言って邪魔していた。

ラスト・アズール……つまり界人の拠点は入り口に粗大ゴミが大量に置かれていたし、ボクの拠点は高出力レーザーを撃たれそうになった(ちなみに撃たれてもミラーフィールドと言う特殊防衛機能が働いて遠距離攻撃は全部反射してくれる)。

彼女らの行動から分かる様に、この国では平和主義が平和を乱している。ちょっと過激なぐらいが平和でいいのだ。こんな会議に呼び出したって邪魔するのは当然だから、死んでくれて良かったと思った。

ボクを「人でなし」呼ばわりしたイマリは正しかった、と言う訳だ。

「……静かにした方がいいんじゃないかな」

「何を言うのです絶対王、こんな事態に落ち着いていられますか!」

「こんな事態だからこそ落ち着いて話さなきゃいけないんだろう。何のための会議だ?」

見せしめにヒゲ面の老人を睨みつけてやると、騒ぎ声はぴたりと止んだ。

「ポルカ、続けて」

「はい。……この様な事例は何も初めてではなく、先月にもフリストルの団員やこちらの外交官が同様に10人……惨死体で発見され、一般区域から送られてきました」

「惨死体なんテまドろッこしイ言い方はやメろ、惨殺さレていタと考えルのが自然だロウ?」

界人が至極最もな結論を出した。機械音声の占める割合が多くなっているけど、ボクの言葉を聞いて冷静になろうとしているらしくて助かった。

「……先人の様に決めつけるのはよくありませんが、その疑惑が濃厚であるのは事実です」

「ボクからも言わせてもらうけど、今更あいつらを信じる必要はないよ」

ガタン、と大きく音を立てて椅子から立ち上がった。ずっとこれに座っていると、人としてダメになりそうな気がする。

「あいつらは人体実験を行って、特殊な人間とか人造クリーチャーを開発しようとしていた。恐らくポルカの法をすり抜けて、この国を侵略したいんだろう」

「し、しかしその様な事が……」

「にわかに信じがたい話ではあるけど、事実だ」

ネムから聞いた事を話してやると、ポルカが口を開いた。

「その様な行為が行われているのであれば、いずれ日本だけでなく世界中の異能者が危機に陥る事でしょう……私は、生徒を信じます」

ポルカが手元のタブレットを操作すると、円卓の中央に一般区域の立体地図が現れた。

「怪しいと思われる場所は目をつけています。グンマ、アキタ、トーキョー。いずれも地名検索で引っ掛からない部分があります。そこで実験が行われているのは確実です」

彼女が言ったエリアが赤く塗り潰された。……ボクが改造された場所は入っていない様だ。

「__それで、どうしろと?」

黒縁眼鏡をくいと上げて、スーツ姿のお姉さんが不敵な笑みを見せる。

「今回の意図的大虐殺……いわゆる「定期任務」の際にこれらを調査し、実態を報告して欲しいのです」

真剣な表情でそう言ったポルカに、ボク達は満場一致で頷いた。

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