36A列車 闇
この先も東北本線をひた走るわけではない。この先は第三セクターに移行した東北本線を走る。言っていることは少々わかりづらいかもしれないが、簡単に言うと東北本線の扱いをされていない路線に入るのだ。いや、最初からそう言えよという話かぁ・・・。
ふと顔をあげてみるとまだ最終列車が設定されている。この「カシオペア」発車後4分後に設定されている列車が最終だ。「北斗星」もここを通ることになるが、「北斗星」は営業停車を行わないため、最終は23時20分発の列車となる。
この先IGRいわて銀河鉄道、青い森鉄道は線内全駅通過。停車は青森までないが、営業停車は函館までない。これは青森の通過が2時台という時間帯。そして、札幌に行く旅行客をターゲットにしている列車はそこに停車する必要がないためということからだ。
何分ぐらい時間が経っただろう。さっきまで軽快に音を立てていた台車の音がせわしなくなる。眠たい目を凝らすとだんだんと何か建物が近づいてきた。青森なのだろうか・・・。しばらくすると停車した。恐らく青森だろう。
「・・・。」
前を見るとさっきまでついていなかったテールライトがついている。しかも片方だけだ。片方だけしかテールライトがつかないというのは機関車の鉄則のようなもの。車と違って片方の電球が切れているわけではない。ほどなくして、機関車がラウンジカーから離れていった。そしてすぐに外に目を凝らす。すると「カシオペア」の左サイドをここまで牽引を担当した511号機が走って行った。
首を振った。眠けに負けそうである。
(もうだめだ。身体が持たない・・・。)
そう思って立ち上がろうとしたが、なかなか立ち上がることができない。何度か眠りそうになることに耐えたと思う。しかし、ついに限界が来た。
私の住んでいるところからじゃ遠いなぁ・・・。