31A列車 ネタばらし
想像力だけで書きましたので、現実と違う個所があるかと思われます。ご了承ください。
「なぁ。今度はどこに連れて行く気だよ。」
迷惑そうな声はレイだ。
「いいからちょっと黙ってついて来い。今日は特別なんだからな・・・。」
「特別ってどういう意味よ。一か月前にはなぜが今日のこのごろの予定聞いてきたし。なんなの。シャークはあたしの私生活のことそんなに知りたいわけ。変態じゃない・・・。」
「別にお前の私生活なんか知りたくないわ。」
「じゃあ、なんで・・・。」
これじゃあエンドレスだ。会話を断ち切って僕は黙って上野に向かった。前回は西に向かっていったから、今回は北に向かうことにしよう。もちろん礼を連れてきたのにはちゃんとしたわけがある。今回は新幹線を乗りつくした時みたいにレイが勝手についてきたわけではないから、安心だ。
八王子から中央線。御茶ノ水から総武緩行線。秋葉原から山手線に乗った。山手線はこのごろ6扉車をすべて廃車にした。これはホームに設置したホームドアに対応させるためだ。6扉ではホームドアをすべて設置できないからだ。全車両4扉になってバライティが減ったと言えば減ったか・・・。さて、今回も山手線が全車4扉車になったというのは関係ない。これからのる列車はこれ以上に重要な位置づけにある列車だ。
上野に到着をしたら、山手線から降り、ホームから上階へ延びている階段を上がった。通路を通り抜けて、常磐線の快速列車が発着するホーム上まで来る。このままエスカレーターを使って、常磐線ホームを通り抜けて、その下のホームにやってきた。東北の人ならゆかりのある上野駅地上ホームだ。しかし、今はここよりも東京駅の東北新幹線ホームのほうがなじみがあるだろう・・・。
「ねぇ。いい加減どこに連れてくかぐらい教えてくれたっていいじゃない。」
「ほら。」
僕はレイに切符を渡した。これが最初で最後の今回の旅のネタばらしだ。
「えっ・・・。」
(取れただけでも奇跡だよなぁ・・・。)
そう言う列車がこのホームにやって来るまであと10分ぐらいある。その間ここから離れる理由もない。あたりには同じ目的の人。またはそれに羨望のまなざしを送る人が集まっている。列車は今でも絶大なる人気を誇るJR東日本のフラッグシップ。「寝台特急カシオペア号」だ。
感想がございましたら、お書きいただけますでしょうか。また、他の私の作品もよろしくお願い申し上げます。
なお、当小説は短期集中連載形式で連載してまいります。