表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新しい記憶  作者: 頼羅
7/8

第7話:告白


「…ちゃん、奈々ちゃん!」

目を覚ますと目の前にちよがいた。なんだか頭が痛い『…なんでだっけ?』

「ここどこ?」


「覚えてない?奈々ちゃんと私が初めてあった場所だよ。」

あたりを見回してもマンションも公園もない。ちよは話を続けた。

「あの日、私が泣いてたら助けてくれたでしょ??それで私のために事故にあったでしょ?」

頭の中にぼんやりと景色が浮かんでいた。

しかし頭が痛くてその先が分からない。

『さっき何を思ったんだっけ?』ちよは話を続けた。

「あたしは嬉しかったんだよ。泣いてる私を助けてくれて。でもあたしのせいで事故にあったでしょ。だからいつか恩返しがしたくてね。」

何がなんだか分からなくなった。

私は以前にちよにあっている、『でもいつだろう…。』

「10年くらい前の事だよ。あたしは奈々ちゃんに幸せになってもらいたくて…。」

ちよの姿がぼやけていきうっすらと猫の姿が見えた。

「!!あっ!あの猫は遠い昔にみたことがある。どこだっけ…。」


「覚えてない?」

頭の中が混乱している。

『あの猫は…確か昔に…。

』気付くと手に何かを持っていた。

それはちよからもらった四つ葉のクローバーだった。

その四つ葉のクローバーを見つめながら、さっき見えた猫について考えていた。

不意に靄がかかっていた景色がはっきりと輪郭を見せだした。

「…クローバー…。猫…。怪我をした子猫?しっぽの先がわかれていた?」

消えそうなちよはにっこりと笑った。

「うん!クローバーだよ。奈々ちゃんが付けてくれた名前。ありがと!嬉しかった。」


「ちよちゃんはクローバーなの?」

さらに薄くなったちよは言った。

「あたしは奈々ちゃんに、元気をだしてもらいたくて。楽しく過ごしてね。もう平気だよね?」

ちよが言いたいことがなんとなく分かった。

そして何の為にちよが私の前に現れたのか分かったような気がした。

私はただ黙ってうなずくだけだった。


「うん!奈々ちゃんありがとう。あたしもう行かなくちゃ!」


ちよとクローバーがだんだん薄れて消えていった。


最後にみたのはちよの笑顔、左手には私と同じ四つ葉のクローバーを持っていた。


「四つ葉のクローバーは幸せの証だよ。」



気が付くと病室のベッドで横たわっていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ