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新しい記憶  作者: 頼羅
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第6話:痛み

毎日怪しげに何かを探している姿を近所の人に見られたらしく、母親に注意をされてしまった。


その日から今まで通り公に放課後野良猫探しをできなくなってしまった。


誰にも見つからないようそっと猫を探すのはとても大変であった。


そんな状態では猫も見つかるはずはないと心では分かっていた。


一時的に新しい自分の姿を見つけだしたが、猫探しの難航と共に見失ってしまった。


そして再び胸のあたりがもやもやしはじめた。

以前よりまっすぐ家にかえることが多くなりちよにもあまり会わなくなった。

憂欝な私の唯一の癒しはちよからもらった四つ葉のクローバーだけだった。

『ちよに会いたいな…。』いったいちよはどこに住んでるのだろう?忘れてた疑問を思い出した。

ちよの居場所は思いあたらないので、とりあえず公園に行ってみることにした。

誰もいない静かな公園で私は来るか分からないちよを待っていた。

ブランコを軽く揺らしながら、野良猫のことを考えていた。すると後ろから聞き慣れた声がした。

「なーなちゃん!」


私はすぐに振り返ってちよを見た。

「何しているの?猫さん探してた?」


「ううん、親に見つかっちゃって…探してたこと。ちょっとしか探せなくなっちゃってね。ちよちゃんがどーしてるかなって…。」


素直に言うことが恥ずかしかった。

「そっか〜、あたしもななちゃんに会いたかった。」


そう言ってちよは隣のブランコに座った。

「ななちゃん、あたしがいなくなっても忘れないでね。」


また急にちよが大人っぽい表情をした。

「どっか行くの?」


「ううん、分からない…。」


それっきり会話は途切れてしまった。

私はその発言に何か胸騒ぎがしだ。

本当にちよがいなくなるのかもしれないと不安でいっぱいになった。

猫のことやちよのこと、私の中でぐるぐる回って、苦しくなっていった。

やっと見つけかけていた何かがまた消えてしまいそうだった。

最近は食欲までなくなってきた。

学校の帰り道、私はぼぉーっとしながら歩いていた。

急に胸が締め付けられるような痛みが走った。その時誰かが、

「あっあぶない!!」


次の瞬間、何かが起こる直前に黒い影が私の前に来た。『あ、あれは…!』


―ドンッ!!キキーイ!―



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