表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神力の少年兵  作者: 夢野楽人
第一章 解放編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/45

天岩戸作戦

「よし、ここに防衛陣地を作ろう」

「了解!」


 俺達は敵本部の手前にある、小高い丘で築陣を始める。予想される索敵範囲からは外れてるので、見つかることはないだろう。

 それよりも全く基地に動きがないのだ。誰も出てくる様子はなく、まるで時間が止まってるかのようだった。偵察ぐらいしろ。


 四角錐ピラミッドの高さはおよそ20㍍。さほど巨大ではないが、かなりの面積がある。

 超能力で探知してみたが、分厚い防壁に覆われていて窓もなく、内部の様子はよく分からなかった。

 中に生命反応はかすかにある。たぶん子供らだろう。


「とりあえず近づいて見るか、神影走!」


 監視カメラのような物はない。

 あったところで俺の姿はぼやけた影として映るだけで、高速カメラでもなければ捉えられない。

 それでも一応、夜に動いた。


 入り口も硬い隔壁で閉ざされており、近くの壁には生体認証システムが一つあり、これで出入りをしてるのだろう。


「装置を壊したところで入れまい。隔壁も今の俺の力じゃ破れない。電磁操作が得意だったアイツならハッキングして…………やっぱり思い出せん」


 記憶は戻らないが、心が覚えてるのかもしれない。

 面倒だが無い物ねだりは止めよう。何事も楽はできんな。


「基地というよりはシェルターに近いな、外部からの侵入を拒んでいるようだ。こうなると中から開けてもらうほかない」


 俺は侵入をあきらめて戻る。

 陣地を作りながら、俺は静香達と作戦を練ることにした。


「本部基地はミサイルや爆撃を受けたとしても、簡単には壊れないだろう。外からは絶対無理で、入るには敵さんが隔壁を上げるように仕向けるしかない。門が開いたら俺が潜入して片を付けてくる。そこで考えた策は……」


「……なるほど、これも前代未聞な作戦だなアラシ。こんなことをされたら、まともな人間ならキレるぞ。あはははは!」


「全く気にする必要はないぞ、静香。敵は人じゃないからな。機甲羽衣が出てくると思うが全て無人のはず、容赦なく叩き潰せ!」

「了解した」


 防衛陣地が完成する頃、陽動をしてた椿が戻ってきたので俺はねぎらう。


「よくやってくれた、椿」


「ありがとうございます! ただ敵兵は痩せこけておりましたので、ここに来たとしても、まともには戦えないと思います。哀れで仕方ありませんでした」


「そうか……食料不足は、いよいよ深刻になってきたな。明後日には敵本部を攻めるから、それまで休んでてくれ」

「了解であります!」


 何度も相談し計画を立てたので準備は万端だ。あとは行動あるのみ。

 決戦当日、朝飯を食った後に俺は全員の前で訓示する。


「みんなのお陰でここまで来れた。心より感謝する。だが、礼を言うのは勝ってからにしよう。我々は、これより決戦に臨む! 勝つぞ‼」


「うおおおおおおー!」


 鬨の声は大地を揺るがすほどだった。各部隊が陣地で持ち場に就き、先行部隊が前進する。

 もうコッチの存在を隠す気はない。いくらアホでも姿を見せたら気づくだろう。

 あとは、敵がどう出てくるかを見るだけだ。

 

 静香をのぞく元巴隊が先陣を切り、その後ろに台車に乗せた、コンテナを運んでる部隊が続く。中は秘密で後のお楽しみ。

 

 作戦名は、「天岩戸あまのいわと」。


 ひきこもった女神様を外に出すために、踊りや宴会をして騒いだという故事にならっている。

 ただし、俺達の騒ぎ方はちと過激だった。


 先行部隊は妨害もなく正門の隔壁前に到達し、大声で喚き立てた。


「新聞屋であります、三か月だけでいいんで取ってください。お願いしまーす! まずは中に入れてくれであります」


「……あなただけに教える特別情報がある、絶対に損はさせない、出てきてくれたら話す」


「こんにちは肉の販売にきました。そちらは今大変ですよね? お時間は取らせませんので、まずはお話だけでもどうでしょうか? ドンドン! 開けてくださーい‼」


「オラッ! 聞こえてんだろ。さっさと開けろや! こっちも暇じゃねえんだよ!」


 詐欺と訪問販売とヤクザが同時に押しかけていた。


 実際に家に来たら迷惑この上ない。俺が教えたことだが、紅美達はノリノリで悪者をやっていた。

 どうでもいい知識だけは覚えてるんだよなー。


 これに対して敵に反応があった。


『ここは紅蓮姫団本部である。許可無き者の立ち入りは認められていない。直ちに退去せよ』


「おっ、こいつ喋りやがったぜ。くくくくく」

「どうせ、管理AIだろ? 脅し文句を並べるしか能のない、ポンコツだ」

「……なにもできない、ガラクタ」


『繰り返す、この場から退去せよ。命令に従わない場合、排除措置に移行する』


「やれるもんなら、やってみるであります! みんな準備できた?」


「はい、椿さん。いつでもいけます」


「よし、では皆さん離れるであります!」

「そらっ、逃げろ~、あははははは!」


 先行部隊は敵の警告にビビって、逃げたわけではない。

 距離をとってからうつ伏せになり、椿はスイッチを押す。


「ぽちっとな、であります」


 ドゴ――――――――ン!


 直後、隔壁前で爆発が起きた。椿達がコントをしてるうちに、他の仲間は爆弾をしかけていたのだ。

 もちろん分厚い隔壁を破るには至ってない。安全を確認して戻ってみると、


「おっ! 結構えぐれてるじゃん。大将の言った通りだぜ」


「ああ、地面の下までは守りきれてない。ドンドン爆破して掘り進めよう」


「……ふふふ、穴掘り作戦」


 そう指向性爆薬を使って、地面を吹っ飛ばすように俺は指示をしていたのだ。

 堅固な城を地下から攻める戦法は、昔から使われてきている。穴から中につながれば、なだれ込むだけだ。


 先行部隊改め工作隊が意気揚々と、次の爆弾をしかけてると隔壁が動き出す。

お読みいただきありがとうございます。この作品がお気に召したら


ブックマークと★や感想をいただけると励みになります。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ