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神力の少年兵  作者: 夢野楽人
第一章 解放編

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格闘訓練

 整備と食い物集めだけだと飽きるので、俺は全員に格闘術を教えていた。

 きっかけは紅美が暇さえあれば、負けてもこりずに勝負を挑んでくるので、受け身から始まって基礎を教えるようになった。


「もう一丁!」


「まだまだ動きが荒いぞ、まずは型をしっかり覚えろ! 応用は後だ」


「やっぱりアラシは強い」

「……これは、使える技」


 こうして静香と弥生も一緒に習うようになる。

 組み手は相手が変わるだけでも、まったく別の戦いになるから面白い。

 良い気晴らしになる。


 俺一人で三人と戦い軽く圧勝してみせたので、紅美は逆らわなくなり、俺を「大将」と呼ぶようになった。


 静香達は銃火器とパワードスーツの扱い以外は教えられなかったようだ。

 武器がない近接戦闘において、格闘技は有効なのに訓練しないのはおかしい。どうして教えん?

まあ誰も答えてくれないので考えるだけ無駄だが、次から次と俺の常識が否定されて頭が痛くなってくる


 これで三人は軍人としてまともになってきた。

 弥生と紅美は解体作業に慣れ一皮むけたようだった。最初はげんなりして小食だったのが、今では焼き肉の奪い合いになっている。


「あっ、そいつはアタイが食う気だったのに!」

「早い者、勝ち……」


 甘さが消えた兵士になったと言えよう。やはり場数は大事だな。

 俺は全員に言う。


「よし、もう水と食料は十分だ。明日にはココを去って、次の敵拠点ツヴァイへ向かう。前に比べたら規模は大きい。戦闘になるのは覚悟しておけよ」


「おう!」

「了解」


 今日は移動の準備、全員でトラックに荷物を積み込む。

 食料の他に燃料と武器があってかさばったが、奪ったのは大型車なので問題はない。

 それと倉庫には小型車両があったのでこれも使う。小回りのきくオープンカーなので、偵察にはもってこいだ。

 皆がテキパキと動いていた。悲しい事は一つだけ、俺が運転できないことだった。


 ああ乗り回してー。


 こうして次の日、俺達は出発した。

 ハッキリ言って車の乗り心地は悪く、激しく揺れて酔いそうになる。

 これは車両のせいではなく、道が舗装されてないからで、土道と砂利道の悪路しかないのだ。

 常識的にはありえんが全部の道がそうなっている。


「……道路工事って、なに?」

「基地の近くには、コンクリート道路があるな」

「そうだな」


「……マジか」


 俺は驚くが静香達に聞くとこれが当たり前で、アスファルトは知らんらしい。ガソリンはあっても原油はないな。どっから燃料を持ってきてるんだ?

 あっても工兵がいないので作れないだろう。俺は揺れを我慢するしかなかった。


 二日ほど進むと敵拠点が見えてくる。あそこがツヴァイだろう。

 手に入れた地図には数字が振られていた。名前を付ける気がないのだろう。

 あまり拠点には近づかずトラックを止めて、俺と静香は小型車で静香と偵察にでた。

 見晴らしの良い場所から双眼鏡で見渡す。静香が見ている間に、俺は超能力で内部を探知する。

 

「……うーん、一個中隊で百人ほどいるかしら」


「ああ、数は圧倒的だな。だが見張りがほとんどいないぞ。相変わらず警戒心が足りない。俺達が捕虜を奪ったことが伝わってないのか?」


「失敗を隠しているか、あるいは連絡が届いていないのかも。それと拠点が攻められるとは思ってないのよ。鐡軍も全く想定してないわ。だから隙だらけね」


「やれやれパルチザン対策は0かよ、これじゃ破壊工作しほうだいだな。まあいい、俺が今夜中に忍び込んで仕掛けをしてくる。明朝にはココを攻め落とす」

「了解」


 俺達は引き返して全員に作戦を伝えた。

 俺が一人で敵陣地に忍び込むと言ったら、紅美と弥生は驚いて止めにくるが、静香に説得される。


 普通の兵士なら死にに行くようなもんだからな。だがエスパーは違う。


「二人を助けた時もアラシが一人で敵陣に潜入している。私達は邪魔なので待ってればいい。それだけの力があるんだ」

「大丈夫なんだろな……」

「……心配」


 二人は納得しなかったが、俺の格闘能力を知ってるので押し黙った。

 心配してくれるのは嬉しいが。


「俺なら問題ない。朝には奇襲をかけるから、早めに寝ろよ。起きなかったら叩き起こすぞ!」


「うっ! 了解」

 寝起きの悪い静香はビビったようだ。


 そして敵が寝静まる頃、前と同じく神影走を使って、俺は敵陣に侵入した。

 見張りがいないとゲンナリしてくる。敵だろうと「最低限の軍務をしろ」と言いたくなってくる。警報器もないので張り合いがない。


 愚痴りながら、俺は格納庫に近づいて鍵を開けて入る。中にはたくさんの赤い機甲羽衣が並べられていた。

 今回は機体に手をつけない。その代わり格納庫全体を見回って細工しておく。


「これでよし」


 仕事が終わって俺は上階の窓から外にでた。紙……神風船で体を浮かせて着地する。

 前のように指令所に忍びこむ必要はない。情報収集はこの拠点を落としてからやればいい。

 戦略的にはもう勝っているのだから。戻ってくると三人は起きて待っていた。


「おいおい、侵入して2時間も経ってねえぞ! 信じらんねー!」

「……おかえり、なさい」

「怪我はないか? アラシ」


「ただいま……つうか、お前ら起きてないでサッサと寝ろ! 作戦はもう始まってるんだからな!」


 叱ってもなぜか女達は笑顔だった。気持ちがよく分からん。

 この夜は全員で雑魚寝。

 全員が抱きついてきたので、寝苦しかったが。

お読みいただきありがとうございます。この作品がお気に召したら

ブックマークと★評価よろしくお願いします。

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