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 ぎょろりとこちらを見てい黄色に赤色の斑点を持つ夏芽の体の半分の大きさの獣は、三人の方を見ていた。

 まるで三人のことを餌、獲物と思っているように。

 「来るなあ、あっちいけ、あっちいけ!!!」

 アキホが振り払う仕草を見せるも、一歩一歩ゆっくりこちらに向かってきている。

 今まで見てきた敵と違う。

 明らかに「《《覇気》》」が出ている。

 近づいてくるにつれて、「ゴゴゴゴゴゴ」という音、地割れの音が聞こえる。

 夏芽とウイッテは後ろに引き下がるも、アキホは尻もちをついたまま動くことができない。

 獣はじわじわとアキホに詰め寄り、もう目の前に来てしまった。

 獣は、目の前のアキホを真顔でずっと見続けている。

 「やめて、やめて、来ないで、、、」

 泣き声がかすれて聞こえる。

 そしてついに獣は前足を挙げてアキホをとらえようとした。

 その時、夏芽は背中から剣を引き抜いて獣の前に躍り出た。

 「私が、、、私が相手だあ!!!!」

 夏芽は飛び上がって獣の首元を切ろうとしたが、もう少しのところで気づかれ、後ろにかわされてしまった。

 思い剣を持つ手が地面に押し付けられる。

 「くそっ、外した」

 もう一度剣を持ち上げようとし、上を見ると、大きな爪をむき出しにした獣が真上から襲い掛かってきた。

 ガルゥゥゥゥゥ!!!!!!。 

 威嚇しながら、夏芽を割き殺そうとしている。

 なんとか上からの攻撃をかわそうと体を傾けて受け身を取りながら避ける。

 グワァァァァ!!!!。

 大きな爪は夏芽の顔の目の前の地面にに突き刺さる。

 すかさず夏芽は立ち上がり、獣の足を払おうと剣を振り回す。

 「それっ!」

 攻撃は見事にヒット。

 しかし、足に剣が当たっても獣はびくともしなかった。

 さらに、夏芽が寝転がった体勢であることも相まって余計に力が伝わらない。

 すると、獣は大きな声で遠吠えをし、足で剣を押し、夏芽と一緒に蹴り飛ばしてしまった。

 その力はとてつもなく強く、夏芽は剣を握ったまま宙高くに舞い上がった。

 ふわりと空中から、アキホとウイッテが木の陰に隠れているのが見えた。

 手から強烈な痛みが伝わってきていたが、見えた景色から、「二人を守らなくては」という意思が心の奥底から沸き上がってきた。

 そして、なんとか両足で着地すると、すぐに獣が走って襲ってきているのが横目で見えた。

 そんな向かってくる獣から距離が取れる位置に避難しようと、獣の進行方向から外れる向きに移動した。

 避けられたと勘づいた獣はいきなり滑り込んでその場に止まった。

 今、夏芽と獣の距離は5メートルくらい。

 先程は九死に一生を得たが、あんな攻撃を一度でもまともに食らったら確実に一撃で死んでしまう。

 だが、まだ朝、気力は十分にある。

 ここで、獣を倒しきることはできるだろう。

 しかし、あまりここで気力を使いすぎるわけにはいかない。

 この森を今日中で抜け切るにはこんな早くからへばっていては駄目だ。

 「次は、一撃で仕留める」

 夏芽は剣をもう一度構え、獣を睨みつけた。

 獣もそれに反応したかのように目を光らせる。

 「くらええええええ!!!!!」

 夏芽は剣を振り回した。


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