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過去 part2

 「ま、魔女の証……?」

 マルコは首を傾げたが、その場の空気から、ただことではないことだと察した。

 「ま、まさか、この血統から生まれてしまうなんて……。この子はもうおしまいよ。ここで生きることなんてできない」

 「な、何を言っているの???ラテさん……」

 「言葉の通りですよ。この子はもうここでは生きていけません。どこかに養子に出すか、そこら辺に捨てるかしかありません」

 ラテさんの口から出た衝撃の言葉に、マルコは固まる。

 「う、嘘だよね……。そんなこと、、、ないよね?冗談だよね?私のことを騙そうとしているだけだよね?」

 しかし、ラテは、目をつぶって首を横に振るだけだった。

 「駄目ですよ。マルコ、あなたはこの家の血筋を知らないからそう言えるんです。あなたはこの家系をただ強い魔道士だと思っているかもしれないですけど、実際は国と連携して邪帝を倒すという目的で支援されている由緒正しい家系なのです」

 「そ、そんな……」


 *

 「よろしくお願いします」

 ちょっと禿げた男性が、軽く頭を下げた。

 「いえいえ、こちらこそ、よろしくお願いします」

 「いや~、なんと嬉しいことでしょう。まさかこの歴史ある魔道士一族と我が国の防衛団が手を組んで邪帝に挑むことができるなんて…。こんなに心強いことはありませんよ」

 「歴史あるなんて、そんな……。お恥ずかしい。ですが、お国のためなら力を貸しましょうぞ」

 大きなハットを被った若い男性は、帽子を脱いで一礼し、禿げた男性と握手をした。

 「ところで、現在即戦力の人材はいるかね?」

 禿げた男性が帽子を被った男性ににやにやしながら聞いた。

 「ええ、いますよ。現在魔道士学園首席の娘がね。あと、もう一人産まれたての娘もダイヤの原石ですぞ!もしかしたら幼くしてパーティーに入れる並みには成長するかもしれませんぞ!」

 「ありがたいね!!ははははは」


 *

 「どうして魔女じゃ駄目なの?別に魔女でもいいじゃない?」

 必死になって妹を庇おうとするマルコにラテは蔑みの目を向けた。

 「あなたは……魔女の存在というものを甘く見すぎている。あなたは、魔道士と魔女の違いをしっかりと勉強する必要がある」

 「ら、ラテさん?」

 「魔道士っていうのは、思った通りに魔法を使い、敵へ攻撃を仕掛けたり、動きを封じたり、仲間を回復させる役割があることくらい知っていますよね?」

 「当たり前だよっ!ラテさん!一応これでも学校では首席なんだからね!」

 「実技だけですよね?ちゃんと知識も勉強しておいてください。で、魔女っていう存在も魔法自体は使えるし、使える魔法もほとんど変わらないんです」

 「だったらいいじゃないですか?」

 足をバンバンと地面に叩きつけながらマルコは問う。

 「しかし、たった一つだけ、魔道士と魔女の決定的な違いが一つだけある」

 マルコはつばを飲んだ。

 「それは、魔女だけは、、、他人を思いやる気持ちがない。すなわち、回復魔法を使えないのよ」

 

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