2025年04月 私の絵・キャラをあなたの絵で見たい企画㉓ 卯-3931號計画 後編(コロンさまイラストアレンジ)
さあ、何も思い浮かばないけれど、とにかく手を動かしていこう。
【試し描き】
とりあえずジャンプさせてみた。
できる限り跳ぶってことで機械が壊れる限界まで跳んでみた。どこまで跳べるかって? 大気があるぎりぎりのところまでだな。じゃあなんでそんなところまでジャンプする必要があるんだろう。とっても美味しいニンジンを手に入れるため、かな。
こうして必要のない設定が勝手にできていく。
サラッと適当に描いてもそれなりに描けるのは、いままで無駄とも思えるたくさんのスケッチをしていたからだと思う。ウサギマシーンだって1度考えているからその発展系で描けているわけであって、さすがに何もないところからじゃあこうはいかない、と思うんだけどどうなんだろう。
【パイロット分離】
ウサギだけ別レイヤーに分離させたんだけど、なにこのへたくそなウサギ。自分で見ていてイヤになる。そこそこウサギを描いたんだけどなあ。キャラクター化して自由に動かそうと思うともうちょっと自分の中で形をまとめる必要があるのかな。
【ウサギマシーン】
残ったウサギマシーンをもう少し描き込んでいく。
パイロットが描いてあった場所とか、こまかいパーツとか。ジャンプしてきているので、壊れて落ちていくパーツはウサギマシーンの跳んできた軌道上に、重力に引かれている感じで再配置する。
【パイロット描き直し】
ニンジンの位置はそのままなんだけど、パイロットがコクピットからジャンプするとこれくらいの位置になるのかな。
イメージはギリギリジャンプしたのにあと少し届かない、思わずコクピットを開けてジャンプ! 熱い展開だよね。そうまでして手に入れたいニンジンってどんなだよ。きっとウサギとウマの間で争奪戦が行われているに違いない。
【パイロット線画】
パイロットをきれいに清書して、ニンジンの葉っぱも描き直す。ニンジンの葉っぱって普段は見ることのないものだからわざわざ調べたよ。
【ウサギマシーン線画】
ウサギマシーンもきれいに描いていくんだけど、元々の形をはっきり決めているわけじゃあないから、バラバラになった部品も適当。きっと集めても元の姿には戻せない。
ファンタジーマシンだからね、こまかい設定は考えていない。でも、その中にも「ありそう」と思われるように、リアルなメカパーツを組み込んでいくんだけど、かえってカオスになっちゃった。いいのいいの、前にも書いたけどファンタジーマシンは分かりやすさ重視。
例えばさ、右上にサイレンサーがあるんだけど、ってことは内燃機関があって、さらにバッテリーも積んでる(基盤とかライトとか付いてるしね)ってことだよね。
じゃあ当然視界はモニター越しのはずなんだけど、なぜか前時代的なサイドミラーも付いている。見てみると空調も扇風機のようだし、この時代の科学技術はどうなっているんだ。
いいのいいの、いいのかな。
【ウサギマシーン描き込み】
細かい機械部品を描き込んでいく。
歯車なんか入れると一気にメカっぽくなるよね。とにかくごちゃごちゃっと、それっぽいものを描きこんだんだけど、どうせならもっと鍋とか電子レンジみたいな生活臭のあるものを入れたかった。
【混沌の宇宙】
ここからは背景を描いていく。
いつものように宇宙の部分に色を置いてぼかしツールで馴染ませていく。こういうのは一回では決まらないからね。何度も色を重ねてはぼかし、イメージする色に近づけていく。
【混沌の地球】
今度は地球だ。宇宙と同じように海を描いていこう。
【大陸の完成】
海が完成したらその上に陸を乗せていく。なんていうか、適当。緑が3色と、大地が2色、実際はひたすら描き足しているので、微妙に違う色がたくさん入っている。
注意するのは地球の丸みを考えて陸を描くってことくらいかな。
【雲の発生】
最後にいつも通りの雲ブラシで雲を描いていくよ。これこそ適当。雲ブラシのおかげで誰が描いても雲になる。う~ん、こうして道具に頼っていると自分で描く技術を失いそうなんだけど、みんなどうしてるんだろうなあ。時間があったらオリジナルで雲ブラシを作りたいところだけど。
【パイロットベタ塗り】
ようやくパイロットに色が塗れたよ。閉じられた線画なのでバケツ塗りで一気に塗っちゃう。ただしニンジンの葉っぱだけは閉じられていないので手塗り。
【ウサギマシーンベタ塗り】
結構描き込んだから細かいところは手塗りの方が早い。やっぱりたくさんの色を使いたくないので色数は抑えている。
ウサギマシーンは、やっぱ白ウサギでしょ。
っていうかウサギマシーンの下半身考えてないんだよなあ。適当に描いてるだけで。どんなデザインなんだろう。
【全部入り】
今まで描いたものを全部乗っけてバランスを見てみるよ。
こうしてみるとさ、全体的な流れはいいと思うんだ。地球から飛び上がったウサギマシーンの軌道も見えるし、バランスだってそう悪くない。敢えていえば、パイロットがコクピットと重なりすぎてるよね。ロボと少女の時のようにウサギマシーンをちょっとぼかすか? でも今回はパイロットとそんなに距離も離れていないし、むしろぼかすなら地球かな。そしてウサギマシーンの右側の空間が空いているのが気になる。
ま、先にウサギマシーンに陰影をつけていこうか。
【ウサギマシーン陰影】
だいぶ立体感が増したんじゃない?
ここでさっき気になっていた地球をぼかしてみよう。
【地球ぼかし】
ついでに星も描き入れてぼかしてみたよ。わりと大雑把に描いてもぼかしてみればマイルドに見えてとてもいい。これ、いろんなところで使っていこう。
【パイロット描き直し】
もうひとつ気になっていた、パイロットがコクピットと重なっていた問題と、ウサギマシーンの右側の空間が空いていた問題。その2つを解消するためにパイロットの位置を移動してみたよ。
パイロットが前面に出るため、奥行き感が増してよりダイナミックになってると思う。ウサギマシーンのジャンプの軌道からも外れていない位置だし、いいんじゃないかな。
【パイロット描き込み】
ということでパイロットを描き直そうとしたんだけど……。
ニンジンをベストの位置に持って行こうとするとパイロットの顔が隠れちゃうんだよなあ、かといってこの位置からずらすとジャンプした軌道から外れることになるし、なんともうまくない。
どうするかなあ、画面構成を根本的に見直すか?
【パイロット位置調整前】
ここで一旦元に戻して考え直すことにした。
もうちょっと飛び出し感を出すため、そしてパイロットをコクピットから離すため、位置を修正。右側の空間にはヘルメットを飛ばして間を持たせることにしたよ。
これで画面全体を使えたし、ウサギマシーンの軌道、パイロットのジャンプ、ヘルメットの動きなんかも見えてくる構図になってると思う。
【完成】
ノープランで描き始めた割にはちゃんとしたイラストになったけど、お題の回答としてはもっといろいろできたはず。というか描いている間にも「ああしたい」「こうしたい」というアイデアが湧いてきて、時間があればそれも形にしたかった。
さてみんなの反応は。
みんな宇宙空間にいるウサギと、その帰路について心配してくれたよ。ありがとう。そして、何をやっているのか、ニンジンをゲットできたのか気にしてくれる人も。
ふう、これで自ら課していたノルマは全て完了した。
*
おまけ
さっきも書いたけど、このイラストを描いているときに、もっと別のアイデアが出てきちゃって本当はそれも作りたかったんだけど、時間の問題と技術的な問題でつくらなかったの。
でもせっかくだから、ここにそのアイデアだけ書いておくよ。
ポイントは「すんごいジャンプ」だ。まあ、いかに「すんごい」を表現するかってことだね。そこがこのお題のキモなんだと思う。で、描いてて思ったのが「画面を飛び出させちゃえば『すんごいジャンプ』になるんじゃないか」ってことで、それが根本的なアイデアの源となっている。
じゃあどうやって平面である画面を飛び出させるか、なんだけど。
①半立体イラスト
半立体と言っても立体をつくるわけじゃあないよ。描くのは平面なイラストなんだけど、それを組み合わせて奥行きをつくるの。ちょっと伝わりにくいと思うのでイメージ図を描いてみるよ。
【半立体イラスト】
伝わったかな。紙から飛び出させるイメージ。でもこれは停止している図だよね。どうせならもっと飛び出す動きを見せたいってことで考えたのが次の案。これもイメージを描いてみるよ。
【飛び出す絵本】
これ、いいアイデアでしょ。やりたかったんだよね。っていうか実際に取り掛かったんだけど、イメージする「飛び出し」をどういう風にすれば実現できるか、その技術的な部分がクリアできなかったの。たぶん1ヶ月あれば何とかなるんじゃあないかなあ。
【夢の残骸】
これ作ってたのがもう企画終了する5日前とかで、どう頑張っても無理だったよ。
イメージに技術がついていかない。これほど口惜しいことはないね。
ってことで目標としていた「お題提出者全員に1枚ずつ」っていうノルマはクリアできた。でもまだ残り日数が3日ある。ここで終えるのは早くない? 簡単なイラストならまだ1枚描けるでしょう。
ってことでラスト! もう1枚いくよ!




