2025年04月 私の絵・キャラをあなたの絵で見たい企画⑳ ロボを作ろう(かぐつち・マナぱさまイラストアレンジ)
さて、最後に残った難題2つ、のこり時間は10日ほど。余裕があるようで実はない。だってこの難題、どれだけかかるか全く見えてないからね!
この2つはそもそも難題の質が違う。まずはかぐつち・マナぱさまのこのお題。順番からいえばもっと早く手をつけるべきだったけど、手が出せなかったんだよね。
まあ見てよ。
***
エントリー№33 仮名:ロボと少女
(お題について)
・構図・服装・大きさ・その他、アレンジOKです!、少女とロボが別々でも構いません!(描くの大変ですから!(;´・ω・)<すいません)
(イラスト説明)
・姫カットの17歳の少女:右手の黒色の古い剣、左に浮いている翡翠色の鉱石の持ち主で、行く先々でトラブルに巻き込まれる体質です。口癖は「私は最強の力を手に入れたいです!・・最強の力とは『みんなと仲良くなる力』です!」で、ロボと人助けの旅をしています。
・医療用ロボ:胸に太陽みたいな文様がある鏡に、医者のおっさんの魂が内蔵されています。人間にもなれる少女のパートナーです。性格は穏やかで、滅多に戦いません。得意技はお説教です。
***
これが難しいのは一目瞭然でしょ? このお題を見た時にはどうしようかと思ったよ。
難しさの原因は全てロボにあるんだよね、見てよこの複雑な造形。これを描くためには圧倒的にガッツが足りないよ。よくこんなすごいの描いたよね。1目で分かるこの気合の入り方、それだけで敬意を表したいしヘタなものは描きたくない。
ロボってさ、描くのにカロリー使うと思うんだよね。きっと何体かロボを描いたら痩せるんじゃあないかなあ、ロボダイエット。今のロボットアニメは3DCGで描かれているのだろうけど、手描きの時代はこれを何万枚も描いてたと思うと気が遠くなる。
で、なにしろ形をとらえなきゃいけないので紙に描いてみたんだけど。
【特撮ヒーロー?】
難しい。
描いていて気付いたんだけど、いたるところで2次元マジックが炸裂してるのね。ええとね、分かる? 2次元マジック。古い例で申し訳ないんだけど矢吹丈の髪型と言えば分かるかな。2次元だったらそれっぽく見えるけど、立体で考えると途端におかしくなる。どうなってんの、これ? って。そんなマジックがあちこちに使われていてそれだけでも混乱するのにさらにもう一つ、描くのを難しくさせているものがある。
左右対称じゃないの。
よく見れば分かる、明らかにアシンメトリーな部分があるから。
これも2次元マジックの一種なんだろうなあ。でもこれってよくあることなんだよね。イラストだからさ、その1枚の見栄えさえよければいい。俺だってそう考えるし、よくやるもの。だから、それっぽく描くってのが正解なんだろうけど、自分の中から出てきたものじゃないからかなあ、やっぱり気になっちゃうんだ。
頭の中で立体化しながら紙に描こうとしてみたんだけど、複雑すぎて俺のCPUじゃあ処理しきれなかったよ。藤井聡太くらいの演算能力があればいけるかもしれないけど。
ということで、ここまででずっと置きっぱなしになっていたこのお題。ことが進んだのはあるアイテムを手に入れたからだった。
【油粘土】
そう、幼稚園とか小学校で使う油粘土がなぜか我が家にやってきた。これはもう、作れってことだよね。少なくとも頭の中で立体をつくるよりも、実際に触りながら考えた方がはるかに分かりやすい。
それにしても今の粘土ってこんなにかわいいケースに入ってるんだ。俺の持つ粘土のイメージとは全く違うんだけど。
とにかく学生時代以来の粘土細工、それはそれで楽しみだよ。たぶんイラスト描く人はみんな立体造形も好きなはず。頭の中にあるイメージを2Dで出力するか3Dで出力するか、それだけの違いだもんね。
【開封の儀】
え~、今の粘土ってこんなに明るい色なの? しかもヘラまで付いてるじゃない。
触ってみるとだいぶ硬い。まずはこれをこねながら体温で温めて柔らかくしていく。
次に2/3くらいの量を使って大まかな形を整えていく。粘土細工って本来なら針金なんかで芯材を作って肉付けしていくものだと思うんだけど、飾るために作るんじゃあなくって形を把握するために作るんだからね、そこまではしない。ALL粘土でいこう。
【油粘土始めました】
ところでさ、付属のヘラが造形物に対して大きすぎるよね。
【ヘラ】
これじゃあ細かいところが作れない。ってことでつまようじを投入。
【つまようじ】
つまようじはそのままのものと先端を削ったものの2本、お尻が平らになっているのでそこも使うよ。
あとはどんどん作っていくだけなんだけどさ、どうも夢中になりすぎて写真を撮るのを忘れちゃうんだよね。今までのメイキングも途中画像の保存はしていなくって、後付けでそれっぽい画面を再構成するか、今はタイムラプス動画からスクリーンショット撮るかだもん。忘れるのも無理はない。
1つの塊から頭、胴体、腕を作っていったんだけど、腕と脇の間をトンネル掘るみたいに形作っていくのが面倒だったのね。だからある程度作った後に腕は一旦切り離しちゃった。
【腕なし】
結構形はできてきている。でも決して元絵に忠実なわけではない。むしろだいぶ違うんだよなあ。
油粘土だから(柔らかすぎて)細かい造形ができないってのと、そもそも大雑把な形が取れればいいと思ってたから。でも顔がね、元絵はもっと小顔なのにおかしいなあ。
【腕なし 横】
腕を取り外したためにサイドの部分が作りやすくなった。
ちょっと後ろに倒れてるのは、あとで正面から写真を撮ることを考えてのことなんだけど、首の強度が足りなくって困っちゃった。元絵の首、細いでしょ? あの細さにすると首が後ろに倒れるんだよ。しかも粘土がどんどん柔らかくなって、手で持って整形すると、押された後ろ側が歪んでくるの。頭なんか簡単にポロリともげちゃう。やっぱり芯材は入れるべきだったかあ。
平面イラストを立体化するときって、正面から見たところだけじゃなくって、全ての方向から見た時の見栄えが良くなきゃいけないと思うんだ。
元絵のロボって胸元がすごくスマートじゃん。立体にしたときに予想以上に平ぺったくなると思ったんだよね。だからここは大きく張り出させてみたよ。でもこうしてみるとまだ甘かったと思う。もっと脇から盛り上がるように作るべきだった。
【腕なし 後】
ロボの背中部分は元絵には描かれていないから、完全に自由にできるかと思ったんだけど、そうはいかなかった。
さっき書いた首の強度の問題ね。
首が細すぎて、ちょっと触るとぐにゃりと曲がっちゃう。でも極太で筋肉質な首を付けるわけにもいかないし、今更頭を割って芯材を入れるのもなあ。
ということで、見えない背中の部分を極太(つまり頭の台座)にして支えようってわけだ。こんなにゴツゴツしてボリューミーなのは、なにもそういうデザインが好きなわけじゃなくって、やむを得ずこうしているの。
さて、別に作った腕を取り付けたら完成だ。
【全体像 前】
こうしてみると結構荒い。元絵を見ながら作ったんだけど、やはりシャープな印象だった顔が太ってしまったのが痛い。元絵を見ると全体的に細身で、いうなればイケメンライダーに近い印象なんだけど、なんかこう、昭和感あふれるロボになってしまったよ。
【全体像 横】
元絵からでは推察できなかった脇の部分の作りが甘い。もっとかっこよく出来たろうと思うが、それよりもやはり突き出した胸元へのラインが物足りない、首から、脇から、ここをもっとマッチョにするべきだった。
【腕なし 後】
首を支えるためとはいえやはりゴツすぎただろうか。制約がなければ頭はそれだけで完結させたほうがスッキリとしたはず。そうすれば背中もスッキリ、随分と印象は違ったはずだ。
粘土開封から6時間、これでようやく完成だ。もう、どんな角度からでもバッチリイラストが描けるよ。でもせっかくだからこの粘土細工もお披露目したいよね。でもなあ、イラスト企画だからなあ。まあでも参考出品でもいいでしょ、そのあたりは企画主の幻邏さまにお任せしよう。ということで許可をもらって発表後のみんなの反応は?
やはりイラストの中に混じる立体に驚く人が多かった。造形というよりも立体作品のインパクト。でもこれくらいはアリだよね。みんな受け入れてくれてありがとう。
ってことで、次はこの立体を元にちゃんとしたイラストを描いていくよ。




