2021年10月 ひだまりのねこ さまFA②
下描きができたのでスキャナーを使ってPCに取り込もう。
読み込み解像度は一般的にWebで使うなら72dpi、印刷用なら350~400dpi(dpi=dot per inch。1インチ(=25.4mm)あたりのdot(点)数で、小さいほど画像は荒くデータは軽くなる)。俺はいつも350dpiでスキャンしている。なぜって? 下描きがA5サイズと小さいから、これでもそれほど重くならないんだよ。
PCの作業環境ね、使ってるのが古いシステムだからなあ、参考にはならないと思うけど一応。
・PC:iBook G3 CPU600MHz HD20GB メモリ384MB
・スキャナ:エプソン GT-7200
・タブレット:ワコム インティオス3 PTZ-930
・アプリケーション:アドビ イラストレーター10 & フォトショップ7
いや、こんな古いシステム使ってるやついないだろ。20年前から使ってるシステムだもんね、液晶画面なんかアルコールで拭いちゃったからバリバリにヒビが入って見にくい事この上ない。色もなんとなく褪せて見える。でも描けりゃあなんでもいいんだよ。ね? 参考にならないでしょ?
ここから先はフォトショップを使った作業。
取り込んだ画像の傾きを直して余白をカットしたあと、明るさ調整で紙の色を飛ばし、線をクッキリさせる。そのあとグレースケール(白黒画像)からCMYK(カラー画像)に変換する。
元画像
調整済み画像
CMYKってのはね、C、M、Yっていう色料の3色を使ってフルカラーを表現する方法で、全部混ぜると黒になる。残りのKは墨のことで、3色を混ぜた黒ではなく墨を使うことで発色を良くしたりするんだけど、まあプロじゃなければそこまでこだわらないかな。プリンターとかコピー機って大体この色構成でしょ? だから紙に印刷するときはCMYKで作ると狙った色が出しやすい。
もう一つ、RGBってのもある。R、G、Bの光の3色を使ってフルカラーを表現する方法で全部光らせると白になる。これはテレビモニターなんかがそう。だからディスプレイなんかの画面で見るものはRGBで作った方がイメージ通りの色になる。
今回モニター画像なのにCMYKで作ったのはいつもの癖なんだけど、おかげで色はちょっと変。これに気付くのはまだ先のこと。
準備ができたら調整済み画像レイヤーの上に新しい線画レイヤーを作ってキャラクターの線画を描いていく。(レイヤー:階層のこと。セルアニメで「動かない遠くの背景」「動く近くの背景」「奥のキャラクター」「手前のキャラクター」を別々で描いて重ねているように、デジタルイラストもそれぞれ分かれている)
まず背景の線をキレイになぞっていくよ。
+線画レイヤー
可愛くするためにちょっと笑顔にしていたミコトさんなんだけど、ミコトさんって「笑わない」キャラクターなんだよね。だからここは心を鬼にして笑顔を消してみたら、あれ? 可愛くなくなっちゃった。あれだけ苦労して求めた可愛さなのに、結局残ったのは「幼女」だけだった。気を取り直して、線画レイヤーの奥に色レイヤーを作って色を塗っていく。
+色レイヤー
次に色レイヤーの上に陰影レイヤーを作って影の部分を描いていこう。
+陰影レイヤー3枚重ね
陰影レイヤーは段階的に3枚重なっている。レイヤーを分けると何がいいって、直すのが簡単。例えばレイヤーがないアナログの絵だと、筆塗りを失敗しちゃったら取り返しがつかないけど、レイヤーが分かれていれば、陰影部分だけ消してやり直せる。
陰影レイヤーのみ3枚重ね
手前のレイヤーに何か描くと、奥のレイヤーに描いた絵は隠れるんだけど、重ねていくこともできる。前者が不透明水彩(ペンキみたいに後ろの色が塗りつぶされて消える)後者が透明水彩(蛍光ペンみたいに後ろの色が透けて見える)で描いてるイメージ。今回の場合、陰影レイヤーと線画レイヤーだけが後者。
ここから背景の作成。キレイな単色で塗るのがキライなので、なんとなく濃淡を付けてみる。
+背景レイヤー
これはね、フォトショップの機能で手描きしているわけではない。だから凄いのは機械で俺じゃあない。次にロゴの作成。今まではフォトショップを使用していたけど、ここからはイラストレーターを使っていくよ。
この使い分け、説明する? えっと「ビットマップ」で描くのがフォトショップで「ベクトルデータ」で描くのがイラストレーター、と言っても分からないよね。難しいな。簡単に言うとね、絵画を描くならフォトショップ、ロゴマークを作ったりレイアウト作業をするならイラストレーターの方が便利。とりあえずそれだけ分かればいいかな。
じゃあ、ロゴマークを作っていこう。
1周年ロゴ
ロゴができたらフォトショップで描いたイラストの上にロゴレイヤーを作ってコピー&ペースト。位置と大きさのバランスを見たあと文字レイヤーを追加してお祝いの言葉を書いてみる。レイヤーが分かれていると位置調整が簡単にできるので便利。ホントはこういったレイアウト作業はイラストレーターでやった方が簡単なんだけど、今回はフォトショップでやっている。
+ロゴレイヤーと文字レイヤー
ん、なんか文字がパッとしないよね。手書きの文字がいかにもチープなので、ちゃんとしたフォントを使おう。
文字
イラストレーターで文字を打ち込んでみたけど、画一的な感じが好きになれない。だから1文字ずつバラして大きさと角度を変えてバランス調整してみる。上が打ち込んだだけの文字、下が調整した文字。こっちのほうがキュートでポップでしょ? コレをフォトショップの文字レイヤーにコピー&ペースト。いいんじゃないかなあ。
文字の変更
でも、これだけだと画面がさびしいよね。ということで、何を追加するかって言うとドクロでしょう! だって死神だもんね! 意地でもドクロ面を使いたかったわけじゃあないよ?
+ドクロレイヤー
まだちょっともの足りない。ってことで血をたらしてしまおう! なんか、どんどん可愛さからかけ離れていってるけど、気にしたら負けだ。ついでにキャラクターには左上から光が当たってるのに、ドクロには右から光が当たっているので直そうか。
背景完成
後は全体的に色調補正して完成。だってほら、俺のPCってば画面がひび割れてるからさ、他のPCで見るのと全然色が違ってるんだよ。それって致命的じゃない? だから割り切ってそれほどこだわらないことにしてるんだけど、それでもやっぱり色調整はしたい。
完成
ふう、ようやく完成。コレ、今描きなおすならやっぱり「ミコトさん」をもっと大人で美人にしたいな。修正点は尽きないけど、もう完成したからいじらない。
そしてもう1案描いてるので、次はそっちを作っていこうかな。