2025年02月 私の絵・キャラをあなたの絵で見たい企画⑧ ド派手にいこうぜ(アホリアSSさまイラストアレンジ)
も、もういかん、このままでは本当に描けなくなってしまう。
アホリアSSさまのお題のことだ。なぜこんなに間が空いてしまったんだろう。問題のお題がこれだ。アホリアさまはこの時点で高難度のお題をいくつか出していた。
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エントリー№03 仮名:女子プロレス
・違う構図OK
元絵でインスピレーションを受けたものであれば、原型をとどめないアレンジでもOK
・その他:X(旧ツイッター)や小説挿絵などで出す場合は、本企画の参加作品であることも描いてください。
・コメント:顔をオリジナルキャラや馴染みの作家のIFAにするのもいいかも……
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エントリー№23・24 仮名:大喜利①②
・違う構図OK 原型ととどめないレベルの改造も可能
・その他:希望事項を書いて下さい
それぞれのキャラにセリフをいれてくれるとうれしいです。
・コメント:昔、自分のWebサイトで一コマ漫画のセリフをいれる企画をやったことがありました。
この2枚は描きなおすつもりで未使用だったものです。
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まずは女子プロレス。
おそらく組み手をやっているお題ってこれだけじゃあないかなあ。そして人が絡まってるところを描くのって、なかなか難しいんだよね。だからこれってあまり描かれないんじゃあないかと思ってたの。でも俺はアクションシーン大好きだからね。これは描くしかないでしょう。
ということですでに描き始めてはいたんだけれど、次のお題が出てきた時に考えちゃった。
えええ~っ、これ大喜利じゃん!
これはさらに難易度高いよぉ、しかも文字入れるの? うわあ、これ、挑戦すべきかなあ、①と②を比べると圧倒的に②の方が難しく思える。う~ん、とりあえずアイデアだけでも考えてみようか。
と、①だけ考えたのがこれ。
【大喜利① 案】
②は何も出なかった。
でもやっぱり描きたいのは組み手。純然たる「絵」なんだよね。
最初にプロレスのお題を見た時にまず頭に浮かんだのは男子プロレスだった。学生の頃はね、たまにTVで放送されるプロレスを見ていたんだよ。だから俺の知識はその時で止まってるんだけど、肉体のぶつかり合い、飛び散る汗とツバキ、ド派手な技、痛みに耐える顔、そんな暑苦しいともいえる印象が残っている。
そんな俺がプロレス描いたら、そりゃこうなるよね。
【ヘブシッ!】
でもこれさあ、アレンジって言えるのかなあ。キャラクターものじゃあないし、ただのプロレスじゃん。せめて女子プロレスにした方がいいかなあ。
女子プロレスはやはりTVで見たことはあるけれど、男子に比べてほとんど知らないんだよなあ。そりゃ有名レスラーの何人かは、名前くらいは知っているけれどそれだけだ。強いて言えば金切り声をあげ、髪を振り乱し、空中殺法なんかをよく使う、そんな印象だ。
空中殺法? いいんじゃないかな。
【フライングエルボードロップ】
あれ? これって空中殺法に入るのかな。しかもなんとなく描いたからかイマイチ迫力に欠ける構図。案外難しいのかな。
空中殺法といえばトップロープからのフライングボディアタックとか、ムーンサルトプレスなんかが派手でカッコいい。
【フライングボディアタック】
おっ、いい感じじゃない?
これはこれでいいんだけど、やっぱり組んでる姿を描くべきじゃあないかなあ。
お題通りで行けば極め技がいいのかな。でも地味。あ~、イラストならそうでもないのか。
それとも投げ技にする? うん、そっちの方がド派手に描けそうだよね。ブレーンバスターとかパイルドライバーとか。うん? これって投げ技なのかな? まあいいや。
いろいろと考えたんだけど、ここはそのままフォールもできるジャーマンスープレックスでいってみよう。なにしろカッコイイんだから。
【ジャーマンスープレックス】
おお、なかなかキレイに描けたんじゃあないの? でもなあ、ジャーマンスープレックスなら投げっぱなしのほうがいいかなあ。いやいや、やっぱり美しいのはこっちでしょう。
じゃあiPadで描いていこうか。
【下描き】
まて、まて、まて。
せっかくラフスケッチで形が取れてるんだから、それをトレースした方が早くない? ということで、ラフスケッチを読み込んで写していくことにする。
【トレース中】
マットの角度に合わせて微妙に投げられている人の位置を修正した。今見ると頭の位置がもう少し右下にあるべきだったけど今更だよね。
なんとなく形が取れたら集中線を入れてバランスを見てみよう。
【集中線】
いいんじゃないかな。
じゃあどんどん細かいところを描き込んでいくよ。今回は登場人物2人が組み合っているので、分かりやすいように色を分けてみた。技をかけてる側の手がね、髪の毛にうずまってどうなってるか分からなくなっちゃったからね。
ついでに背景のリングと効果であるスピード線も色分けしてみたよ。
【下描き完成】
今見るとロープが太すぎるね。ラフスケッチだと弓なりになっていてそのほうが好みなんだけど、きれいな曲線を何本も描く方法が分からなかったので直線に変えた。こういう技術的な問題でイメージを変えていくことってよくある。
この下描きをきれいな線画にしていこうか。
いつものように新しいレイヤーに写していくよ。
【線画】
これまたいつものようにベタ塗りレイヤーを作って色を塗っていくよ。色が決まったら背景も。今回はリングだからね、背景は暗っぽい色でベタ塗りする。
塗り終わったらいろいろと描き込んでいこう。
【ベタ塗り】
まず集中線とロープの一部が重なって見分けがつかなくなっちゃったから、ロープを少し太い線で上描きして、そのあと陰影部分を描いていく。
陰影はね、いつもは濃い色を塗っていくんだけれど、今回はせっかくスピード感を出そうとしているんだから、陰になる部分だけ濃いめのスピード線を増やして、結果、影のように見える形にしたい。言ってること、分かる?
実際描いてみたのを見返すと、もうちょっと分かりやすく描き込めばよかったと思う。
ついでにマットの陰になる部分(レスラーの影ね)も同じように描いていこう。その線は荒々しさとスピード感を出すため、そして塗れる面積を増やすために太めの鉛筆ブラシで描いてみたよ。
【陰影付け】
技の衝撃を表現するためにはいくつかの方法があるんだけど、今回はもっと強いスピード線を入れることにした。先に書いたように陰影部分に入れたスピード線が弱くて分かりにくかったからね。
黒と赤で描きこんで、そのまま青にいこうかと思ってたんだけど……。
なんだか赤い線がきれいじゃない。
【スピード線追加】
で、どうしようかと迷った挙句赤い部分に赤線を引くのではなく、全体的に白い線を入れることにした。
【スピード線修正】
これでキャラクター部分はだいたい完成。あとは背景。
このままでもいいんだけど、ちょっと寂しいよね。観客を描くのはさすがに面倒だけど、せめて照明が描いてあるだけでもずいぶんイメージが変わるんじゃあないかなあ。照明は大きなぼやけたブラシで点を打つだけなので簡単簡単。それでもまだ単調に見えるので、会場の奥行きを出すためにグラデーションをかけていこう。
適当な色をのせたら、ぼかしツールでなじませてグラデーションを作っていく。
【飛び散る飛沫】
もう少し迫力を出せないかな、ってコトで少しずついろんなところを描き加えていった。選手から飛び散る飛沫も描いてみたけど、ちょっとやりすぎかなあ。きれいに描けばいいのかもしれないけど、今回はこれはなしにした。
マットに描いた集中線も赤の鉛筆ブラシで描き足してみた。
さらにいろんなところを調整したらいよいよ完成だ。
【女子プロレス 完成】
な、長かったぁ~。
このイラストはアングルが難しいよ。全体を入れるためにはキャラクターをこれくらいの大きさにする必要があるんだけど、どうもこじんまりして迫力に欠ける。でもね、この構図で描きたかったんだよね。
こんなイメージは変なんだけど、俺の頭の中にあったのは古いバネのおもちゃなんだ。調べたら『トムボーイ』って言うらしいんだけど、それが向こうからやってくるイメージ。伝わるかな。
さあ、ずいぶん時間がかかってしまったイラストだけど、みんなはどう受け取ってくれるかな。
企画参加者は女性が多いだけあって、プロレスを知らないようだったけど、それでも迫力は伝わってくれたみたいだし、技を知っている方からもありがたい言葉をいただけた。プロレスってさ、好きな人はアツイから、言いたいこともあるんじゃあないかと思うわけだけれど、みんな暖かかったよ。
お題を描いたアホリアさまに言われて初めて気がついたんだけど、確かにロープが近かった。これではすぐにロープブレイクされてしまう。まあ、それも込みでプロレスだよね。
さて、ずっと描かなきゃと思っていたお題を描きあげ、心が軽くなったようだ。次は何を描こうかな。




