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2025年02月 私の絵・キャラをあなたの絵で見たい企画⑦ ミュシャを目指せ(ジャガイモ探偵さまイラストアレンジ)

何を言っているか分からないところもあると思います。

本来であれば「用語解説」も合わせて更新するべきですが、先に本編を進めさせてください。

 さあやるぞ!


 俺、ついにアホリアさまのお題を描くんだ……。



***



エントリー№10 仮名:ボヘミアンガール


挿絵(By みてみん)


指示:構図変更OK、アレンジ可


補足:

カラーパレットはアースカラーやボヘミアン調、くすみ系を考えていましたが、自由にアレンジしていただいて構いません。また、イラストの人物は茶髪をイメージしていますが、こちらも自由にしていただいて大丈夫です。


コメント:

特に決まったストーリーのキャラクターではありませんが、個人的には「妙にタフでストイックながらも、親しくなるとさりげなく面白くて可愛らしい」タイプのヒロインを思い描いています。



***



 ジャガイモ探偵さまのお題はこの1枚のみだったため、作者コンプリートするためには避けられないものだった。お題を見れば分かるように……。


 え? アホリアさまのお題?


 ……。


 ジャガイモ探偵さまのイラストは、お題を見てもわかるようにとても個性的。俺の印象で言わせてもらえれば「日本人離れしている」というものだ。


 当たり前のことだけど、俺も含めその人が描くイラストというのは今まで見てきたものに強く影響されるものだ。その中から自分の好きな絵柄をまね、自分だけのスタイルを確立していくものなんだから。


 俺の場合は子供の頃に見たアニメが核になっている。日本人ならばその多くがアニメや漫画から影響を受けたことだろう。だからどれを見ても「見慣れた感」があるものだ。だけどジャガイモ探偵さまのイラストからはどうもそこから外れた場所での影響を感じるのだ。


 なんて言えば分かってもらえるんだろうなあ、この感じ。


 俺はイラストが大好きで、他の方の作品や割烹で発表されるイラストで気に入ったものがあれば『みてみん』で一通りのイラストを見るし、直接好みのイラストを探すこともある。だからジャガイモ探偵さまのイラストも何度も見ていて、そこからは絵画だったり海外文学の挿絵に見られる線画からの影響があるように感じていた。


 今回のお題もやっぱり絵画っぽいよなあ。


 これも多分難しいお題なんだろうな。だけどこのお題、俺には特にミュシャの雰囲気が強く出ていると感じていた。


 アルフォンス・ミュシャ。18~19世紀にフランスで活動していた画家というか、俺の印象だと広告デザイナー。その多くが女性をモチーフにしており、植物や文字などの装飾を好んで使う。まあ、特徴的すぎるくらい特徴があるので見たら分かると思う。


 じゃあこれは思いっきりミュシャっぽくしてみようかな、とも思うけどでもなあ、オリジナリティが何よりも大切な創作者にとって「何かに似ている」って言われるのは、狙ってやっているのであれば嬉しいけれど下手すれば「マネ」と言われているようで許容できないこともある。初めましてな方に対してそんな冒険はやめるべきか?


 でもさ、ミュシャって確かボヘミア出身なんだよね。補足に「ボヘミアン調」ってあるじゃん? ってことはこれは狙って描いたってことでいいんだよね! ね!


 ということで描いてみたのがこちら。


【ラフスケッチ】

挿絵(By みてみん)


 あれ? 全然ミュシャじゃない。顔が怖いよ、濃すぎるよ。まあこれ単なるイメージだから。これからだから。本番はもっとかっこよく描けるから。なるはずだから。


 こんなのなかったことにして、改めてiPadに描いてみよう。


【とりあえず描き始めたが】

挿絵(By みてみん)


 あれえ? おんなじだったぁ~。


 どういうこと? これが俺の限界か?


 オカシイな、直すつもりだったのにラフスケッチと同じになってるじゃあないか。濃いよ、怖いよ、これはいかん。顔を消して描き直す。筋肉と同じでこれも思い込みが大事。「いいよ~、ミュシャっぽくなってるよ~」「ちょっと表情が硬いかなぁ~、もう少し自然体で~」なんてアイドルをカメラ撮影する写真家のように呟きながら修正していく。


【下描き修正】

挿絵(By みてみん)


 うん、少しはマシになったかな。なってるよね。爽やかに、そして言われてみればミュシャっぽい程度には似ているはず。似ているよね? 似ていなくても似ていることにしよう。


 おおまかな形が取れたから、ここからどんどん細部を描き込んでいこう。


【描きこみ完了】

挿絵(By みてみん)


 おや? だいぶ絵画っぽくなってきたんじゃあないの?


 Procreateでは試したことがないんだけど、このまま油彩風の色付けをして絵画のように仕上げるってのもありかもしれない。悩むなあ~、やってみたい。やってみたいんだけど、今回は最初の計画通りミュシャでいこう。だってそもそもが「ミュシャっぽいからミュシャでいこう」ってのがコンセプトなんだから。


 じゃあ次はミュシャの特徴でもある植物を入れていこう。


 植物が入る大体の位置を決めたら、あとはひたすら花を描いていく。花、葉っぱ、枝、つぼみ、花、花、葉っぱ、花、花、花。


【植物下描き】

挿絵(By みてみん)


 これもミュシャの特徴なんだけど、線画は細かく形を取っているんだけど、質感についてはあんまり描き込んでいないんだよね。これは、石版画だからだろうか、それともほとんどの作品が商用ポスターなのであえて描き込み度を落としているんだろうか。とにかく植物は描きこまないようにする。


 下描きができたらそれを元にきれいな線画を描いていこう。


 まずは人物から。


【線画】

挿絵(By みてみん)


 せっかく描き込んだけれど線画はなるべく単純化して、描き込み部分は削っていく。せっかく描いた部分を使わないのはなんか寂しいけど、それがあってこそしっかりした線画になっているんだと思う。


 ミュシャの特徴のひとつが強く引かれた枠線だ。人物でも植物でも、外側の枠線だけ強調されているため、それに倣って強い線で描いていく。


【人物線画 完成】

挿絵(By みてみん)


 ついでに三つ編み部分だけ別レイヤーに移したら、服飾部分を描き直す。ボヘミアン柄のカーペットなどを参考にそれっぽい模様にする。こういうのってね、イチイチ柄や配置にも意味があって、そういったストーリーを考えたりもするの。そういう作り手の心の内って表に出ることはないんだけど、そういうのがあるのとないのとでは説得力が変わってくると信じてる。


 いいんだ、無駄だって言われようが。自分が納得することが大事なんだから。


 いままで描き込んでこなかった質感だけど、服の布地だけちょっと描き込んでいるよ。なぜならミュシャもやっているから。


 線画が完成したら次に色を塗っていこう。


【ベタ塗り】

挿絵(By みてみん)


 ミュシャはほんのりと陰影をつけるだけで、その作品のほとんどはベタ塗だ。ザクっと塗っていこう。


 今回はボヘミアンカラーということで、落ち着いた色を選択。そしてキッチリした線画を描いたため、筆塗りではなくバケツ塗りを使用する。手塗りとどっちが楽か、うん、場合によるかな。


 髪と肌を彩色したら、それに合わせた背景色を探す。


 同じようにして背景の植物もベタ塗していく。こちらもバケツ塗りだけど、花1輪にしても多くの線で区切られているため場合によっては筆塗りの方が早いかも。


【植物ベタ塗り】

挿絵(By みてみん)


 次にこれもミュシャの大きな特徴である円環を描いていこう。


 まずは大きな円を2つ描いて内部を塗っていくんだけど、この時はまだProcreateで真円の描き方を知らなかったから、きれいな線を描くのに苦労したよ。でもこういうのって必要に迫られないと覚えないからねえ、今回の企画に参加したことによってずいぶんとProcreateの機能を覚えたよ。それでも全体の2割も使っていない気がするけれど。


【円環作成】

挿絵(By みてみん)


 円環が描けたら、その縁部分に沿って文字を入れていこう。文章はもちろん「JAGAIMO・TANTEI」だよね。


【文字入れ】

挿絵(By みてみん)


 とりあえずそれっぽい文字を描いてみた。うん、ガタガタだね。ミュシャの使っている文字って既存のフォントなのかなあ、ミュシャのオリジナルデザインかなあ。いくつかあるんだけど。


 ミュシャのポスターをよく見るとさあ、同じ「A」でも微妙に違っていて、手描きであることがよく分かる。18世紀の技術がどのくらいか分からないけど、トレースなんて紙と鉛筆があればできるんだし、あえてそうしているとしか思えない。


 ならば。とりあえずはこのまま先を進めようか。


 ここでほんの少しだけ、人物に陰影を入れていくよ。あれ? 影が入っている? ってくらいのさりげなさを目指そう。


 まずはピンクで大まかに色をつけたら、ぼかしツールで薄く引き伸ばしていく。大きな花の中心も同じように色を乗せてぼかしていく。


【陰影】

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


 大体できたかな。


 でもやっぱり文字が貧弱だよね。さすがにこれではガタガタすぎかな。もうちょっと整えていこうか。


 アルファベットの大きさをそろえるためにガイド線を引いたら、必要な文字を描いていこう。ミュシャのポスターから文字を拾ってくるんだけど、ポスターだから書かれていないアルファベットもあるんだ。うん、もちろんそれっぽくデザインするよ。


 そうして必要な分だけのアルファベットができたら、それを円環状に配置していくよ。


【文字の作成】

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


 文字ができたら後は細かい調整や描き足しをすれば完成だ。


 ここまできても、見れば見るほどいたらない所が目に付いて、細かい修正が止まらない。でもこれは文章でも同じ事。どこまで描き込んで完成とするかはその人次第かな。


【ボヘミアンガール 完成】

挿絵(By みてみん)


 うん、結構大変だった。


 本来ならここからさらに背景を描き込んでいくのだけれど、もう文字だけで疲れちゃったよ。しかもミュシャの描く背景って……ああ、見るだけでギブアップ。でも、やりきった感はあるよ。


 ああ、僕は描き切ったんだ、ミュシャの絵を。


 なんだかすごく眠くなってきたよ。


 次に目を覚ましたら、今度こそアホリアさまのお題を描くんだ。


 ……。


 さて、みんなの反応は。


 ミュシャを知っているかどうか不安だったけれどさすがお絵かき好きの集まり、みんな知ってるどころか大好きな模様。お題の作者であるジャガイモ探偵さまにもミュシャには影響を受けている、なんて言われてほっと一安心。


 はあ~、終わったあ。


 さて次は。あれ? 何か約束があったっけ。

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― 新着の感想 ―
 私は直前にミュシャ展で画集まで買いましたよ。以前、ゴーギャン展やってた美術館。そのふた先生好きなの。  ダリ先生や、ギュスターヴ・モロー先生にも興味あるけど。  私もミュシャ先生風にした買ったんだ…
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