2025年02月 私の絵・キャラをあなたの絵で見たい企画⑥ 次女の侍女を描く事情(海堂直也さまイラストアレンジ)
さて、次こそはアホリアさまのお題を描かなければ。
そう思いつつも次に手を付けたのは海堂直也さまのこのお題。なんでだよ。一体いつになったらアホリアさまのお題が描けるのだろうか。
この時点で海堂さまが出していたお題はこの1点だけだったし、今後、新たなお題は出されないと思っていた。つまりいずれは描くことになるわけだ。
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エントリー№09 仮名:次女の侍女
・違う構図OK・アレンジ可
・その他:姉妹がいる設定ですので様々なアレンジを期待したりしてます。
・コメント:デフォルメイラストですが本人は16歳?くらい?
次女で侍女 油断しがち
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これ、初見で「難しい!」って思ったんだ。デフォルメが効きすぎているんだよね。世の中、リアルキャラをデフォルメ化することはあっても、デフォルメキャラをリアル化することはそんなにないんじゃないかなあ。じゃあデフォルメキャラで描く?
だけど他の方が結構描いているんだこれを。みんな侍女好きなのかな、それとも次女好きなのかな。俺は長女派。(←聞いてない) 妻だって長女。(←だから聞いてない) みんな本物の侍女なんて見たことがないハズなんだけどよく描けるなあ、それだけ侍女ってものの認知度が高いってことなんだろうね。
しかしそのハート型の前掛けはインパクト強すぎだろう。いったい誰がデザインしたんだ、お前はラブラブの新妻か。いや、新妻だってハートのエプロンはハードルが高いだろう。どういう経緯で侍女の制服をそのようにデザインしたのかぜひ知りたいところだが、それよりそういう希望があるのなら、俺に依頼してくれればもっと破廉恥なエプロンを……。
いやそうじゃない。
とにかく、お題を見たまま描いてみよう。これってそういう企画だしね。
【ラフスケッチ】
次女っていったらこんなイメージ? イタズラ好きでお茶目な感じ。
そのほかにも元絵の特徴をこれでもかと入れてみた。目元、髪型、ポーズ。この時はまだ服装は描いていないけれど、制服の背中がどうなっているか分からないので描かなかっただけであって、私服で考えているわけではない。
考えてもこれ以上進まないし、このまま進めてみようか。今回は鉛筆ブラシではなく、いつも清書用に使っているペンブラシを細くして使ってみた。
【下描き】
侍女が着ているハートの前掛けが特徴的な制服は、とりあえず調べてみた限りではどうやら主流じゃないらしい。あまりヒットしてこなかったからね。
現実の侍女はもっと作業服チックな制服なのだが、しかし調べて出てくるのはまるでアイドルともいえるような派手でヒラヒラで、こんな制服を着た子を連れ歩いたら白い目で見られそうな制服ばかりだった。その中でもハートの前掛けは自己主張が強いように思える。
うん、このハートの制服を採用した雇い主(どこかの王侯貴族か?)の心臓の強さに俺は感服せざるを得ないな。
だってそうだろう。例えば俺に侍女が雇えるくらいの高貴な血筋と財力があったとして、はたしてこの制服を採用することができるだろうか。否。だってハートだよ? お前は侍女に何を求めているんだって言われちゃうよ? ご近所さまに「結構なご趣味で」とか「ふーん、そういう趣味なんですね」などとニヤついた顔で言われても全く反論することができないよ?
私のような小心者にこのデザインは強すぎる。
侍女の制服を画面越しに見つめている姿を妻に見られているだけでも、なんだかやましい気持ちになるくらいなのに。やましいことなんて何にもないんだよ。ただ16歳の侍女に着せるハートの制服を探しているだけなんだよ。
【長女登場】
とにかくイラストを進めよう。次女だけじゃあなんだか寂しいような気もしたので、チョイと縮小して長女を入れてみた。
お姉ちゃんが入ることで設定にあった「姉がいること」「次女であること」なんかが明確に分かるようになったんじゃないかな。ハートの前掛けもハッキリ描くことができたし。
それにしても筆の進むままに何も考えずに描いたお姉ちゃんだけど、長女っぽいキャラになってくれたよ。髪は跳ねすぎだけど。
叱ってるお姉ちゃんと、サボってるのがみつかった妹。お姉ちゃんが入ることによって2人の関係性と奉公先の雰囲気も見えてくる。うん、いいんじゃあないかなあ、じゃあこのまま清書していこうか。
【線画】
今回も線の色は黒ではないものにした。何色を選ぶかは絵の雰囲気を見て決めているので、感覚というしかない。
ただ今回は次女の制服が黒っぽい色なので、黒以外、そして黒に馴染みやすそうな色の中から決めたよ。
線が描けたら別レイヤーを作ってベタ塗りしていこう。
【ベタ塗り】
今回は線画をキッチリ描いたので、いつもの手塗りではなくバケツ塗りを試してみた。バケツ塗りとは線で囲われた部分を一気に塗ってくれる機能で、これが使えると早いし塗り残しもない。
そのかわり、線が閉じられていなかった場合はその範囲まで塗られてしまうので、線画の時点でキッチリ描いておく必要がある。お姉ちゃんの肩の部分が黒くなっちゃってるのはそのせい。キッチリ線を描いておかないとね。
ちなみに白い部分はまだ塗っていないので背景色のままだよ。
ここで背景の色を決めてしまおう。
【背景色決め】
どっちでもいいんだけど、やっぱりピンクかな。女の子だもん。
背景の色が決まったら何も塗っていない部分に白い色を塗っていくよ。これでベタ塗りは完成だ。
【ベタ塗り 完成】
ここから陰影を入れていこう。今回はハッキリした線のアニメ調のイラストだから、キッチリ陰影部分を分けて描いていく。
陰影は手塗りなので、背景を黒くして塗り残しを確かめる。いつも思うんだけど、キッチリ塗っているはずなのに、なぜか多数の塗り残しがあるんだよね。たぶん言わなければ見つからないかもしれない。だけど気になるんだよなあ、こういうのが。
この手の「やってもさほど変わらない修正」って、結構時間がかかってるんだよなあ。もう少し良い方法を考えなくっちゃね。
【陰影部分 塗り残し確認】
ハッキリした陰影を考えていたけど、もう一段濃い色を塗って馴染ませてみようか。
新しいレイヤーに色を塗ってぼかしツールでぼかしてみる。
【陰影その2】
あれ? なんだか変だね。色のせいだろうか。これならないほうが爽やかかな、ちょっと暗くなっちゃった。まだ16歳だもんね、影を落としちゃあいけないよね。
と、いうことで、陰影を消して細かいところを描き足したら完成だ。
【次女の侍女 完成】
特に工夫があるわけじゃあないけど、それなりによく描けたと思う。
さて、みんなの反応は。次女感も伝わったし、お姉ちゃんも気に入ってもらえたようだ。元絵の作者である海堂さまにも姉妹の(勝手に作った)関係性が伝わったようだし、まずまずかな。
今回はいつもだったら使わない黒色を使ってみたけど、やっぱり強いねえ。はっきりくっきり、だからこそ印象にも残りやすいのかもね。
というより気がつけば、つ・い・に、脱筋肉成功じゃないの? 筋肉の欠片も描かれてないよ。
ということで脱筋肉にも成功したし、次こそはアホリアさまのお題を描いてやるぞ。




