2021年10月 ひだまりのねこ さまFA①
それはこんな言葉で始まった。
「10月25日が、私のなろう1周年になります」
交流のあった、ひだまりのねこ(以降師匠)さまの書き込みだ。思えば師匠にはずっとお世話になりっぱなしだった。俺のエッセイがほとんど読まれていない時期から毎回感想くれるだけじゃなく、なろうでの立ち居振る舞い、割烹(活動報告)の書き方、レビューの書き方など、全て師匠の姿から学んだんだから。まさに師匠。そんな師匠が活動1周年だって? え、お祝い? お祝いって何すりゃいいんだろう。
俺にできる事といえばイラスト描くくらいかな。まあ「そんなの欲しくないよ」と言われればそれまでなんだけど、プレゼントだし気持ちよ気持ち。挿絵か表紙絵でも描こうかな。あれ? 誕生日に自作の歌をプレゼントしちゃうような痛いヤツになってないよね、俺。ストーカー認定されないかちょっと不安。
これが2021年8月のこと。それから私用で2か月動けず、活動再開したのは10月に入ってからだった。
何を描くにしてもまずは作品を読まないとね。うん、失礼なことに師匠と仰ぎながら長編を全く読んでいないよ。いや短編とかエッセイは全部読んでるんだよ? でも挿絵描くなら長編でしょ。師匠の長編は2作品ある、どちらで描こうかな。
①「異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収拾つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~」
②「村人だった俺が神スキル『チェンジ』に覚醒して世界を救う英雄に~命懸けで戦っていたら仲間には愛されるし婚約者は増えてゆくし、幸せすぎて困ります~」
過去の割烹で知ってるんだけど、②には誰もイラストを描いてないんだよね。だからコッチで、という安易な理由から②を読んでいくんだけど、、、なんじゃそりゃ! この主人公、毎回誰か(モンスター含む)と体が入れ替わり、姿かたちがどんどん変わっていきやがる。え、なにそのわらしべ主人公、師匠~、ハードル高いぜ。
それでも読んでて描きたくなるシーンってのはある。それが主人公が狼の体になったときだ。いやでもなあ、うれしいのかなあ、狼のイラスト貰って。ある日突然送られてくる狼のイラスト。嫌がらせか? 貰う師匠も何のイラストだか分からないに違いない。
この話、読んでいくと主人公は元の姿に戻れるようになるんだけど、いまいちピンとこないんだよなあ~、ハイ、諦めました~①に変更~。
読んで分かったんだけど、この2作品は同じ世界、同じ時間軸で物語が進行していて、ある時点で物語がクロスする。明らかに見せ場であるそのアクションシーンは、だけどイラストには向かない場面だった。
だってね、接近戦じゃあないんだよ。ってことは「アップで描けるのは一人だけ」ってこと。コマを割って数人描くこともできるけど、それだったらいっそマンガにした方が良い。でも〆切があるからそこまで時間をかけられない。
ってことで①単独で描くことに決定。でもこの作品ね、たくさんのFAがあるだけじゃあなく、師匠公式のイメージ画像があるんだよね。そこから大きく外れるのはさすがにマズイ。でもやっぱり「自分の絵」で描きたいから、公式イメージは頭に置きつつも自分なりのキャラクターイメージを固めていくことにする。
描くのは家にある紙。それはレシートの裏だったりケーキの箱だったり、紙袋だったりとなんでも使うんだけど、一番多いのは職場で大量に貰ってきた「使わないカレンダー」の裏。鉛筆で描きたいけど、つるつるの紙って描きにくいの。だからそんな紙にはボールペンで描く。これからそのスケッチの一部を紹介するけど、カレンダーの裏だから数字が透けて見えるのはご愛嬌ってことで。
まずは主人公のカケル君を描いてみよう。顔ヨシ、頭ヨシ、性格ヨシな、死神に恋する高校生。
カケルくん
主人公ってさあ、描き手の「基準顔」になることが多いんだよね。あれ? それって俺に似てるってこと? んなわけない、悲しいことに。次にヒロインである死神のミコトさんを描いてみる。
死神ミコトさん
このミコトさんってキャラ、公式設定では「この世のものとは思えない美しさ」「長い銀髪」「片目が髪に隠れてる」「赤い瞳」という見た目で、感情に乏しいキャラなんだけど、この「美しい」っていうのが厄介なんだ。文章だと簡単に書けるけど、イラストにすると鬼のように難しい。美人キャラを描ける人って尊敬しかない。
技術のなさを嘆いても始まらないし、全身描いてみようか。
死神ミコトさん全身
ちょっと大人っぽすぎたかな。高校生のカケルくんと釣り合うくらいの見た目のはずだもんね。そういえば死神ってフードつきのボロボロマントに死神マスクかぶってるんじゃあないのかな。見た目もガイコツなイメージなんだけどなあ。いっそガイコツのマスクかぶせるか。
死神マスク
死神マスクにボロボロマント
こんなマスクどう使うんだろ。ビジュアル的には顔を見せなきゃ始まらないもんね。また使いどころのないものを描いてしまった。でも死神にデスマスクは必要だよなあ、あとは大鎌! 古今東西、死神は必ず大鎌を持っていることになっているし、作中にも登場する。でもあんなの絶対振れないでしょ、重心バランス悪すぎるし。どうしようかな。
デスサイズ
デスサイズを持ったミコトさん
こうやっていろんなものを描きながら自分の中で物語世界の設定を組み上げていく。勝手に作るもんだから作者の考えるものとは絶対に違うはずで、ホントは作者とイメージを刷り合わせるべきなんだろうけど、あくまでコレは俺の趣味でありプレゼントだからね、決まってないことは好きに描いちゃおう。
なんとなく設定が決まってきたら表紙案を描いてみよう。
表紙案その1
表紙案その2
いや、描いてて思ったんだけど、なんだろうこのミコトさんの違和感。
ドクロ面をかぶったミコトさん
いや、みなまで言うな! 言いたいことはよく分かる! だってカワイクならないんだもん!! しょうがないじゃん! カワイイの苦手なんだからさあ! ミコトさん「人とは思えぬ美しさ」だったよね、なにこの絵。もう設定変えてよ「ちょっとブサイクな死神」にさあ、ねぇ師匠!
う~ん、どうしようコレ。どうやって可愛くしようか。とりあえずひたすら描いてみる。
ミコトさん1
描いても。
ミコトさん2
描いても。
ミコトさん3
描いても。
ミコトさん4
描いても。
ミコトさん5
描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても描いても!
どうしよう、描いても描いても可愛くならない。散々悩んだ末に出した結論。
幼女ミコトさん
いや違うから! 俺の趣味じゃあないから! 1周年なんだもん、まだ1歳なんだもん、俺がロリコンなワケじゃあないんだもん! いいんだもん、カワイイからいいんだもん、もうこれで描くって決めたんだもん!
というわけでこれをもとに下描きしてみる。
異世界スケッチ初投稿1周年記念イラスト下描き
幼女に抵抗して少しだけ成長させた。ついでにより可愛くするためになんとなく笑わせた。涙ぐましい努力。いいんじゃないかなあ、表紙描くつもりが記念イラストになっちゃったけど、可愛いから良しとしよう。さて、ココからはパソコン使ってデジタル彩色していこうか。