2025年02月 私の絵・キャラをあなたの絵で見たい企画④ 空を飛ばして脱筋肉(モモル24号さまイラストアレンジ)
頭の中が筋肉一色だった。
感染力が強すぎないか? あるいはこのまま全員のキャラを筋肉で描いてもよかったかもしれないが、それはさすがにやりすぎだろう。そろそろ脱筋肉が必要だ。
なんとか難航しているモモル24号さまのお題を進めないと。
というかもう既にこの時には描き始めていたんだけどね、この時にモモルさまが出していたお題がこの3つ。
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エントリー№02 仮名:大剣娘
・条件:違う構図OK、アレンジOK、カラー等自由
・入れて欲しい要素:身体よりも大きな剣
※未発表作品
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エントリー№13 仮名:海賊娘
・イメージ:女海賊。
・条件:違う構図OK、服装、追加アイテム、カラー等アレンジは自由です。
・入れて欲しい要素:顔の大きな傷(場所は問わず)
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エントリー№13 仮名:残念侍
・条件:違う構図OK、アレンジOK、カラー等も自由です。衣装も自由でオッケーです。
・入れて欲しい要素:一応戦闘職なんだな、と分かる何か。
・コメント:侍に憧れる女騎士の甲冑娘、鎧娘。残念美人感があれば嬉しいです。
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残念侍のお題はまだ出されたばかりなこともあって、この時はまだ誰も描いていなかった。1番乗りしたい。でも、もう大剣娘のイメージできてるからなあ。ということで大剣娘を描き始めていた。
大剣を扱うキャラクターってたくさんいるんだけど、どうしても現実主義(?)の俺には受け入れがたいものがある。だってさあ、鉄の塊だよ? 日本刀でも十分すぎるほど重いのに、あんなに重い武器を持つ意味が分からない。
第一さあ、重いものを振るのってワンテンポ遅れるんだよ。接近戦でのそれは致命的じゃない?
でも、腕力があって振れるのならいいところもないわけではない。まずは重いってことは破壊力が大きいってことだ。質量兵器だからね。たとえガードされようともガードごと叩き潰すことができるでしょう。でもそうなると剣である意味がなくない? 棍棒でよくない? 考えれば考えるほど大雑把な武器だよなあ、なんて思う。
でもファンタジーの世界では大きな武器を持つキャラクターがわんさといて、まあファンタジーだし、ロマンだし、カッコいいんだけど、どうにも理論づけ(この際謎理論でも構わない)したくなってしまう。こういった常識に縛られるとロクなことにならないんだけどねぇ。
現実の剣でもさ、やっぱり軽量化が問題になるわけで、そうなると削るか穴をあけるしかなくなるわけだ。もちろん強度を犠牲にして。
また、バランスも問題だよね。重い棒の端っこを持つのって苦しいから、天秤棒のように反対側に同じ重量の何かを付けたくなってくる。
今までもさ、そうしてだましだまし描いてきたんだけど、今回のお題はアレンジありだし、剣であれば良さそうだし、じゃあ思い切った改造をしちゃいましょう。
まず初速が遅いのと振った時の反動を抑えるため、科学の力を用いて補助しましょう。ここはいっちょニトロメタンによる爆発力を使いましょうか。
【必殺! ニトロ剣】
これはこれで制動にものすごい力が要りそうだ。肩、抜けそう。というかこんなの無理だって。爆発した瞬間に剣士の方が吹っ飛んじゃう。でも重い剣先をロケット噴射で支えるならば、あるいは構えることも可能、なのか?
【常に火を吹いて支えてる】
おお! これはこれでなんとなくバランスが取れているような気がするけど、こんなもん振れるわけがないよな。剣に振り回される姿が容易に想像できる。
結局、剣として使うのは無理があるんだ。仮に羽毛のように軽い金属があったとして質量を確保するために大型化するというなら、あり得るのかな。
でもやっぱり重い武器ってロマンだよなあ、ほら、西遊記の孫悟空も8トンもある如意棒を使うじゃん。ひとなでで頭が割れちゃったりするじゃん。その人にしか使えない特別感ってのがいいんだよね。悟空は仙人(妖怪?)だからいいとして、普通の人は運ぶだけでも大変だよ。大八車に乗っけて引かせるんだろうか。
【重いので宅配料金割増です】
それならいっそ自走式にした方が良くない? 車輪くっつけて。高速で走らせれば「質量兵器」としてもいけるんじゃね? ほら、ローマなんかの軍艦が衝角つけて敵船の横っ腹に突っ込むイメージで。ちょっとエンジン積んでみようか。
【ソードカート】
ああこりゃ事故ったら死ぬな。
この形を生かすのだったらサーフボードみたいにして波乗りさせた方がいいかもね。うん、形も似てる(?)しね。タイヤがなくなるだけで随分「剣」に戻ると思うんだ。
【ソードサーフィン】
いやコレさあ、もっと波乗りさせたかったんだけど、どう見ても波乗りしているようには見えない。自分で見返していてツライ。メモだからさ、勘弁して。
やっぱ鉄で波乗りは無理かなあ、錆びるし、滑るし、第一重いから爆発的な推進力がなければ間違いなく沈んじゃうよね。やっぱいるのか、エンジン。どうせ大きなエンジン積むことになるんだったらもう飛んじゃえばいいんじゃないかな。そう考えれば昔のアニメでよく見るスーパーロボットって、特攻して体当たりってのが必殺技だったじゃん、あれだよ。もうこれしかない。じゃあ描いていこうか。
まず下描きから。
【下描きの推移】
女の子のファッションがすごく変わっていっているのが分かる。曲がりなりにも剣士なんだからと剣を持たせてみたんだけど、次にはエンジンメンテのための工具と機材入れに代わり、空を飛ぶならとゴーグルをつけ、元絵にあったワンピースにサーファーらしくウェットスーツを着込んでいる。こうして見るとまだこの時点では細かいところが決まっていないことがよく分かる。イメージだけで描いてるんだよね。
もうサーファーでいいんじゃないかな。
イメージのままなんとなく描き始めて、おかしなところを修正していったんだけど、そもそもサーフボード(違うけど)が小さすぎるよね、バランスが悪いんだよ。せめてロングボードくらいの大きさは欲しい、ってどのくらいの大きさなんだろう。
もうちょっとサーファー(違うけど)を小さくしてみる?
【サーファー小型化】
小型化ついでにポーズと服装も見直してみる。
サーファーだから足にはリーシュをつけてみたけど、そもそもポーズなのか角度なのか、とにかくうまくない。どうにもならないのでサーファーは置いといて、先に背景を描いてしまおう。
いや、パースが狂ってるのかな。集中線を入れて全体的なバランスを見てみようか。
【集中線】
どう? やっぱピンとこない。何がいけないんだろう。このあたりでずーっとグダグダしていて作業が止まっていた。でも放っておくわけにもいかないしね。とりあえず先に進むために背景を入れようと、背景レイヤーを作って空を描いてみる。
背景はね、澄み渡るような青空に雲! これでしょう。これなら簡単に描けそうだけど、単色のベタ塗りにはしたくない。濃い青から薄い青のグラデーションをつくっていこう。
【空の作成】
何をしているか分からないって? お絵かきソフトの中にはグラデーション機能を備えたものもあるし多分Procreateにもあると思うんだけど(←知らない)、どっちにしたって自動で作成されるグラデーションって綺麗すぎて嫌いなんだ。時間がない時は使うけど。
単色のように見えても、複雑な色が重なった単色にしたいの。分かるかな。
ってことで適当な色を適当に置いて、ぼかしツールで混ぜ合わせてみた。その後に欲しい色を足してはぼかしを繰り返して、なんとなくのグラデーションをつくってみたよ。
【空の完成】
そしたらここに雲を入れていくよ。
雲はね「雲ブラシ」っていうのがあってそれで描くと勝手に雲になってくれるの。ええと、なんて言えば伝わるんだろう。雲模様のハンコがあるので好きな大きさにしてぺたぺた押していく感じ?
【雲】
見事に雲でしょう?
でもなあ、実写寄りの雲はこのイラストには合わない気もする。漫画チックに描いた方がよかったかなあ。
他にもおかしなところがいっぱいある。サーファーはもちろんなんだけどまだしばらく置いといて、あんまり描きたくなかったエンジンをもうちょっと何とかしようか。今のままじゃあ謎エンジン過ぎる。
燃焼室の前に圧縮機と混合機を(なお、機械知識がないためファンタジー機構。だけど少しでもこういった理由付けがあった方が説得力は増すものさ)持ってきて、サーフボードもきれいな直線で描き直そう。
【エンジンとサーフボードの描き直し】
この時点で燃料タンクが消えたんだけどそもそもの位置がおかしかったからね。燃料は剣本体に入れてしまおう。ほら、飛行機の燃料って翼に入ってるじゃん、あれと同じこと。でもこんなのが突撃してくるのかあ。ホント、特攻兵器だよね。
いやいや、せめて火の鳥にしたい。
それよりも違和感。うん、やっぱりサーファーが大きすぎるんだよ。もっと小さくして、サーファーも、もう1度描き直してみよう。
【サーファー修正】
どうかな。いいんじゃないの? じゃあこれを清書して色を塗っていこうか。ここまで長かったぁ~。
まずはベタ塗りしてぇ。
【ベタ塗り】
陰影はくっきりさせるところと、ぼかしを使うところ、それぞれ分ける。具体的にいうと顔はぼかしてその他はくっきりさせる。
【陰影】
個人的にこだわったところ、それはエキパイ焼けの色。やっぱさあ、きれいな虹色にしたいじゃない。そもそも燃焼室の前部からエキパイが出てるのがおかしいんだけど今更気にしたら負けだ。それよりも色。赤・オレンジ・黄・青・紫を乗せたらぼかしツールで馴染ませていく。うん、美しい。
あとは集中線を描き直したら完成だっ!
【大剣娘 完成】
うん、剣じゃねえな。
むき出しのエンジンを守るためにエンジンガードを付けたり、着地時に必要なタイヤを付けたりもしたかったんだけど、そうなるとさらになんだかわからなくなるので泣く泣く諦めた。そして最初に考えたイメージに比べるとサーファーが小さくなってしまったよ。これなら天地を削って横長の画面にした方が良かったなあ。
さて、みんなの反応はどうかな。どうやらこのアレンジ、受け入れてもらえたようだ。元絵の作者であるモモル24号さまにも設定(剣に亀裂が走りガソリンに引火すると使い手もろとも火だるまになる)込みで受け入れてもらえたようで一安心。
でもなあ、サーファーの腕に筋肉の筋を入れてしまった……。まだ筋肉の影響が抜けきっていないようだ。
次こそは脱筋肉!




