2023年04月 ウバ クロネ さまFA④
さあ、いよいよPCでの作業だ。取り込んだらバランスを見ながら配置を決めていく。
こういったレイアウト調整はことあるごとにやっている。わざわざ書かないけど、塗っては確認、塗っては確認の繰り返し。地道な作業だよ。
ゲルニカ位置決め
ハーヴェン位置決め
マモン位置決め
ゲルニカが厳しいかなあ、マモンも厳しいけど。
この時点でおおよその完成イメージは出来ていて、バックは絵画調で、立ち姿はアニメ調で描くつもり。今回はせっかく3人いるので、それぞれのイメージカラーを決めて線描してみようか。
こういうアイデアは描いていると突然やって来る。ダメアイデアの時もあるけれど。
ゲルニカは黒。なんてったって黒いウロコのドラゴンだもの。でも黒って嫌いなんだよね。だから一般的なドラゴンのイメージである緑色で描いてみる。
ゲルニカ立ち姿 線画
ハーヴェンは空色。これはもう決定。彼の髪の色をそのままイメージカラーとする。
ハーヴェン立ち姿 線画
マモンは黒。でも嫌なので紫。彼の瞳の色であり、彼の持ち歩く「ミルナエトロラベンダー」の色。でも、ちょっとした凶暴性を示すために、どちらかというと赤紫っぽい色で描いてみる。
マモン立ち姿 線画
さあそのままベタ塗りをしてみよう。
ゲルニカ立ち姿 ベタ塗り
ハーヴェン立ち姿 ベタ塗り
マモン立ち姿 ベタ塗り
次に背景なんだけど、絵画調で描く、つまり輪郭線は描かないつもりだから、下絵の鉛筆画の上に大雑把に色をつけて完成形をイメージしてみる。
ゲルニカ完成イメージ
ハーヴェン完成イメージ
マモン完成イメージ
イラストだけだとちょっと物足りない気がしたのと、もともとシリーズとして考えていたからそれっぽい文字を入れてみた。タイトルは細身の教科書体のようなフォントで、名前とユニット名は太字のブロック体。それぞれ堅くならないような印象のものを選んだよ。あ、数字は結婚順ね。
なんか、結構まとまってていい感じじゃない? テンション上がってきた。じゃあここから細かく描き込んでいこう。まずは立ち姿に陰影をつけようか。
ゲルニカ立ち姿 陰影
ハーヴェン立ち姿 陰影
マモン立ち姿 陰影
立ち姿にはアニメ調で、下地(ベタ塗り)と同系色の陰影をつけた。下地が肌色だったら濃い肌色で、下地が赤だったら濃い赤で、ってこと。じゃあ次に背景を描いていくよ。
でもさ、改めて考えても絵画調って難しそうじゃない? だから「ドラゴン」とか「エルダーウコバク」とか、よく分からないものじゃあなくって「怪盗紳士」から仕上げていこう。なんたって人だからね、描きやすいはず。その後にその手順を真似ればいい。でもここでは実際の作業手順とは違うけど、並列で書いていくよ。
まずはイメージ色でなんとなく線を描く。
ゲルニカ本性 線画
ハーヴェン本性 線画
グリード 線画
線はね、最終的には消す予定だから大雑把でいい。で、ここに下地の色を載っけていく。これはさっき大雑把につけた色を輪郭線に合わせて直しただけ。
ゲルニカ本性 下地
ハーヴェン本性 下地
グリード 下地
ここから陰影をつけていこう。立ち姿と同じく、下地と同系色で色を塗り重ねていく。ちなみに陰影のレイヤーはゲルニカが5枚、マモンが1枚使っている。
ゲルニカ本性 陰影
グリード 陰影
あれ? ハーヴェンは?
実はハーヴェンは陰影をつけていない。だって毛で覆われてるからね。だからここから線を描き込んでいく。じゃあ毛のないゲルニカとマモンは書き込みがいらないかっていうとそうでもない。だって輪郭周りには輪郭線の代わりになるくらいの明度の差を作ってやらないと、ぼやけた絵になってしまうからね。画面の密度を上げるためにも描き込みをしよう。
ゲルニカ本性 描き込み
ハーヴェン本性 描き込み
グリード 描き込み
この部分、なんたってハーヴェンは犬だから、描き込み線画のレイヤーを「極太」「太」「細」の3枚重ねてる。線を描いているというより、毛を描き込んでいく感じ。ゲルニカもなんだかんだで3枚、マモンは2枚のレイヤーを使ってる。
さすがというか最初に描いたマモンだけ、割と大雑把だよね、ちょっと反省。
ここで一度輪郭線を消してみようか。この作業をやったのはやっぱりマモンだけ。
グリード 絵画調
あれれ? 全然弱い。もっと輪郭を強調するような色を載せるか、輪郭線を描くか、なんだけど、目立たないようにちょっとだけ色と濃度を変化させた輪郭線を入れることにした。この辺はトライ&エラーの連続で、決定までの間、自分でも何をやったかよく覚えていないんだよね。
輪郭線とハイライトを足したら完成だ。
グリード 完成
どうこれ。最初のイメージとはだいぶ違うけど、これはこれでアリかな。じゃあ、同じようにゲルニカとハーヴェンも作っていこうか。
と、その前に。ゲルニカの角を光らせよう。原作とは違っちゃうけど、硬質なカルシウムの角ではなくって、宝石の中が光っているような、というか、沸騰しているようなイメージ。ついでに口の中も光らせて、さらにハイライトを入れてやれば完成だ。
ゲルニカ本性 完成
うん、いいんじゃないの?
じゃあ、最後にハーヴェン。彼の場合はハイライトで白く光った毛を描き込んで完成だよ。
ハーヴェン本性 完成
さて、じゃあ今まで書いたレイヤーを全部表示して、全体の色調整をしてみるよ。
ゲルニカ全部のせ
ハーヴェン全部のせ
マモン全部のせ
うん、いいじゃない、いいじゃない。ダンナーズのフォントも各イメージカラーに寄せてみた。
後はタイトルをどうしようかな。作者名も。今のままじゃあちょっと味気ないかな。一応タイトルロゴもさらっと考えてみたんだけど、あんまりパッとしなかったんだよね。見せたくないけど、見る?
タイトル案
こういうのは感覚だから、考える前にペンを走らせた方がうまくいったりする。とりあえず何か描きながら考えよう。ロゴの作成はフォトショップじゃなくってイラストレーターを使うよ。
まずは「ダンナーズ」のフォントを各イメージカラーで袋文字にして視認性を高めてやる。
ダンナーズロゴ
次にタイトルロゴ。
ベースは仮で使ったフォントをそのまま流用するとして、とりあえず「愛のあるお話」なので、そんな安易な理由からロゴの後ろにハートマークを描いてみよう。
タイトルロゴ変遷
なんかさあ、最初のを見ると「日」が小さくて、「日」と「常」の隙間が大きくない? もうちょっとバランスをとって、ついでに「常」がうまいことシンメトリックだから、ちょっと中心軸を伸ばしてハートの中心に合わせてみようか。
「天使と悪魔の」は半円状に配置した方がいいのかもしれないし、なんなら天使と悪魔のイラストを入れてもいいのかもしれない。「常」の伸ばした部分も、悪魔の持っているフォークみたいにしても良かったかもしれないけど、やっぱり装飾はナシにした。フォーク、劇中には出てこないし、キッチリしたデザインの方がこの作品には合ってる気がする。
次にベタ塗りは気持ち悪いからちょっとだけハートにグラデーションをかけてみる。
もう少しだけ変化をつけるために、文字の部分を虫食い状態にしてみるかな。虫食いの位置も大きさもバラバラにして。おおっと、やりすぎだ。元に戻してついでに作者名を入れ、そのバックには虫食いの残骸を大きさを散らして入れる、と。
どお? どお? 完璧ではないけど、それなりにまとまったんじゃないかな。じゃあこれを載っけて色調整したら完成だ。この全部載せする瞬間がすごく好き。
やったぜ! って感じ。
ダンナーズ01
ダンナーズ02
ダンナーズ03
あ、例によって、俺のPCって画面が割れてて細かいところが見えず、色もくすんでるから、ここから細かい修正を繰り返したよ。
そうしてできた完成品をクロネさまにお渡しした。描かせて! ってお願いしてからずいぶん時間がかかっちゃったし、結構キャラクターのイメージも変えちゃったからね。ドキドキよ。でもクロネさまもそこはイラストレーター、その辺は寛大だった。「鼻血が止まらない」なんて言ってくれて、俺の方こそ鼻血出そう。
なんだけど……。
こう並べてみるとさ、ゲルニカだけ線が荒いんだよね。だってさ、線画は最終的には消しちゃう予定だったんだから、ガイドくらいにしか考えてなかったんだよ。
と、いうことで、ゲルニカだけ線画その他を修正。
ゲルニカ本性修正
ダンナーズ01修正
これで完成。でも改めて並べると今度はマモンの線画が荒く見えてくる。う~ん、でもキリがないからね、これにて終了。
今回の反省点は「荒くなった」ことかな。細かいことを言えば反省点は無数にある。満足できるイラストが描けることなんてあるのかな。でも、精一杯描いたよ。その点では満足してる。
さて、しばらく休んでいた間にあと2つ、イラストを描きたい作品がたまっている。描きたいんだけど、時間取れるかな。
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※6月10日更新分 用語解説追加
【公序良俗】
【少年漫画脳】
【シンメトリック】
【フリーハンド】
【物語の始まり】




