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2023年02月 ウバ クロネ さまFA②

 さてと、年末には『なろうラジオ大賞』なる企画があって、そのコンテスト応募作が結構な勢いで投稿されていた。これが結構楽しくって、俺としては応援の意味もこめて、面白い作品にイラストを描いて紹介することにしたんだよね。


 それが終わると1月の「ウバクロネ特集」のためひたすら読書し、イラストを描き、記事をまとめ、次に2月の「空原海特集」のための読書。気がつけばいつのまにか2月も終わりになっていた。


『天使と悪魔の日常譚』の読書にしても、1月の「ウバクロネ特集」完成を境に一時停止していたんだけど、いや、これはいかんだろう、待たせすぎだろう、ということで急遽、何か描けるイラストがないかとラフスケッチを漁ってみた。


 そこで描きたくなったのがこれ。


挿絵(By みてみん)

吠えるコンタロー


 コンタローは主人公であるルシエルと共に暮らしているウコバクという種類の悪魔で、大悪魔であるルシエルの旦那、ハーヴェンの部下なんだけど、この「ウコバク」ってヤツがよく分からない。クロネさまのイラストを見るとカワイイ犬っぽい獣で、これが仲間を守ろうとして踏ん張っているのがこのシーン。


 背中のたてがみが炎のように美しくきらめく、とても印象深いシーンだ。


 さてこの「炎」を、どうにか表現できないか。いやその前にウコバクの形をまとめてみようか。


挿絵(By みてみん)

コンタロー線画


 どう? でもさ、このシーンは街中で、登場人物も多く描くのが大変そうなんだよね、じゃなくって! えとね、物語ではコンタローが一緒に住んでいる「ギノ」と「エルノア」をかばうシーンなんだけど、これが「ギノ」の目線で書かれている。と、いうことはギノはコンタローの背中を見て「炎のようなたてがみがキレイ」と思ったわけで、いやこれさあ、だからってその構図を絵にすると全員が後姿になっちゃうじゃない。やっぱさ、前回のエルノアもそうだけど、顔を描きたいんだよね。


 ってことでこれは諦め、じゃ、ってんで「炎」つながりでこのシーンを描くことにした。


挿絵(By みてみん)

ショートフランベルジュ


 これも悪魔であるアーニャが人間界で炎の短剣「ショートフランベルジュ」を抜くシーン。鞘から抜くと刀身の倍もある大きな炎があふれだす、これも印象深いシーンだ。じゃあこれを描いてみよう。


 ちなみに公式イラストを元に描いたアーニャと、このシーン、つまり孤児院の制服を着ているアーニャがこれ。


挿絵(By みてみん)

アーニャ、ビフォーアフター


 この「アーニャ」ってキャラクターは最初、主人公の旦那であるハーヴェンとの別れを引きずっている未練たらたらな女性だったんだけど、この剣を抜くころには吹っ切れたのかだいぶ印象が変わってるんだよね。だから色欲の悪魔でいろいろとエロいはずなんだけど、そういう雰囲気はない。でも、お胸だけは大きめに。


挿絵(By みてみん)

ショートフランベル原画


 で、どんな表現で描けば「炎」になるのか、とりあえずお試しで色を載っけてみよう。まずPCに取り込み線をキレイに描く。


挿絵(By みてみん)

ショートフランベルジュ線画


 次にキャラクターのベタ塗り。


挿絵(By みてみん)

ショートフランベルジュベタ塗り


 次に陰影。今回は赤系と青系の2色で描いていく。


挿絵(By みてみん)

ショートフランベルジュ陰影


 さあ、重ねてみよう。


挿絵(By みてみん)

ショートフランベルジュ陰影統合


 さてここからだ、ここからどう炎を表現しようか。炎なんだから「赤」「黄」「白」あたりで何とかうまいことできないかな。とりあえず赤と黄色で短剣の刀身に炎を纏わせてみよう。


挿絵(By みてみん)

ショートフランベルジュ刀身炎


 うん、もうちょっと炎上させてみよう。もっと派手に、もっと激しく、炎を画面いっぱいに撒き散らせるように、赤と黄色を載せていこう。ついでに炎が映えるように背景も塗っていく。なんとなく緑にしたけど、偶然赤の補色になってたね。まあ、炎は赤というよりも全体的にはオレンジだから、補色を使うならバックは青~紫くらいでもよかったかもしれないが。


挿絵(By みてみん)

燃えろよ燃えろよ


 ここにもうちょっとキラッと感を入れて行きたい。白で光を表現してみる。


挿絵(By みてみん)

ショートフランベルジュさらに燃える


 うん、炎に見えないこともないこともなくもない。だけどね、色よりもなんだかキャラクターの腰つきがおかしくない? ちょっと描き直してみようかな。


挿絵(By みてみん)

ショートフランベルジュ描き直し


 これがね、何枚も描き直してみたんだけど、どうしてもうまくない。なんでだろう、思いあまって裸から描いてみたけど、やっぱりうまくいかない。


 仕方がないから、もっと単純な構図で描くことに決めた。もともと「描く」と宣言してから時間が経ちすぎているから「とりあえず1枚」描こうと思っていたんだ、こんなに時間かけないでさらっと描こう。そこで選んだのがこの構図。


挿絵(By みてみん)

アーニャ立ち姿


 うん、なんていうか、なんでもない構図だね。これの線をまとめてPCに取り込む。


挿絵(By みてみん)

アーニャ線画


 さて、ここに色を付けていこう。まずはベタ塗り。


挿絵(By みてみん)

アーニャベタ塗り


 次に陰影。今回も赤と青だけで影をつける。


挿絵(By みてみん)

アーニャ陰影


 ベタ塗りと陰影を重ねたら人物は完成だ。


挿絵(By みてみん)

アーニャ完成


 ここから「炎の効果」を加えていくよ。お試しで描いた通り「赤」「黄」「白」で炎を表現していく。まずは赤と黄色で剣に炎を纏わせる。背景はさっきと同じく緑にしよう。なんてったってここは孤児院の裏庭だしね。


挿絵(By みてみん)

アーニャ刀身炎


 さあ、ここからもっとボウボウでキラキラにしていこう。画面全体に赤・黄・白で炎っぽい何かを描き込んでいく。


挿絵(By みてみん)

アーニャ炎マシマシ


 このイラストってさあ、どう考えても背景がいるよね。しまった。背景なんか描いてたら時間がかかりすぎてしまう。だってこのシーン、孤児院の裏庭なんだよね。何とかごまかせないかなあ、ということで、なんとなくそれっぽく誤魔化してみることにした。


挿絵(By みてみん)

アーニャ 背景


 なんたる抽象画! 解説しよう!


 まずは足元。石畳のような高級仕様ではなく土の地面だ。ただ、通路上に飛石があるのと、炎の剣でできたアーニャ自身の影が伸びている。

 そしてその奥には低いレンガの壁と植え込み、さらに向こうには隣家の壁と窓。そんなイメージを、言われればなんとなく分かってもらえるだろうか。


 うん、言われなくっちゃあ、何が描いてあるか分からないね。でも、イラスト描く人って、何にも考えずに描くことはまずなくって、なんだか分からないものでも元ネタというか、根拠があるものだ。


 ちょっとキラキラ感がすごくなっちゃったけれど。やりすぎだよなあとも思うけれど。どう考えても孤児院ではないけれど。まあこれで完成だ。


挿絵(By みてみん)

アーニャとショートフランベルジュ


 実はこれ、金髪になってるけど、ずっと濃い茶色の髪だったんだ。アーニャの雰囲気がなんとなく日本の武人っぽく思えちゃってね。でも公式イラストを見てみると、アッ! アーニャって金髪だったのか! ってなって急遽変更したの。


 最初は分かっていたはずなのに(だって最初のアーニャはちゃんと金髪で描いている)、イメージ先行で描いているからどんどん「自分のキャラクター」になってしまうのはよくあることで、ある程度は我慢してもらうしかないけど直せるとこは直しとこう、ってことで直す前の絵がこれ。


挿絵(By みてみん)

アーニャ 髪色修正前


 まあ、ともかく、イラストは完成した。


 完成したイラストをクロネさまに渡してみる。独特の世界観を持ち、はっきりとしたイメージを持って作品作りをしているクロネさまだ。好きにしていいとは言われているものの、ちょっとドキドキ。


 イラストを渡すとどうやら喜んでもらえたようでほっと一安心。


 でもね、この時、他にも描きたいイメージがあったんだ。さあ、どうするかな。

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― 新着の感想 ―
 ラフも含めて、え、これボツなのって出来のものばかり!  こちらのエッセイで目にできてありがたいです。  画集が欲しくなるぞ。
[良い点] コンタローの予想外の勇ましさ。 それでもって、アーニャの本家以上にセクシーで悩ましい佇まい。 これは、鼻血モノでヤンす。 [一言] アーニャのイラスト、こんなにもダイナマイトな作品もあった…
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