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なんと昨日1日のPV数が100を超えましたー!皆さん読んでいただき本当にありがとうございます!
これからもご愛読?されてるのかな…?をよろしくお願いします!
ではどうぞー(っ・ω・)っ⬜︎
その日シルフィは朝からソワソワしていた。
部屋の中を歩き回り、立ち止まっては扉を気にする素振りを見せる。そして何もないとまた歩き回る。
有り体に言って鬱陶しかった。
そんな彼女を近くで見守っていたユミルはそっと無言で抱き上げると部屋のベットに腰掛け、お腹の前に手を回してガッチリ固定した。
歩き回んな。とでも言いたげな対応だ。
「?」
シルフィはぐりんとユミルを見上げる。
落ち着けるために何か言葉をかけるところじゃないの?と。
それに対してユミルはただニコニコしながら無言で抱きついているだけだ。
実はこの行動、別にシルフィを咎めての行動ではなかった。ユミルを甘やかして以来、結構な頻度で行われていた。
彼女はあの日以来、スキンシップが激しくなっていた。何かにつけて抱き上げたり密着するようになった。おそらく甘えているのだろう。
そこには弱音一つ吐けなかった前までの彼女の面影はなかった。
ちなみに他に人が居ない時にしかやらない。だって普通に失礼なので。
しばらくしても解放されないシルフィは抵抗を諦めて静かになった。それはまさにお人形さんの如し。ただし内心は大変不本意だ!
そんなぐだぐだなイチャイチャしていると部屋へセシルが入って来る。
「シルフィ様、準備がとt…」
セシルが全て言い切る前にシルフィはユミルの腕から抜け出すと、猛ダッシュで部屋から出て行った。令嬢にあるまじき行動だ。
幸せを噛み締めていたユミルはおあづけくらった犬のような顔をすると慌ててシルフィを追いかけて行く。こっちも侍女にあるまじき行動だ!
「ユミル、ハリーハリー!」
「ま、待って下さいシルフィ様!もうちょっと!もうちょっとだけ!」
セシルはそんな2人を見て仕方なさそうに息を吐くと2人を追いかけようと廊下へ出て行った。
しかし廊下へ出るとすぐ出て行った2人がトボトボ戻って来る。
「セシル、どこ行けばいいの?」
困り顔のシルフィの後ろではユミルが申し訳なさげに俯いている。若干顔が赤かった。
「第5応接室ですよ」
「了解!」
それを聞いた2人はまた走り出して行った。その後をセシルはため息吐きながら付いて行く。どうせ、応接室がわからないんだろうなぁ…と思いながら。
結局応接室が多過ぎてどこが第5かわからなかった2人を案内してセシル達は応接室までやって来た。
そこにはいくつもの服が用意されていた。それも普通の服だ。
「おおぉ!」
シルフィは目を輝かせながら部屋内を歩き回る。
置いてあるのは普通のカッターシャツ風の服やポロシャツ、Tシャツ、ワンピースやズボンに様々なタイプのスカート。
どれもシルフィが着ているドレスとは違う普通の物だ。
「ユミル選ぼう!」
「はい!」
2人は嬉々として服選びを始める。
これらの服は外出用の庶民服。つまり、これからシルフィ達は街へと出かけるのだ。
ユミルとの出会いから早4年。今日初めて彼女は外出するのだ。
シルフィは鼻歌混じりに部屋の中を歩き回り気に入った物を手にとっていく。
内容はシンプルなデザインの物ばかりだ。普通にシャツとズボン、スカートは一切手に取らない。ボーイッシュ路線を突き進む。
彼女はこの日をとても楽しみにしていた。
この歳までまともに外に出て活動したことがないのだ。
正確に言えば外出をするのはこれが2度目ではあるのだ。ただし、シルフィは1回目をノーカンにしていた。シルフィ父の過保護のせいだった。
シルフィはふと着替えながらその日のことを思い出す。
その日、期待に瞳を輝かせたシルフィの前にお出かけ用に用意された乗り物が止まった。
それは蜥蜴のような生物が引く装甲車のような物だった。
名前は竜車。地竜と呼ばれるドラゴンの親戚のような魔獣に引かせる正に要人護送専用車だった。
枠組み等は木の魔獣で作られ、装甲は金属製。魔法並びに物理的にも高い耐性があった。
更に、地竜は高い戦闘力がある。熟練の騎士数名でも勝てるか怪しい程強い。その上軍馬よりも速さと耐久力に優れ、より長い距離を速く踏破可能だった。それが2体。
それだけでは飽き足らず、その竜車の周りには大名行列さながらの騎士達の大行列。
更に軽装騎士が建物の上からも警護している。
普通に過剰戦力だった。
この時点でシルフィの目が死んだ。
その上、外を歩くこともできず唯一の窓からは外が少ししか見えなかった。
物々しい大行列のせいで通りを歩く者は見えず、ほとんど騎士達を眺めて外出が終わってしまったのだ。
そのため、今回はちゃんと要望を出して服を用意してもらい警護するにしても大名行列を廃止してもらった。
シルフィはそのために可愛いお強請りの練習すらしたのだ。気合の入りようが違った。
プライドを捨ててまで叶えてもらったのだから当たり前だった。ウルウル、モジモジ、可愛くキャルんっだ。非常に心にキた。
勿論、服もオーダーがなければドレス風だったろう。そのため今回の市民服も用意してもらった。
もし、それすらドレスやワンピースのみならシルフィの用意しておいた鋏で裁断予定だった。無慈悲。
そんなこんなで長い髪を三つ編みにしてボーイッシュな洋服に身を包んだシルフィは今日こそお出かけである。
ちなみに髪は伸ばし続けている。シルフィ父どころかユミル達にまで止められたからだ。
邪魔だが可愛がってる侍女に懇願されればシルフィは否と言えなかった。
護衛としてユミル一家をお供にシルフィは街へと繰り出していた。
ちなみに初めて見たユミル父はフツメンだった。ただしゴリラみたいな逆三角形。これは娘にはモテない。実際モテてない。
勿論ユミル一家以外にも何人もの騎士が私服や傭兵風の衣装を着込んで外へ飛び出して行っていた。前よりはマシになってはいるが相変わらず過保護に思える態勢の中のお出かけである。
「ふおぉぉーー!」
「いけません!」
モンスターハントに出てくるキモカワ飛竜種のような奇声を上げたシルフィは飛び出そうとしてユミルに捕まった。
ユミルはおよそ160cm、シルフィは120cm未満。シルフィはぷらーんとなった。
そんな彼女の目に映るのはどこもかしこも賑わっている街並みだった。
大きな石畳の道をいくつもの馬車が行き交い、多種多様な種族の人々が歩き回っている。
個人の趣味なのか露出の多い服を着た獣人。
少し緑を含んだ金髪の見た目麗しいエルフ。
金属を打つ音を響かせる鍛冶屋には髭面の筋肉ダルマのドワーフが見える。
他に動物が二本足で立って歩いているように見える種族もいるが獣人なのか違う人種なのか。他、ハーフリング等数えきれない。
人を見ているだけでも飽きないが、大声で人を呼び込んでいる出店がそこかしこで様々な物を売っている。
中には見たことない料理や魔道具なんかもちらほらと。
「シルフィ様?どこから回りましょうか?」
セシルが尋ねるがシルフィは話など聞いていない。好奇心に後押しされてあっちへフラフラこっちへフラフラ。それでもシルフィは浮いている。
食べ物か面白そうな道具か、とキョロキョロしながら歩いているとパッと見勾玉に見える物を展示している出店を見つけた。
下ろしてもらい近づくと顔や肌の見える箇所に多く傷を持つ店主が無愛想に「らっしゃい」と言ってニヤリと笑う。
そんな姿は店主と言うより賊の頭領。営業スマイルこぇー。
ほけーっと失礼なことを考えつつシルフィは商品の質問を始める。護衛がいるし怖いもの無しだ。
「おじちゃん、これ何?」
「知らないで来たのかよ!」
当たり前だ、だってこれ何か知らないし。興味本位で近づいたのだから。
店主は面倒くさそうにしながらも割と丁寧に説明を始める。
「坊主…、いや、嬢ちゃんか?これはなぁ、スキル宝珠つー代物でな?ダンジョンの宝箱に入ってたりそこの魔獣なんかがたまに落としたりするんだよ。
これを使うとな?なんとそれに刻まれてる力を自分の物に出来るって代物さ。使い切りだから一回使えば崩れて使えなくなっちまうがなぁ」
頭り…店主は冒険者としても活動しているらしく戦利品をこうやって売り歩くことがあるらしい。
因みに、店主が何故シルフィの性別がかわらなかったかと言えば彼女の顔、上半分を仮面で覆っているからだ。
これは魔道具になっていて仮面は認識できず、なおかつ付けている者の顔も認識し辛くなる物だった。
別に店主が子供の性別わからないガサツな訳ではないのだ。
仮面は顔見られると騒ぎだどうだとシルフィ父に付けさせられた。
流石に付ける前から見ていたユミル達には効いていない。ふぁんたじー。
それと、冒険者とはファンタジー小説の物と大差ない。
街での手伝いから近隣の魔物の駆除、ダンジョンに潜って財宝や貴重な素材を探したりとギルドから依頼を受けて仕事をする何でも屋のような存在だそうな。
が、そんなことよりもシルフィはスキル宝珠だ。
ファンタジー小説でスクロールとかオーブなんかで登場する物が目の前にあるのだ。魔道具なんて目じゃなかった。
シルフィ的にはファンタジーは道具よりアイテムだった。だって冷蔵庫とかエアコンとかあるんだもの。流石はリアルファンタジー?
だから面白そうな物があんじゃないか!とシルフィは内心大興奮。
「おじちゃん!どんなほーじゅがあるの?」
「あー、色々あるにはあるなぁ。この棚に並べてあるのだったらかなり基礎的な物ばかりさ。剣術に槍術、棒術なんかのスキルや採取、解体なんかもある。ここには並べてねぇがこのリストの中のなら持ってるぜ?」
棚に置いてあるのは基礎の物ばかり、盗難されても痛くないものしかなかった。値段もやっすい。
冒険者なんかはその辺の物は持っていて当たり前らしかった。
よく余る色んなスキルの名前が書いてある羊皮紙を差し出してくる。
・罠感知・危険感知・錬成術・毒耐性・解体・・・
いくつものスキルがあるらしくびっしりと書き込まれていた。その中に気になるものがいくつもあったが、ほとんどは冒険者が身につけている技能だったりする。
宝珠の中には街の技術者が使う様な物から貴重な魔法を使う力を込められている物もある。ただし、属性魔法の力が込められた物は貴重になる。見つけ次第王侯貴族が買い取ってしまう。
ここにあるのは基礎か職人の使うような物しかないのだ。
シルフィが目をつけたのは3つ。どれもファンタジーで猛威を振るうようなスキルばかりだった。
しかし、この3つを選択すると難色を示される。
「嬢ちゃん、その辺のスキルを選ぶってこたぁ、錬金術師の丁稚にでもなんのか?子供らしくねぇな。
ただし、これだけはやめとけ?悪いことは言わねぇからな?」
「シルフィ?その、あまり…」
「えー!なんでぇ⁈」
と店主どころかセシル達からもだ。まさかの裏切りだった。
店主は更に続ける。
「嬢ちゃん?それはな、持ってるだけあまりいい顔されねぇんだよ。そりゃ勝手に見られて嬉しいやつなんていねぇからな」
「そうです、シルフィ?最初の2つは買いますがそれだけはちょっと…」
とにかく不人気。ならなんでリストに入れとくし。
それでもシルフィは食い下がる。話を聞いている分には欲しい能力そのままだったからだ。
必死に食い下がり続けると店主も子供が悪用することはないだろうし、何より錬金術師なんて奇人変人の集いだ。
たぶん大丈夫か?などとてきとうに考えながらも売却を決意する。売れるならそりゃ売りたい。
使う時の注意等、親身になって教えて貰った上で売ってもらえた。流石は頭領だった。
「おじちゃんありがとー!かぁ様もありがとー!」
宝珠は最低限の力を身体に刻む物でスキルとしてレベルで現すならどれもが1。
それ以降は自分の力で磨かないといけない。使ったら即チートなアイテムではなく、技術のきっかけを与えるための物だった。
それと同時にシルフィはこの国の硬貨を知る。
硬貨の種類は銅貨、銀貨、金貨、ミスリル貨とあり、それぞれが100枚ずつでレートが上がる。
更に、それぞれに10枚分の価値のある大〇〇と呼ばれる硬貨もある。
価値としては銅貨1枚で主食パン1つ。一概には言えないがおよそ1枚100〜200円の間と言ったところだろう。
とは言え、物価そのものがシルフィの知る世界の物とは違うためイマイチ円換算が合っているのかもわからなかった。
まぁ、いちいち円に直すなんてナンセンスだろうと考えるのを辞めた。
思考放棄とも言う。
シルフィはその場で宝珠を使ってしまうが、どれを使ってもイマイチ覚えた実感が持たなかった。
屋敷に帰り次第検証しなければ…とワクワクした。
感想、誤字の報告お待ちしております\( 'ω')/
後、明日は少し用があるので…投稿はすると思いますが更新時間が遅れるかもしれません!すいません!
思い付きで書くとちょっとゴタゴタしますね!今度からもうちょっと考えて行動します_:(´ཀ`」 ∠):