率いるモノの行方
昨日で総PV数が2万を超えました!ありがとうございます!
え?始めてだいたいそ2ヶ月で2万はショボい?それは書籍化されるような方々の作品からすればそうですよ?でもこれは趣味でやってるやつですからw
のんびり書いていくのでこれからもよろしくお願いします!
敵は進み、味方は後退する。だがそれにも限界が来た。王都からそう離れていない平地、そこが決戦の地となった。勿論兵士を隠すような森のような場所もない。ここなら普通奇襲を受けることはないだろう。
「うん、僕が見た夢で戦ってた場所と大差ないね。たぶんここで全て決まるよ。」
「なら、どうにかしてその奇襲を防ぐことが出来れば我々の勝利ということでしょうか?」
「どうなんだろ、敵は多分本当の主力をかき集めて奇襲したはずだからそれを殲滅出来れば魔獣達の戦力がかなり減るとは思うけど…そこに敵の統率者がいるならどうにかなるのかな…。」
「夢ではその首魁は見えましたか?」
「いや、まず誰が統率者なのかよくわからないし、僕の見えていた範囲では命令してそうな個体は見えなかった。ただ、あれだけ複雑な命令は現場が見えてないと出来ないと思うよ。」
「なら少なくとも共に来たか近くで見ていたか…ですか…。」
僕とユミルは陣には戻らず別行動をとりながら敵の様子を窺っていた。後続から別働隊が出たのかと思い背後から観察を続けていたがそんな様子はない。メイジやプリースト、アーチャーなどがごった返しているだけだ。
足の速いライダー系は行軍中の戦闘でほとんどが脱落したらしく撹乱に使えそうな部隊は見受けられない。なら、本当にどこからやつらは沸いて出たのか…。
「もうすぐ戦闘が開始されます。シルフィ様どうしますか?このまま見守りますか?それとも後方から仕掛けますか?」
「いや、仕掛けるのはやめておこうよ。あれだけ数で来られると逃げるのに精一杯で迎撃とか出来ないだろうし。」
「なら、開始合図でインフェルノを撃つのは…。」
「とりあえずそれは撃っておこうかな、敵のど真ん中に撃てばどこから撃たれたのか分かり辛いだろうし。ユミルは僕の護衛ね?任せたよ騎士様。」
「イエス、マイロード。」
ユミルはあまり緊張していなさそうだ。
開戦の合図は魔獣達の雄叫びだった。人の戦争と違い互いに使者なり出して舌戦をするようなことなどしない。そんな礼儀があるような種族でもないだろう。
そして僕は魔獣達の突撃と共に開始された魔法使いや弓兵の牽制攻撃の第一波を邪魔しないタイミングでインフェルノを発動する。
僕の格の上昇で更に威力の上がったインフェルノはまたも魔獣達を蹂躙する。対応のしようがないだろう。これを撃つまで必要な時間はほぼなく勘づいても止められる時間はない。
今回はただ炎の球体が現れただけでなく太陽のフレアのようにそこら中へと炎を届け前以上に敵へ損害を出した。
敵を倒すことで得られる経験値的な物は格の上昇と共に少なくなるのか、それとも必要経験値が増えるのか最近、身体の作り変えられるような感覚はほとんどしない。若干違和感があるかな?と言った程度だ。
この辺はゲームみたいな感覚だ…。まぁ、そうポコポコ格が上がるなら冒険者達の格も凄いことになってるだろうし、上がれば上がるほど上がり辛くなるんだろう。
僕の魔力量もかなり上がった。その結果、一度や二度ならインフェルノを使っても大した消耗もしなくなってしまった。
「つくづく人外じみて来たね、僕は…。」
「シルフィ様はどれだけお強くなってもお美しいシルフィ様のままですよ。誰かがシルフィ様を化け物だと言おうと私はシルフィ様の味方ですよ…。」
僕の呟きに反応したユミルは背後から僕を抱きしめてくれる。残念ながら既に鎧を装備済みのため硬い胸当てが背中に押しつけられるだけでユミルの温もりがイマイチ感じられない。
それにしても慰めのつもりで言ってくれたんだろうが、そのコメントが出るということは少なからずユミル本人も僕のことを化け物じみてると思ってるんだろうか…。
(いや、少し気持ちが沈んで被害妄想が過剰になってるかな…。切り替えないと…。)
ユミルのハグに応えるように腕に擦り付いて荒んだ心を落ち着ける。
時間にして僅か十秒程度。前よりまた被害の増した魔獣達はこの攻撃を受けても止まることがない。一部は衝撃で指揮が緩んだのか足を止めたがそれ以外は変わらず騎士達と武器をぶつけ合う。
「ユミル、行こう。」
「はい。」
僕らはすぐさまそこから離れて奇襲を受ける場所へと移動する。あのままそこにいても魔法の気配を感じて後方の魔獣達が押し寄せて来るかもしれないしまだ別働隊の行方も分からないため止まる理由がない。
そう遠くない位置で騎士や冒険者が命がけで魔獣達と戦っている中何もせず素通りするのは心苦しいが奇襲部隊をどうにかすれば彼らも助かる可能性が高くなる。それまで頑張ってもらうしかない。
だいたいの位置へと到着するが道中に伏兵や魔法の痕跡はなかった。何体か僕らに気づいた魔獣達も居たが格の上昇がてらユミルに狩らせた。といっても魔法で蹴散らしただけだ。
ユミルは僕と違い完全に戦闘系の前衛職だがそれでも僕と共に魔法も学び魔力量も格と共にそれなりに上昇している。本職の魔法使いと言われても差し支えないな程だ。僕の戦い方と違うがユミルも万能型になりつつある。
ユミルは光属性よりは威力のある風魔法をシルフィードで使用した。結局魔獣はこちらに触れることすら出来ず血溜まりに沈んだ。ユミルも僕程ではないが規格外になりつつある。
僕がインフェルノを撃ち休憩している間もユミルは魔法隊で援護攻撃を続けていた。経験値的…いちいち面倒だしもう経験値と呼ぼう。経験値は戦闘に参加していればその相手の死亡と共に均等割のように分配されるらしくより広範囲に攻撃出来る魔法を多用していたユミルの格は精鋭の騎士と同等かそれ以上に成長していた。
「ここまでは特に何もありませんでしたね。」
ユミルは辺りの警戒をしているのか絶えずキョロキョロしながら言う。
「そうだね…そうなるともっと戦場の外からやって来てるのかな…。」
「ならもっと離れた場所を捜索しますか?」
ユミルの提案にしばらく思案する。
「…。そうだね、わざわざ班抜けて来て見つかりませんでした、は洒落にならないしもっと離れてみよう。方向はだいたいこの辺りから来てたしね。」
僕は後ろ髪引かれる思いでその場から離れる。
今のところ僕の直感は仕事してくれない。どうやったらこれを使えるのかイマイチわかっていないのだ。鑑定するまであることすら知らなかった位のスキルだし…。
結局離れて捜索したのがよかったのだろうか。僕の直感が反応する瞬間があった。その感覚は夢のときと違い随分曖昧で名状し難い感覚ではあったがそれでもなんとなく何かありそうな方向の検討がついた。
「ユミル、多分あっちだよ。」
「!ついに直感に反応があったんですか!」
「うん、多分直感のスキルが反応したんだと思うよ。行ってみよう。」
「はい!」
僕らは直感に反応があった方向へと進む。するとその方向から喧騒と騒音が聞こえ始める。
「!ユミル!あれ!」
「はい!おそらく遊撃隊です!それも何かと交戦してます!」
「多分あれが奇襲部隊と何か関係あるはず。加勢するよ!」
「はい!」
僕らはその戦場へと駆け寄り声をかける。
「そこの部隊!加勢する!」
「あ⁈なんでこんな所に子供が⁈危ねぇぞ引っ込んでろ⁈」
前の騎士さん達と違いこの遊撃隊とのファーストコンタクトは最悪だった。
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