表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
これが僕の異世界転生⁈ 改訂中!  作者: ヒロちゃむ
僕の異世界奮闘 幼年期 準備期間です!
2/67

どうしよう?★

とりあえず続きをどうぞ\( 'ω')/


あぁ、書いてる途中で電源切っちゃって書き直しに…なんか前に書いてたのとなんか違う…まぁ、大筋はあってるしこれでもいいかな…_:(´ཀ`」 ∠):

 部屋まで戻って来れたはいいけどこの先ノープランだと、セシルにベットの上に下ろして貰ったシルフィはそのままコロコロと転がりだす。


 子供のベットにしては大きくちょっと転がった程度では落っこちない程だ。しかもフワフワ。


 叫びだしたい衝動を抑え込みながらしばらくコロコロを続けるがしばらくすると転がるのをやめてペタンと座り込む。


 少なくともコロコロしてても何もならないからだ。


 決して目が回ったからではない!


 ちなみに見ていたセシルが和んだ!


 多少の混乱はあるももの、『シルフィの記憶』と『それ以外の記憶』もしっかり残っているため現状把握する間に落ち着くことができた。


 『それ以外の記憶』とはこの世界とは違う世界の記憶だった。


 この世界より遥かに科学の発展した世界。


 魔法の概念はなく、あくまでフィクションとしてのみ認識されていた理の違う世界。


 シルフィは階段から転げ落ちたとき、その記憶を思い出していた。的確にシルフィ(パパ)の心を抉っていたのはそのためだった。


 シルフィは思い出した。そう、自分は1度死んだんだと。





 ()はごく普通の家庭に生まれた。


 特に特別な何かがあった訳ではなく、あえて言うなら線が細く女に間違えられることが少しあった程度だった。


 しかし、特別なことはなくても誰でも持ちうる可能性は持っていた。


 そしてそれは彼を蝕んでいた。


 その名前は―――癌。


 彼は小さな頃から闘病を続けて入退院を繰り返していた。


 薬の副作用で髪は抜けたためウィッグを被り、体調は常に悪い。


 白い肌に弱々しいその容姿から時々『姫』と呼ばれることすらあった。


 それでも彼はごく一般の人が送る日々をただ過ごしていた。


 いつかは治ると。


 しかし、それも高校を卒業してしばらくすると終わりを迎えた。


 ビー‼︎ビー‼︎と、


 白い病室の中、計機のけたたましいアラーム音が響く。


 その部屋で寝ている青年の命はもうすぐ尽きる。


 身体を蝕んでいた痛みは既に感じなくなり、付けられていた機器は外されていた。


 それは病気が再発した結果だった。


 そんな彼の身体に縋り付いてくる人がいる。


 家族の誰かだろうか?髪の長さから女性と推測できても、もう彼にはそれすら判別する思考は存在しなかった。


 何かを必死に叫ばれようが、言葉は音とでしか認識できず、理解できなかった。薄れていく意識を必死に繋ごうとするが、それも虚しく全身から力が抜けていく。


 まだ死ねない、死にたくない。


 彼の心には親孝行出来なかった無念さと先立つことへの後悔そして死への恐怖が諦める。


 それでも体からは感覚は無くなり、呼吸も浅くなっていった。


 お願いだと、終わりたくないんだと。もっと必死に生きていればと、その願いも虚しく青年の意識は闇に呑まれ、力尽きる。


 享年19歳。それが彼の人生だった。





『ふふふ、まぁ、君でいいかなぁ…どうか君はボクを楽しませてくれることを願うよ』


 意識が闇へ沈んでいく中、楽しそうな少年のような少女のような声が聞こえた気がした。

 




 それがシルフィの思い出した全てだった。


「あぁ、これが異世界転生ってやつかぁ…」


 ライトノベルとかでよく見たことあるやつだ。


 他の銀河系の可能性もなくはないがシルフィの記憶を思い出して見る限り、ここは異世界だった。


 と、言うより地球じゃないならもうそこは異世界と変わらなかった。


 この世界は剣と魔法の世界。モンスターや精霊が存在している、王道ファンダジーと言っても過言ではない世界だ。


 実際、侍女や兵士(いわゆる騎士のような存在)が手から火や水、光を出しているのを見たこともあった。


 記憶の戻る前のシルフィが魔法を教わったのもそれが使いたかったからだ。


 この時点で前世の地球の物理法則をガン無視している。使っていた人はシルフィの知る限りそこまで多くないにしてもこれだけでも充分な判断材料だ。


 全員マジシャンじゃあるまいし。


 その他に、獣耳や尻尾が生えている人や耳が長く尖った人も居た。おそらく獣人やエルフと呼ばれる存在だろう。


 その上、髪や目の色は赤や青とカラフル。普通に茶色ぽい人も居たが逆に日本人みたいな黒髪黒目の人は記憶になかった。


 しかしその辺りはシルフィにはどうでもよかった。いや、気になるしいいわけではないが問題はなかった。


 問題なのはシルフィの現状と立場についてだ。


 簡単に言うならお貴族様だった。


 セシルもそうだが何人も侍女のような人達や武装した兵士を見かける。それにシルフィの思い出せる記憶の中ではこの屋敷は相当広い。まさに豪邸だった。いや、『大』とつけても問題ないだろう。



 そして、ここから更に大事なことだが…いや、シルフィからすれば大事なことだが―――前世と性別が違う。


 前世は男であり、今は幼女だ。それもちびっ子もちびっ子。元気盛りの可愛い盛りだ。


「いや僕、前世は男なんですが?」


 小声で呟くとセシルが1度反応するが上手く聞き取れなかったからかすぐ自分の作業に戻って行く。


 そんな様子にも気付かずシルフィは悶々と考えに没頭する。


 実は昔から多少の違和感は感じていたのだ。


 それでも、その辺は子供らしく大して気にしていなかった。


 何が大事なことなのかについては何となく察しており文字の読み書きや魔法の習得には前向きで子供にしては多少大人びた行動をすることがあった。


 ――その辺は記憶が無くても言語や知識が消えない、普通の記憶喪失と同じなのかな?


 そんな推測をするもすぐ振り払う。


 脳みそも完全に違うんだから前世の記憶を持っているわけがない。


 結局『この辺はよくわからない』で済ませた。


 まず異世界転生なんて普通じゃないことが起こっているのだから、ただの記憶喪失の原理とはかけ離れているだろう。


 超常的な現象の結果なのだから考えるだけ無駄と判断した。


 そこにはそんなことを気にしていられる余裕がないことからの判断でもあった。


 両方の記憶があるシルフィ。


 正直なところ今の意識がどっちよりなのかと言えば―――それは前世だ。少なくとも異性として見るのは女性だ。


 記憶が戻る前のシルフィが百合の可能性もあるが心は少なくとも前世の色が濃い。はずだ。


 そして今の状況に青ざめる。


 このままだと将来、シルフィは男と結婚する羽目になる。  


 それは嫌だった。


 シルフィ自身は同性愛を否定する気は無いが前世はノーマルだった。恋愛対象は勿論女性。


 このままだとシルフィ父主導の下、シルフィを(女として)幸せにしてくれる人を見つけ出してくるはずだ。


 シルフィが男に持てるの好意はあくまでも友情的なものであって恋愛的なもではない。


 もしかしたらシルフィを溺愛し過ぎるあまりずっと結婚させない可能性も無い訳ではないだろうが、シルフィ父とて貴族なのだから望み薄だろう。


 おそらく一頻り泣き叫んで大の大人が駄々こねて、その末、婚約させ泣く泣く結婚させるだろう。シルフィにはその光景が想像できた。


 もしかすれば一生を教会の修道女として神に操を捧げて過ごすのであれば結婚しなくてもいいかもしれない。


 だが、この家にシルフィ以外の子供は居ない、残念ながら1人っ子である。


 シルフィ父はシルフィを産み、死んでしまった妻のことを本当に愛しており、妾や第2第3夫人といった人を連れていないのだ。


 シルフィの他に兄や姉が居ればシルフィの価値が下がり、「好きに生きても良い」などと言って貰えたかもしれないが、どれだけ言い寄られても誰も娶っていないようなのだ。


 実際、その影響でシルフィ父の親兄弟に嫁や妾を見つけろと、男児を作れと再三言われていると愚痴っていたのをシルフィは聞いたことがあった。


 記憶の戻る前の頃の話だが、その時は理解できなかった。だが、今ならその意味もはっきりわかる。


 シルフィは今の立場さえ違えばきっとシルフィ父の在り方を好ましく思っただろう。


 それでも、シルフィが貴族の子女なのだとしても嫌なものは嫌だ。


 大切に育ててくれているシルフィ父には悪いとは思っても、大きくなれば家のために女を売るなどまっぴらごめん被るのだ。


 ベットを降りて部屋の中をトコトコ歩き回るが、残念ながらすぐには良い案は思い浮かばない。そうしてる間にもセシルはテキパキとお茶の用意をしていた。


「シルフィ様?少し落ち着いてみてはいかがでしょうか?そんな忙しなく動き回っていても良い案は思い浮かびませんよ?何か心配事でもあるのならこのセシルも共に考えますから。さぁ、こちらへ」


「うーん……あぃ!」


 シルフィの様子から考え込んでいるのはまるわかりだ。お気に入りの侍女たるセシルが気付かないはずもなく落ち着くように語りかけてくる。


 甘い物でも食べれば少しはアイデア浮かぶかな?そんなことを思いながらトコトコとセシルの用意した席へと走り寄る。


 色々と考え、いっそセシルにも話して案を聞いてみるか?などと考えもするが、結局実行に移すことはなかった。


 そんなことしてもセシルが困るだけだからだ。


 話してしまえば恐らくシルフィと共に真剣に考えてくれるかもしれないのだから。セシルのその真面目さと優しさこそがシルフィがお気に入りにしている理由だった。


「せしー!今日は何があるの?」


 いつもの明るい声を上げながら一旦思考を打ち切る。

 

 駆け寄って引いて貰った椅子に座ろうとするが、椅子は残念ながらシルフィの目線ほどの位置に座る位置がある。


「ふえぇぇ…」


 無意識のうちに情けない声が漏れた。


「はい、シルフィ様バンザイしてくださいね」


 セシルは勿論シルフィが上がれないのはわかっている。いつも通りシルフィを抱き上げると椅子の上へと下ろす。


 そんな小っ恥ずかしいことはあったが無理矢理気持ちを切り替えて茶菓子をモキュモキュしながら今後のことを考えていく。

  

 お茶菓子齧って冷静になればわかることはいくつかある。


 例えば時間だ。


 漫画や小説程度でしか知らないお貴族様文化だが、結婚だ婚約だ、なんて騒がしくなるのはもうしばらくはかかるはずだ。


 昔となれば10代前半でも結婚や内縁関係があるとはよく聞くことだ。今のシルフィにその状況を当て嵌めても10年程の猶予はあるはずだった。


 それだけあるのなら少なくとも逃げ出す準備程度は出来なくはないだろう。


 それまでに何か案を用意し準備しておけばいい。


 そしてその計画を実行する前に必要なことはいくつかある。


 まずは文字の読み書きと計算の勉強だ。これは確実にやっておきたい。


 もし逃げ出すことが出来てもこれが出来なければ話にならない。文字が読めず適当な契約にサインしたら奴隷身分のような働き手になった、とかなったら笑えない。


 勿論、シルフィはこの世界の文化について詳しく知らないがそれでも昔からあるような制度なのだから警戒しておくことは必要だろう。


 そして、覚えるのは魔法も同じだ。


 前世の記憶があるため非常に興味のそそられるワードではあるが、この魔法が日常生活や仕事の斡旋に有利になるのは定説だ。


 シルフィ自身の趣味と好奇心も混じっているが、これも学んでおいて損はない。協力してくれる人は必要だが、この屋敷には魔法を使える人物には事欠かない。


 実際、既に身体強化を使った感覚はまだ身体に残っているため、覚えられない、なんてことにもならないだろう。ならない、はずだ。


 そして最後に、具体的に何をするか考えている訳ではないが、シルフィのやりたいことに協力してもらえる人の存在は必ず必要になるだろう。


 そのため、逃走に協力してくれる人材の発掘も必要になる。


 茶菓子を食べ終わり冷静になったシルフィは椅子から慎重に降りる。セシルは自分から降りようとするシルフィを見守るように見ていた。


 シルフィは目標を見つけると一気に気が楽になった。


『この先、どうなるのかわからないが寿命は全うしたい。病死や事故死など気をつけなければいけない』


 それがシルフィの行動理念の大前提だ。


 今回の騒動では奇跡的に無事ではあったが、何も成しえることなく終わる…なんてことはないようにしたい。


 それがシルフィの1番の気持ちだ。


 そうして自分の気持ちに整理を付けた。



 だからこそその時、自分のことに気を取られていたシルフィは決意を秘めた目でこちらを見ているセシルのことに気がついていなかった。


「ふべっ!」


 そして、着慣れていないロングスカートのドレスもなんとかする必要があった。


 セシルの目は既に優しい眼差しへと変わっていた。

小説書くのは難しいですね_:(´ཀ`」 ∠):

感想などいろいろお待ちしてたりなかったり…_:(´ཀ`」 ∠):


 なんだか真面目な話ばかりしてますけどもうしばらくすればもう少しのほほんとした物に……なるといいなぁ……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ