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これが僕の異世界転生⁈ 改訂中!  作者: ヒロちゃむ
僕の異世界奮闘 幼年期 準備期間です!
1/67

プロローグ★

 読むこと専門でしたがなんとなく書いてみたいなぁと思ったのでかいてみました。

 


 何度も書き直してすいません!

 とある世界のとある大陸。


 いくつもの国が乱立し、そして消えていく中、数百を超える年月を経てなお大国としての力を保持し続ける王国。


 ここは王国が誇る上級貴族の屋敷の中。


 いつもなら静かでのどかな筈のその場所で、今日はドタバタと喧騒が響いていた。




 


「にゃはははは!こっちこっちー!」


「シルフィ様お待ち下さい!危ないですから⁈誰か!誰かお嬢様を止めて⁈できうる限り優しく!」


 その日、銀髪をたなびかせた幼女と茶髪のメイドが屋敷内を走り回っていた。


 現在2歳となるこの家の子女、シルフィエットと彼女の世話をするセシルだった。


 子供が走ることは多々あるがその程度では普通、そこまで慌てない。にも関わらずセシルは今すぐにでもシルフィを捕まえようと躍起になっていた。


 それはシルフィの走るスピードにある。



 シルフィの走る速度は馬にでも乗っているのかと思える程に速かったのだ。



 勿論シルフィは馬になど乗っていないし、まず乗れもしない。彼女は自分の足で走っていた。


 シルフィは超人離れした膂力も脚力も持ちあわせていなかった。ならば、何故そんな速度で移動可能なのかと言えばそれは魔法の力を行使した結果だった。






「せしー!ボクもまほー使いたい!」


 

 それは日頃から大人しく、子供にしては聞き分けの良かったシルフィにしては珍しく強気に一歩も引かないと言いたげな態度だった。

 

 お気に入りとしてよく一緒に行動していたセシルはそれを深く考えもせず了承してしまう。


 それがこの騒動の原因だった。



 近衛侍女と呼ばれる特殊な侍女であるセシルは魔法の基本でもある身体強化が使えた。文字通り身体能力を強化し、膂力や脚力、動体視力を強化できる魔法であり、彼女の唯一使える魔法だった。


 魔法を覚えることは決して損にはならない。もし才能があるのなら伸ばして然るべきものであり、覚えるにしても早いか遅いかの違い。そんな認識だった。


 


 そして魔法の使い方について出来る限り噛み砕いて説明し、実演してみせた後にシルフィの暴走が始まる。


 それはセシルからすれば予期していない出来事だった。


 シルフィはまだ2歳、自分の気持ちを上手く言葉にできるような歳でもなく、文字の読み書きも出来ない。身体強化を発動、制御させるにはどんなに頑張っても半年から1年以上は最低でも必要と思われていた。



 にも関わらず、シルフィはすぐに身体強化を発動させたのだ。



 その結果がシルフィとセシルの追いかけっこだった。いつもは大人しく優しい性格のシルフィも初めて発動させる魔法とその効果に興奮。身体強化を駆使しながら逃げ回るようになったのだ。




「シルフィ様止まってください!危ないです!物にぶつかります!階段近いですから落っこちますよ⁈」


 幼児にしては異常な程速く走れるようになったシルフィは侍女達に捕まらないよう逃げ回るがすぐ近くから聞こえた声に振り向く。


 セシルがすぐ近くに来ていた。


「にゃははは!おにさんこちらー、捕まえてごらんなさーい!」


「こっこら!待ちなさいってば!」


「つ、捕まえましたよ⁈ありゃ⁈」


 セシル以外にも廊下を歩いていた者達が確保に動くが誰もシルフィを捕らえることはできなかった。



 セシル達がすぐにでもシルフィを捕まえてようとするには理由がある。それは、子供の魔力などすぐ枯渇してしまうからだ。


 枯渇するまで魔力を使えば意識を失ってしまう。


 魔法初心者にはよくあることだが、今のシルフィがそうなれば転倒することになり、下手をしなくとも怪我、最悪死に至る危険もあった。


 再び追いついたセシルはシルフィに手を伸ばすが、咄嗟に横に飛んでシルフィはその手から逃げる。


「シルフィ様⁈」


 するとシルフィはセシルの悲鳴を聞いた。


 セシルが何故そのような声を上げたのか、シルフィはすぐに理解できなかった。


 よく見えるようになった目で見たセシルの顔は驚愕に染められている。シルフィはそれを変に思いながらもよくわからなかったためスルーした。


 とりあえずは考えるのをやめて着地に意識を向けるがそんなとき、シルフィを浮遊感が襲った。



 地面が抜けたようになくなっていたのだ。



 周りがなんとなくゆっくりになっていく中、シルフィが視線だけを下に向けてみると、そこはいくつもの段差でできた通路の一部、階段があった。


 シルフィが回避した先は階段だったのだ。


「あ…やっちゃった?」


 飛び込んだ先の階段はそれなりに高い。空中でバランスを崩したシルフィはそのまま体制を整えることもできずにいた。


 せしーが驚いてたのはこれかぁ…。


 そんな呑気なことを考えながら空中に投げ出され本人は不安定な体制の中、最後に見えたのはこちらに必死に手を伸ばして続けるセシルの姿だった。


「危ないって言われたのに…ごめんね、せしー…」


 そのままシルフィは意識を完全に手放したのだった。






「ーーーーっ、ーーーーーーっ、ーーーーーーっ」


「ーーーーっ、ーーーーーっ、ーーーーーっ」


 周りからの怒声や悲鳴に近い声を聞き、シルフィの意識が徐々に覚醒していく。


 もっと寝ていたい、だが不快に思いながら彼女はゆっくり起き上がろうとする。


 なんだか長く夢を見ていた気分。そんなことを覚醒しきらない頭で考えていると


「貴様⁈これはどう言うことだ⁈どう責任を取ってくれるんだ⁈あぁ⁈」


 シルフィの(パパ)の怒声とセシルの謝罪の声が聞こえ始めると同時にシルフィの意識は急激に覚醒する。


 頭に鈍痛を感じる中、急いで飛び起きる。


「ひゃっ⁈」


 おでこに衝撃を感じると同時に誰かの悲鳴が聞こえた気がしたが今はそれに構ってる暇はない。チカチカする目を擦りながら周りの様子を探る。


  周りにはいつの間にか集まっていた騎士と侍女達。


 その奥には土下座しているセシルと怒鳴り散らしながら抜いた剣を振り上げた体制で騎士達に羽交い締めにあっている自分の父。


 おでこと頭の奥で鈍痛のする中、急いで立ち上がり2人の元へ走る。


 前情報もなく、もっとゆっくりと状況を把握したいところだがすぐにでも行動を起こさないと不味い状況なのはすぐわかった。


「おぉ、お嬢様が!」

「目を覚まされたのね!」

「よかった!」


  心配をかけた周りの人達の声を聞き、立ち止まり声をかけようと衝動に駆られるが今はそんなことは後回しに急ぐ。


 今は急がなければ不味い、そうとても不味いからだ。


 シルフィの父は娘のことになると理性の歯止めが効かなくなくなるのだ。


 このままでは土下座中のセシルを斬りかねない。


 少なくとも羽交い締めにされていなければ斬っていただろう。


 運び出される前に意識が戻ったため、すぐに現場へとたどり着けた。



 ――さて、どうしよう?


 そう考えながら悲鳴地味た声で謝罪を続けるセシルへと目を向ける。


「申し訳ありません、申し訳ありません、申し訳ありません!」


 まだに気付いてなさそうだ。


 かわりに興奮していたシルフィ(パパ)は目の前まで来たことで修羅の顔から一転、顔を綻ばせながら声をかけてくる。


「あぁ!シルフィ、目が覚めたのか!どこか痛いところはないかい?怖い思いをしただろう?今、諸悪の根源を退治してやるところだから少し待っておくれ!」


 諸悪の根源とは言い過ぎである。


 と、そこまで言うと今度は顔をまた修羅の表情へと変える。


「とりあえずこいつには一体何を思ってこんなことしたのか尋問がてら生まれてきた事を後悔させてやるところだから今はお部屋で休んでなさい!ね?」


 話しかける瞬間だけ顔を綻ばせ父性溢れる表情を見せる。


 だが、コロコロ変わる表情は差がありすぎてかなり不気味に見えてくる。


「信用できる他のメイドや騎士を同行させてあげるから、安心しておくれ?ね?ほら、わかったらそこを退いておくれ、でないとそこのメイドーーー」


 百面相を見せて、起きたての娘にこシンガントークをかますシルフィ父。興奮気味なのはわかるが、狂気すら感じる。


 シルフィ父は自分の娘のことを心底可愛がっている。


 シルフィの(ママ)はシルフィが産まれると同時に体調を崩し、そのまま回復することなく逝ってしまった。


 そのせいか母似であるらしいシルフィに面影を感じているのか、デレデレに甘やかしていた。 


 けれど、正直言えば構い過ぎだ。


 遊びたい盛りの子供からしても若干を通り越して普通にうざいレベルである。長身細身に金髪碧眼のイケメンなのだが、色々と残念だ。



 シルフィは焦りながら目の前のシルフィ父を見る。


 この状況は自分の行動の結果、引き起こされた事故が原因なのだ。自分が収拾をつけなければ最悪の形で終わりを迎えかねない。


 走り回ったのも階段に飛び出したのもシルフィのせいでありセシルは最後まで止めようとしてくれていた。


 ――こんなことで物理的に首が飛べば罪悪感で軽く死ねる!自分の胃腸と心の安寧のため、とにかくなんとかしなければ!


 シルフィ父は剣を片手にシルフィに話しかけてきてる。


 シルフィを引き離したら確実にセシルを首にするだろう、物理的に。今はセシルから離れず、尚且つセシルを連れてここから離れないといけない。


「さぁ、シルフィこっちにおいで!」


 父の長いスピーチが終わった。だがシルフィの反応はというと…




「ふ、フーーー‼︎」


 と獣の威嚇音のようなものを返した。




 シルフィからすれば怒っているアピールをしているつもりだが他の者からすれば小動物が必死に威嚇している程度のもので、可愛らしさが勝ってしまっている。


 それでも愛娘から返されたのが怒りだったことに困惑してシルフィ父は鳩が豆鉄砲くらったような顔をしている。


 シルフィ父は混乱してる!と言うやつだ。


「せしー、いじめちゃ、めっ!とーさま、めっ!悪いこ!どーしていじわるするの!」


 この状況をシルフィが見ればシルフィ父がセシルをいじめているように見えなくもない状況だ。


 (危ない物)まで持って怒鳴っているのだから。


「せしー、だいじょーぶ?おけがない?いたとこない?」


 シルフィの声にセシルは顔を上げるがその顔をポカンと見たまま放心状態になりシルフィの声には答えない。


 とりあえず手を引っ張って立たせてみるが目に見える範囲で怪我はなく安堵する。


「悪いとーさまはボクがたいじしてあげるからね!せしーはちょっとまっててね!」


 元気よくセシルに宣言してみせるがそれに応えたのはセシルではなくシルフィ父だった。


「シ、シルフィ?これは違うんだよ。私はただそこの侍女が君に怪我をさせたって言うから、だからそれを罰そうとしているだけで…。だからそこを退いてくれないかな?お話しなら後でちゃんと聞いてあげるから…」


 シルフィ父からしてみれば罪人を裁こうとしていただけなのに我が子に悪者扱いされているのだから、たまったものではない。


 確かに子供に怪我をさせられれば、それも死んでいたかもしれないようなものをされていれば怒るのも無理はない。


 罰そうとすることもわからなくもないが感情的になり(危ない物)を振り上げているのだから側から見れば、それも状況のよくわかっていない――シルフィは勿論把握している――子供が見ればどちらが悪物か一目瞭然だ。


「うぅーーー!とーさまあやまって!せしーにごめんなさいするの!せしーないちゃってるもん、とーさま悪いひとだもん!悪いとーさま嫌い!」


 この状況はシルフィが作り出した状況であってセシルに悪意があった訳ではない。実際、セシルはシルフィに怪我をさせるつもりなどなかった。



 今のところ痛いところは頭の奥とおでこが少し痛い程度。それ以外は体に問題はない。


 シルフィ自身が若干興奮してるため気づいていないだけかもしれないがそれ以外は今のところ問題はない。


「シ、シルフィが私を嫌い…だと⁈」


 シルフィ父は『嫌い』ワードにショックを受けているがシルフィには構ってはいられない。


 自分のミスで人死を出したなど寝覚が悪いくらいでは済まされない。


「とーさま嫌い!だいっ嫌い!悪いことしたらごめんなさい、でしょ?なかしたらダメじゃないの!そんなとーさまとはくちきいてあげませんよ!」


 シルフィ威嚇音をあげながら履いていた靴の片方を投げつける。見た目相応、幼女の力で投げた靴が当たったところで怪我すらしない。


 しないはずだが、シルフィ父は靴が当たると同時に崩れ落ちる。


「シ、シルフィに嫌われた?この私が?そ、そんな、何がいけないんだ…」


 哀愁漂う姿に多少の罪悪感が湧く。


 それでもシルフィは辞めるわけにはいかなかった。


 セシルは2人のやりとりをただ無言で眺め続けているだけで何もアクションを起こそうとしていないからだ。


 片足裸足のままだがセシルを連れて歩き出そうとするが、背丈に差があり過ぎ手がとれないのでスカートの一部を握り先導する。


 片手には武器()装備して何度か振り回す。追いかけて来たら迎撃するつもりなのだ。


 セシルは無言のまま項垂れるシルフィ父に会釈をしてシルフィに付いて歩き出す。


「な、何故こんなことに…なにがいけなかったと?シルフィにこのまま口きいてもらえなかったらどうしよう」


 四つん這いになってぶつぶつ呟くシルフィの父は周りの者達を困惑させている。

  

「とーさま、ちゃんとせしーにごめんなさいしに来ないとダメだからね!それまではおしゃべりしてあげません!」


 シルフィはそう言い残しその場から離脱する。


 途中から多少能動的に行動するようになったセシルに抱っこしてもらい自分の部屋へと戻る。


 騎士や侍女達は撃沈した彼を復帰させるのに苦心していて誰にも邪魔はされなかった。

 何度も書き直していることは深くお詫びします。自分自身、何が書きたいのかよくわからない中、暗中模索状態で書いているため非常に不安定な状態での活動となってしまいました。


 これからも徐々に改訂を続け再び更新を再開したいと思いますのでもうしばらくお待ちいただけるなら幸いです。


 


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