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麻薬エルフ   作者: 銀玉仮面
メキシコ編
6/26

3-2

変な刻み方で短めですが宜しくお願いします。

銃を構えながら部屋を出る。周囲を警戒しつつ、感覚で敵を探りながら廊下を歩く。窓から外を覗いた所、現在位置は3階と予想する。


下に降りる階段を探す為更に進むと、テレビや家具等が置かれた応接間に出た。そこには男が4人程瓶ビールを片手に談笑していた。

ゆっくりと照準を定めた時、こちらに向いていた1人が少女に気付く。


「!?お前、ボスの...!」


「...アディオス。」


素早く照準を定め、4人の頭に1発ずつ撃ち込み、全員を瞬時に無力化する。


「ヒッ!撃たないで下さっ」


「...。」


他の部屋から出て来た使用人が上げた悲鳴に反応し、即座に頭を撃ち抜く。撃った5人が死んでいるのを確認した後、残弾数もチェックし、2階に降りる為の階段を進んで行く。


「上から銃声!?な、あがっ」


「て、敵か!?...かぐっ」


3階に上がろうとした男を即座に無力化し、2階を進んで行く。曲がり角で敵の気配を察知し慌てて隠れる。

意識を集中させ、敵の会話に耳を澄ませる。


『バリケードを作れ!反対側から回り込ませてるからすぐにカタが着く!』


「なるほど...なら。」


最初に射殺した男から回収した手榴弾のピンを抜き、少し待ってから投擲する。手榴弾は放物線を描き、丁度机等でバリケードを作っていた男達の目の前に来る。


「こっ、これは!?」


「何!ふ、伏せ」


リーダー格らしき男が伏せるよう指示を出そうとした時、手榴弾は空中で爆発する。炎で壁や天井は焼け、廊下の窓ガラスは全て割れる。


「ぁ...うぅ...。」


「...。」


まだ息があったリーダー格の男の額を撃ちトドメを刺す。


直ぐに銃を持って1階の階段へ全速力で駆ける。


(逃げなきゃ...。でも、何処へ...?もう誰も居ないのに...。)


『生きて...お願い...。』


マイラの言葉が脳裏を過る。


その時、異変に気づいた反対側の敵がこちらに気付く。


「居たぞ!アイツだ!殺せ!」


「でも、アレは若の...。」


「黙れ!もう何人も殺られてんだ!ここで引けるか!」


「で、でも若を怒らせたら...!」


「こ、この馬鹿野郎ッ!...畜生!!」


未だに渋る部下をリーダー格の男は殴り飛ばし自分も銃を構えるが、眼前には既に銃を構えた少女が立っていた。


「うわあああぁぁぁ!!」


先程までの正確さ等かなぐり捨てた様に、引き金を引き絞り一心不乱に目の前の男達に弾丸を叩き込む。


「ハァ...ハァ...ッ。」


肩で息をしながらアサルトライフルのマガジンを交換する。リロードを完了させ、1階に走って降りる。


たまたまそこに居たメイドに銃を突き付ける。


「ヒッ、う、撃たないで下さい!」


怯えるその姿に、少し前までの自分の姿が重なる。


「ガレージは何処?教えてくれれば撃たない。早く。」


「そ、そ、そこ、まま、真っ直ぐ行けばそ、倉庫がありま、す。そこのとび、扉が裏口でっ。」


「分かった。...貴女は何も見てない。良い?」


「はヒィ!分かりましたから撃たないで!」


更に怯えて蹲るメイドを放置し、案内通りに倉庫近くの裏口に向かう。いざドアを開けようとドアノブに手を掛けたその時、向こう側から先にドアが開けられる。


「...!な、お前...!」


「チッ!」


「ほげぁ!?」


開けられたドアから出て来た男が拳銃を構える前に、持ったアサルトライフルを反転させ、ストックで顎を殴り飛ばす。


気絶した男の額を撃ち抜き、キーを奪ってガレージに停められていたジープに乗り込む。


キーを挿してエンジンを掛け、アクセルを踏む。

発進した直後に正面から銃撃を受けてしまうが、無理矢理敷地を出る。


「クソッ!」


カーナビの地図を見ても土地勘は無いに等しい。何処に行くのが最善かなど分かるはずも無かった。

なお、極限状態で少女は気付いていなかったが、運転が辛うじて出来ていたのは、ハンドルに触れた瞬間車の操作方法が頭に流れ込んだ為だった。


何とか街に入るも、バックミラーから同じ黒のサバーバンが追跡して来るのが見える。

追跡して来た車の男達は躊躇いなく発砲して来る。


「馬鹿じゃないの!?こんな街中で...!」


防弾加工されたボディは凹み、ガラスにも罅が入っていた。

後ろからの追跡に気を取られていた少女は、前方の道路を塞ぐパトカーの即席のバリケード気付くのが遅れてしまった。


パトカー近くに立つ警察官が拡声器で何かを呼び掛けてきているが何も聞こえない。痺れを切らした警官隊からの銃弾が飛んで来る。


とうとうフロントガラスは砕け散り、飛来した弾丸が1発、少女の肩に着弾する。


「くぅッ!?」


慌てて背を低くするが、既にバリケードとの距離は回避出来るものでは無かった。


(間に合わない!こうなったら...!)


手榴弾のピンを抜き後部座席に放り投げ、少女は車から飛び降り、車はバリケードに突っ込み、ビルの高さ程ある炎を上げて爆発する。


そこから警官隊とカルテルの銃撃戦が始まり、その混乱に乗じて裏路地を通って逃走する。


しばらく逃げた所で、脚に上手く力が入らずその場で倒れてしまう。急激な身体の変化と失血が原因だった。


「こんな所で...死ねない...のに...!」


壁に手を付きながらも歩き進もうとするが、ついに力尽きてしまう。そのまま壁にもたれたまま、少女は意識を手放す。


(畜生...仇を討てずに...こんな所で...。)


少女の倒れる裏路地に面する道を1台の車が通り過ぎ、慌ててバックで戻って来る。

黒塗りの仰々しい高級車の後部座席から、コートを着た大柄な男が出て来る。


黒いポークパイハットに、何故か頭には牛の頭蓋骨の様な物を装着していた。

男は裏路地に倒れる少女をそっと抱き上げ、乗っていた車に連れ込む。車は発進し、パトカーの増援を横目に悠々と走り去って行った。


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