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麻薬エルフ   作者: 銀玉仮面
メキシコ編
2/26

1-2

父ブリンズが休みの日の夜、リビングで寛ぐ彼のスマートフォンに電話がかかって来る。


「はい、ブリンズです。ほう.....妻と娘をモデルに? 有り難い申し出だが、私も家族も、まだこの世界に慣れていなくて.....。申し訳ないが、辞退させて頂きます」


電話は妻のマイラと娘の✕✕✕を、専属モデルとして雇いたいという申し出だった。家族を思いやるブリンズはそれを断る。

すると、電話の相手は断られるとは思っていなかったのか、電話口から聞こえてくる声が怒声に変わった。


「そう言われましても......アルマダ? 存じ上げませんね。とにかく、妻と娘は働きになんて出せませんから! それでは! ......全く。どこの世界にもああいう連中は居るものだ」


やれやれといった様子で電話切るブリンズ。一部始終を見ていた✕✕✕は心配して父に駆け寄る。


「どうしたのお父様? 怖い人? 」


「あぁ、何でもないよ✕✕✕。お仕事の電話さ」


「ふーん。ねえお父様、次のお休みに皆でお買い物に行きましょう! 」


「ああ良いとも。この前のテストの結果も良かったし、欲しい物を買ってあげよう」


「やった! 来週が楽しみだわ! 」


「✕✕✕。お父様はお仕事で疲れてるんだからそれくらいにしておけよ」


同じリビングでテレビを見ていたユービクが✕✕✕を窘める。


「あ、そうよね。ごめんなさい、お父様」


「大丈夫だよ。それより、しっかり謝れてえらいぞ」


「えへへ.....」


「さ、2人とも早めに寝なさい。明日は学校だろう? 」


「はーい! お父様おやすみなさい! 」


「おやすみ、父さん」


「うん、おやすみ」


ブリンズは子供たちが2階の部屋に戻るのを見届け、テーブルのカップに入ったコーヒーを飲み干す。


「ふむ.....どうしたものかな.....」


「あなた、どうかした? 」


「いや、なんでもないさ。それより、私達ももう寝よう」


「そうね」


何か嫌な予感のしていたブリンズだったが、気のせいだと振り払い、妻のマイラと共に寝室に向かい眠りにつく。

一家の平和な日々は、この日が最後だった。



翌日、学校施設から家へ向かうまでの帰り道を✕✕✕とユービクは歩いていた。

少し歩き、家までもう少しという所で黒いサバーバンが2人の目の前、道を塞ぐように停車する。


「.....? お兄様.....」


「✕✕✕、俺の後ろに」


「う、うん.....」


肩まで伸びたピンクシルバーの髪を不安げに揺らし、✕✕✕はユービクの後ろに隠れる。


サバーバンから覆面を着けサブマシンガンで武装したスーツの男が4人、一斉に降りてくる。


「逃げろ✕✕✕ッ! 『ファイアーボー』ウワアアアァアッ!?」


「お兄様っ! いやっ、離して! 誰か! 助けっ......」


魔法を放とうとしたユービクはスタンバトンで昏倒させられてしまう。


振り向いてしまった✕✕✕は抵抗するも、睡眠薬の染み込んだハンカチを口に当てられ、ユービクと同じく気を失ってしまった。


そのまま、2人は男達によって車に連れ込まれ、何処かへ連れ去られて行った。

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