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権限者との戦い①

 目の前には、人間の青年が二人。

 なるほど、確かにそこいらの人間とは違う素質を持っているのが一目で分かった。


 ただの子供だと思って侮ってはいけない。

 この二人は強い。


 だが残念ながら、自分達権限者には及ばない。


 大悪魔の指示によりここまでやってきたダイルは、ようやく異変に気が付いた目の前の青年二人に声をかけた。


 とりあえず、こいつらの実力を試させて貰うとしよう。

 先行してこの場へ来たダイルを追うように、ガリュウとその配下達もこちらへと向かって来ているはずだ。


 正直、何故大悪魔は仲間であるはずのこんな人間を自分達に襲わせるのか訳がわからないが、ダイルやガリュウにあの大悪魔の指示を断るなんていう選択肢は無かった。


 一先ず、ダイルはいつも通り闇と同化した。

 その瞬間、突然目の前から消えたダイルに二人が動揺したのがすぐに分かった。

 初めてダイルと対峙した者は皆、同じ反応を見せる。

 だが、それでは駄目なのだ、遅すぎる。

 あの大悪魔が可笑しいだけで、ダイルを前に驚いているようでは、その隙が命取りになるのだ。


 闇と同化したダイルは、相手の背後へと潜り込み一人ずつ始末する。

 それが、これまで敵対してきた魔族や魔物達の末路なのだから。


 ダイルは先に、実力が上である背の高い金髪の男の背後へと潜り込み、そしていつも通り背後から攻撃を仕掛ける事にした。

 一瞬で背後に潜り込み、漆黒の刃に変形させた右腕で背中からブスリと刺してしまえばお終い……なのだが、ダイルは急所を外して肩を突き刺す事にした。


 だが、そこで異変が起きる。

 ダイルの突き刺した刃が、見えない障壁により防がれてしまったのだ。


「なるほど、闇と同化する事が出来るのか厄介だな。危うくやられるところだったよ。」


 どうやら、この男は物理攻撃を無効化する防御魔術を予め張っていたようだ。


 なるほど、この二人はその実力以上に厄介そうだとダイルは気を引き締め直した。

 ダイルの一撃を防ぐことができる。

 その時点で、それはダイルの敵となり得る強者ということに他ならないのだ。


 一度距離を取り様子を伺おうとしたダイルだったが、金髪の男がお返しとばかりに火の球(ファイヤボール)を放ってきた。

 その火の球(ファイヤボール)は、マリーやソリンのものには劣るものの、それでも魔術を得意とする魔族が放つものよりも遥かに高密度で威力が凄まじかった。

 まさか人間がこんなレベルの魔術を扱えるなんて思わず、ダイルはただ驚いた。


 だが、それでもダイルにとってはかわすのは容易い。

 即座に闇を伝い、簡単に攻撃を回避した。


「第9位階魔術 重力球(グラビティボール)


 すると、次はもう一人の少年が魔術を放ってきた。

 その聞いたことの無い魔術により、闇に溶け込んでいるはずのダイルの身体の自由が突然奪われてしまったのだ。


 全身が重く鉛のようになり、ダイルをもってして立っているのがやっとな程だった。


「……な、何をしやがった?」

「凄いですね。制御無しの重力球(グラビティボール)を受けても立ち上がれるなんて。でも、これで終わりです!第8位階魔術 大爆発(ビッグバースト)!」


 動揺するダイルに構うことなく、少年がトドメの一撃をダイル目掛けて放ってきた。


 少年の放った魔術により、一瞬にして辺り一帯が真っ白に染まった。

 そして、身動きの取れないダイルを中心に大爆発を起こす。


 その威力は凄まじく、激しい爆発音が周囲に木霊した。


「やば……ちょ、ちょっとやりすぎちゃったかな。」

「……そうだね、庭の一部が破損した件は、不測の事態とは言え後で謝罪しよう……。」


 先程の魔術で、この家の庭の一角が爆発により破損してしまっていた。

 だが、これで確実に相手を仕留めたと思っている二人は、戦いを終えた安堵の表情を浮かべていた。


「あー、だったら場所を変えるか?」

「「えっ!?」」


 そんな会話をする二人にダイルは声をかけた。

 すると、二人はそんなダイルに驚き一斉にこちらを振り向いてきた。

 そして傷一つ負うこと無く立つダイルを前に、二人に動揺が広がっていくのが分かった。


 ……分かる、分かるぞ。

 自分の攻撃を全て防がれて、無傷で目の前に立たれるという恐怖はダイルも少し前に経験したばかりなのだ。


 しかし、先程の少年の攻撃は正直ダイルでもヤバかった。

 身動きを封じられた上での、即座に爆発攻撃だ。

 その完璧とも言える連続攻撃に、通常なら確実にヤラれていただろう。


 だが、そこはシャドウオーガのダイルには通用しない。

 少年が次の攻撃に移ったのをすぐに察知したダイルは、即座に闇へと溶け込みその場から回避したのだ。


 だが、今はダイルの圧倒的有利環境である夜だから出来た事だ。

 もしこれが昼間ならば、恐らく今の攻撃でヤラれていただろう。

 それを思い知ったダイルは、この二人相手にもう手を抜く事は不要だと判断する。


 だからここからは、悪いが全力でやらせて貰うとしよう。


 こうして、戦いは第2ラウンドへと突入した。

土日が忙しく、更新が滞ってしまい申し訳ありません。

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