クラス対抗戦
アスタロトさんが使い魔になり、早いものでもう一週間が経っていた。
そんなアスタロトさんはと言えば、授業では毎回常識が覆され、実践実習ではその圧倒的な魔術で教師含めそこにいる人全員を驚かせ続けていた。
そして、帰宅後はアスタロトさんに魔術の特訓を続けて貰った甲斐もあり、なんとかアルスもイメージで魔術を扱う事が可能なレベルになっていた。
当然、アスタロトさんの魔術に比べればやっぱり月とすっぽんだけど、それでもアルスは己の魔力が飛躍的に向上しているのが実感できた。
加えて、イメージで魔術を扱えるようになった事で、これまでは記憶した魔法陣に魔力を流していた労力が省かれた事で、持てる魔力全てを魔術に変えることが可能になった。
……正直、アスタロトさんには遠く及ばないけど、それでも今の自分の力は人の常識から外れた、言葉通り規格外なものになっていると思う。。
そう思えてしまうほど、この魔術をイメージで扱うという事は本当に大きな違いがあった。
しかし、この一週間アスタロトさんと同居生活を続けているけど、1つだけ問題がある。
それは、あの白いシルクの寝間着姿のアスタロトさんだ。
最近はドキドキしているアルスをからかうためか、あの寝間着姿で接触してくる事が日に日に多くなってきているのだ。
アスタロトさんという大悪魔は、普段はとても優しいのだけれどそういう所はちゃんと悪魔しているのだった。
―――そんなこんなで、今日は金曜日。
つまりは、クリストフ魔法学校の一大イベント、クラス対抗戦当日である。
クラス対抗戦は、低学年から順に行われる。
ルールは凄くシンプルで、互いのクラスはそれぞれ陣地をとり、その中心に置いている相手の旗を先に奪った方が勝ちとなる。
このクラス対抗戦では、体術と魔術の使用が許されている。
治癒魔術があるため、ある程度の攻撃は許されているけれど、剣術を扱う場合は剣などの刃物は流石に危険なため木刀を使用する規定となっている。
とは言っても、ここは魔法学校だから基本的に体術などが得意な者は少なく、やはり魔術での対決がメインとなる。
ただ、隣のクラスのマークのように剣術と魔術を合わせた戦闘方法が得意な人などもいるため、希望する人は武器の使用が許されており、あくまで実戦を想定した形で行われる。
自分が1番戦闘において力を発揮できるスタイルで、互いの実力をぶつけ合う事が目的だからだ。
正直、これまでアルスはこのクラス対抗戦がこの学校で1番嫌なイベントだった。
だって戦闘は苦手だし、痛いし。。
だけど今年は、アスタロトさんにみっちり魔術の特訓をして貰った事もあり、クラスの勝利に貢献できたらいいなって思っている。
卒業後は、自分が村の皆を守れるようになるんだ。
だからこのクラス対抗戦は、いつか起きるかもしれない本当の戦闘において、大事な人を守るためのリハーサルだと思って挑むつもりでいる。
相手は既に魔術師団でも上位クラスの実力を持つであろうマークくん率いる実力者揃いだ。
これまで1度もアルス達のクラスが勝ったことがない相手だからこそ、成長した己の実力をぶつけるのにこの上ない相手だと思う。
最後ぐらい、必ず勝って終わろう。
そう胸に誓い、アルスは会場へと向かった。




