お風呂
「ここを捻れば自動的にお湯のシャワーが出てくるので。」
「ふむ、本当に便利な世の中になったものだな。」
「魔術道具は本当に凄いですよね。アスタロトさんの元いたところではお風呂はどうされてたのです?」
「あぁ、我の屋敷には温泉があるのだ。」
「え、家に温泉ですか!?すごいですね。」
「中々広くて見張らしもよいぞ。今度アルスも入りにくるがよい。」
「いいんですか?楽しみにしてます!」
そんな雑談をしながら、お風呂へ入るアスタロトさんへタオルの用意と使い方の説明を済ませ浴室から出た。
しばらくすると、扉越しにシャワーの音が聞こえてきた。
そうか、今アスタロトさんがお風呂に……って、何を考えているんだ!これではただの変態じゃないか!
なんて1人で悶々としながら、とりあえず落ち着かないのでお茶を飲みながらお風呂から上がるのを待つことにした。
本当、これから先本当に上手くやっていけるかな、なんて1人不安になるアルスであった。
「上がったぞ。良いお湯だった。」
「それは良かったです。」
小一時間経っただろうか、浴室から出てきたアスタロトさんが出てきた。
返事をしつつ、アルスはチラッとアスタロトさんの方を見た。
黒い綺麗な髪が少し濡れ、より艶っぽさが増している。
あぁ、本当にアスタロトさんは美人だなぁ……
「って!?ア、アスタロトさん!?」
「ん?なんだ?」
「なんだって!ふ、服!!」
「あぁ、これか?寝間着だ。」
そう言うアスタロトさんが着ていたのは、真っ白なシルク素材のワンピースタイプのネグリジェであった。
タイトめなシルエットになっており、アスタロトさんの完璧とも言える身体のラインがハッキリと分かった。
これは18歳のアルスにはあまりにも刺激が強すぎます!はっきり言って反則です!!
「あぁ、なんだアルスよ。我のこの姿がそんなに刺激的か?」
「そ、そりゃそうですよ!目のやり場に困ってます!」
「ふふ、やはり可愛いなアルスは。我はアルスの使い魔だ、好きに触れても良いのだぞ?」
なんて事を言いながら、ニヤリ笑みを浮かべながらアスタロトさんはこちらに歩み寄ってきた。
そ、そんな、触れても良いってどこまで……いやいや!これじゃクレアの言うとおりじゃないか!
まだ学生なのにそんな男女の!そんな!!
なんて脳内パニックを起こしていると、そっと頭に手を置かれ優しく撫でられた。
「ふふ、冗談だ。アルスも早く風呂へ入るがよい。我は先に休ませて貰うとしよう。だからアルスはゆっくり湯に浸かってくるがよい。」
「……はい、そうします。。おやすみなさい。。」
「あぁ、おやすみだ。」
そう言うと、アスタロトさんはそのまま自室へと入って行った。
アスタロトさん、その冗談はこれっきりにしてください。。
身が持ちません。。
そうしてアルスもお風呂へ入ることにした。
色々ありすぎて心身共にクタクタだから、ゆっくりお風呂に入って疲れを取ろう。。
なんて思いながらお風呂に浸かったものの、アルスの前にアスタロトさんが使用してたんだなと考えてしまったが最後、浴室でも悶々としっぱなしだったのは言うまでもない。
こうして、アルスの長い長い1日はようやく終わりを迎えたのであった。