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鼓草 (ツヅミグサ)

作者: 音澤 煙管




寂しい時に思いは耽る…


さっきまで居た友人の

賑やかさを今感じてる、

何が楽しくて可笑しくて

過ごした時間は影落とす。


孤独感ではなくて、

静寂な自分だけの時は

さっきとそれまでの思いが、

一気に押し寄せ流される。


静寂だけど冷静さは無く、

あれもこれも無意味な時と思い耽け

この世とあの世を彷徨う様に、

ブラインドが閉められる。


暗い時とはこういう時で、

自由な羽根が生え

何処にでも行けそうな、

そのまま風に任せて目を閉じる。


体と気持ちが軽くなり、

ツヅミグサが弾けて流され

フワフワ自分の姿を真上から、

見降ろして飛んでゆく。


宛もなく何処までも、

ずっと舞っていたい時

色んなことに疲れてる、

ここの暮らしには飽きて居る。


途中何かに引っかかり、

眺めの良い場所そこに決め

転校生の気持ちになって、

初めの友人出来た頃の様。


先輩友人に案内されて、

校内隅から隅まで知らぬ場所

地蜘蛛の居る場所まで教えてもらい、

輝いた眼をした時が蘇る。


特別なものではなくて、

特別な人でもなくて、

特別な日でも無い時なのに

それは特別大事な記憶の中、

それまで人嫌いだったのに

その先輩友人の手にはツヅミグサ。


息を吹きかける事もせず、

振り回す事もなく、

ジッと見つめて手にとって、

自然の風を待っていた。


突風と共にその手から、

綿帽子がいっぱい沢山舞ってった

遠くまで舞い上がり、

見えなくなるまで眼で追った。


遠い記憶の綿帽子、

今この胸に引っかかり

舞おうか留まるか、

悩んで疲れてる頃と同じ様。


自分自身で無くなる時、

人に疲れた時必ずと

ツヅミグサの思いは耽ける…




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