ポタ屋
〔終わったあああ、ますたぁ、みんなで狩り行きたい!!〕
レイがギルドチャットで叫ぶ。
〔こっちも雑務片付いたにゃあ、リアル雑務疲れるのにゃああ〕
トキが呻く。
〔私も丁度空きました。疲れましたよ〕
ユウタ。
〔僕も、疲れたあ〕
エレノア。
〔お、みんな行ける感じかあ〕
サクラ。
〔みんなお疲れ様。久々に狩ろうか。適正なレベルのダンジョン、俺は見つけれてないんだけど〕
〔だったら、私が街で聞いたダンジョン言ってみますか?古代図書館だそうです〕
〔そうしようか〕
ユウタの提案に乗る。
〔ますたぁは今何処にいるの?星屑の洞窟?〕
〔うむ。新しく見つけたダンジョンで攻略中だ。古代ダンジョンらしい。なかなか面白いし、要塞ダンジョンよりは適正レベル低そうだが、まだレベル足りなくてレベル上げ中だな〕
〔ますたぁ・・・ダンジョンはソロで挑むようにできてない物にゃ?〕
トキが呆れて言う。いや、キミもソロ攻略してるじゃん。
シルビア ニンゲン 男 Lv.1942 トレジャーハンター Lv.173
レイ ワーキャット 女 Lv.1202 戦巫女 Lv.26 守巫女 Lv.23
ユウタ 男 ワードッグ Lv.906 ビショップ Lv.12 ナイト Lv.71
サクラ 女 ドラゴ Lv.1303 ダイミョウ Lv.41 プロフェッサー Lv.4
エレノア 男 エルフ Lv.1112 エルダーアルケミスト Lv.21 エルダーウォーロック Lv.11
トキ 女 魔族 Lv.1602 ニンジャ Lv.60 マジックマスター Lv.34
みんな少しずつ伸びてる感じだ。俺と同じく暇だったサクラの伸び率が凄い。
〔ますたぁ上がりすぎじゃない?〕
〔だってますたぁですし〕
〔だよね〕
レイとユウタの会話。いや、そりゃほとんどプレイできてなかった人と比べると。
と言うか、気づいたら、『マスター』が『ますたぁ』になってないか?
〔とりあえず集まろうか。さて、ダンジョンから脱出しなければ〕
ダンジョン脱出のアイテムを使用、ワープゲートが現れる。ちなみに、攻撃受けると使用準備解除されるので、乱戦時には使えない。
ダンジョン入り口からアジトへは、ワープ機能が存在する。アジトのダンジョンゲート前に到着する。
月花がこちらによってくる。
「精霊の臭いがします」
「え、月花・・・様?!」
月精霊が現れる。
「旧神をたらし込むとは、流石シルビア様ですね」
半眼で言う月花。以前はずっと一緒だったので、一緒に行動できないのを気にしているのだ。
「ははは・・・」
「まあ良いです」
溜息をつく月花。月精霊が消える。
マップから宿舎を選択、宿舎前に移動する。他のメンバーも集まっていた。
「ますたぁ、久しぶり!!」
レイが抱き付いてくる。柔らかく温かい感触も久し振りだ。頭を撫でてやる。
《古代図書館は、旧都の中心にあるそうです。旧都の中も半ダンジョン化してますが、PT専用マップは作成されないので、迷惑ギルドがいると殺伐とするそうです》
ユウタが説明を始める。
《旧都までは距離があるね。揚陸艇で行くかなあ?》
エレノアが提案するが、
《ポタ屋利用が良いかも》
ユウタが首を振る。
ポタ屋。ポータルの魔法で人気のある場所をメモっておき、一定の金額を貰ってポータルを出す商売だ。メイジ職に就いた初心者の貴重な資金稼ぎ。
人との交流が好きで、専業のポタ子さんになるプレイヤーもいて・・・サービスの質や好感度、お得意様・・・的な理由で、客を独占してしまい、初心者メイジが小遣い稼ぎできなくなったり、とか色々ある。当然、専業になるのは悪い事ではないので、微妙な話だ。
後は、他の人用に出したポータルに飛び込んでタダ乗りとか、わざと別の場所のポータル・・・強い敵の巣行きとか出す悪質な奴もいる。ポータルは、入った時に移動するかどうかの選択肢は出るが、行き先は分からない仕様だ。
《じゃあポタ屋に行ってみよう。北広場?》
俺が問うと、
《上級者狩場行きは、東広場の方が探しやすいかも》
エレノアが訂正する。狩場レベル毎に場所が分かれてたりするようだ。
東ポタ広場に着く。間を空けて何人かが並んでいて、後ろに行き先書いた立て札を建てている。
可愛い女の子が座っていて、そこだけ異常に行列が出来ている。横にはお金や宝石、アイテムの山、代金?だろう。有名所が網羅してあり、お代は任意と書かれている。毎回軽く世間話してからポータルを出す。○○行き、便乗して入っていいですよ〜と毎回告げている。
空いてる所に旧都行きがあったのでそこに並ぶ。人数×500を払い、お礼を言ってポータルに乗る。あっさり旧都に着いた。
来週からは日に1回、5時の投稿になります。書き溜めが溜まったら、土曜日に調整する可能性があります。
4000PV有難う御座います。




