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失われた弓

地下2階。広い。空には夜空。地面は砂漠。ダンジョンって本当に不思議な空間。


適当に歩く。敵が近づいてきた。コケトリス、ニワトリの頭と蛇の尻尾。石化ブレスが厄介だ。


疑似月弓で距離を取りながら攻撃、数回で倒れる。巨体だけあって小ボス並に頑丈なのか、階層降りて適正レベル大幅に上がったのか。


突如、地面が沈み始める。空中を踏みしめ、空に登る。巨大蟻地獄。疑似月弓連打で生命力を削る。同じく、数回かかってようやく動かなくなる。


巨大な牛。突進を躱し、背中に乗り、混沌の剣で連撃を加える。数分かかり、ようやく動かなくなる。


巨大な蠍。疑似月弓で牽制兼攻撃。近付いたタイミングで、混沌の剣[大斧]で攻撃を加える。2回、3回。10回くらい斬りつけ、動かなくなる。


岩の陰で休憩。意外と経験値多いらしく、そこまで経験値効率は落ちていない。精神的に疲れたので、カード遊び。ドロー、ディスカード、ドロー、ディスカード。ジョーカー?任意のカードと交換するか、何が起きるか分からない効果を発動させるか?まあ、何かのAにして使おう。スキル上げたので、4枚まではストックできる。3レベルまで上げたけど、上限は+1、最大の20でも7枚までらしい。威力は上がるみたいだけど。


カード遊びにも飽きたので、探索再開。ダイヤのK、ジョーカー、スペードのJが2枚。


ケンタウロス2体。左手の夢海月で脚を引っ張り、撹乱しつつ、右手の混沌の剣[槍]で突く。突如吹き飛ばされる。風の魔法か。空中を蹴って体勢を変えると、疑似月弓を連射する。空中を駆けながら、疑似月弓で攻撃。隙を見て、疑似鳥槍を投擲。数分かかり、1体を倒す。もう1体は、混沌の剣[長剣]の連撃で倒す。


オアシスだ。宝箱が置いてある。ふと思いついて、ダイヤのKを使用。宝箱が光る。効果があるのかないのか。


星屑の杖[LR]

 宇宙の真理に至った賢者が使っていた杖。

 魔法威力、距離を激増させ、使用イメージの補助を行う。

 大気のマナを使用する為、使用魔力が激減する。

 エクストラジョブ、スターウィザードを開放する。


ハズレか。


オアシスの中心には、湖。ん、底が見えない。緑色に光っている。この感じは・・・アイテムを捧げ、新しいアイテムを手に入れるアレ。ついいらない物で試したくなるけど、出て来るのは上位互換が多いので、良くしたい物を入れる。弓かなあ?なくなったら泣くしかないけど。


疑似月弓を投げ入れる。


美しい精霊が出て来る。ここで提示されたアイテムを選んでしまうと、大変な事になる。まあ初歩的な罠だ。


「貴方が落としたのはこの金の知恵の実[GR]ですか?それとも銀の知恵の実[GR]ですか?」


くれよ。喉から手が出るほど欲しいが、我慢して、


「いえ、私が落としたのは疑似月弓です」


答える。


「そうですか。貴方は正直者なので、これを返してあげましょう」


あ、これそのまま返されるパターンだ。


「拾ってあげたので、強さの十分の一を貰いますね」


「ちょ」


「代わりの物をくれたら、これはそのまま返しましょう」


・・・何てイベントだ。


適当に余っているURを入れる。1つ、2つ、3つ。顔を見ながら入れていくが、首をふるふると振る。おい。


「1つで十分なはずだろう。幾つ要求する気だ?」


「この弓が気に入りました。返したくありません」


おい。


「俺もその弓は必要なんだ、返してもらうぞ」


こうなったら取り返す。泉の精霊と戦ったことはないが、ボスより強いことはないだろう。


「そうですか。諦めて立ち去れば命までは取らなかったのですが」


完全に悪役だ。


混沌の剣[長剣]で連撃を放つ。障壁に阻まれる。


ヒュヒュヒュッ


精霊が俺の疑似月弓を使って矢を放つ。空中を駆り、躱す。


精霊がチャージに入った。魔力を込めて斬撃を浴びせる。


ゴウッ


無数の光の軌道が襲ってくる。躱しても駄目なやつだろう。魔力を込めて切り裂き、叩き落とす。


攻防を繰り返す事数十分。障壁を削り切り、ようやく精霊を斬り付けた。


「痛い!分かりました、降参です」


倒してしまっても良いが、あまり敵対する存在でもない。剣を収める。


「武器は返します。でも、力を使い果たしたので、しばらくその武器の中で休みます」


精霊が宿った武器は強い。悪い話ではない。


「分かった。それでいい」


精霊が疑似月弓に宿り、手元に帰って来た。


月弓[LR]

 月の精霊が宿る弓。

 矢を放つ際の威力、貫通力、速度、飛距離に強い補正を得る。

 魔力を消費する事で、不可視の矢を生成し放つ事ができ、込めた魔力で強さが変わる。

 生成する矢は、物理干渉力を持ち、攻撃は物理属性と魔法属性の複合属性となる。

 魔力を消費して、自己修復する。

 武器固有スキル:ルナティックレイ


ルナティックレイ

 魔力を込めた量により、威力が変わる。

 単一軌道で撃ち出すか、威力を分散させた複数軌道で撃ち出すかを選べる。

 対象を追尾させる事も可能。


あ、何か強化されてる。ひょっとしたら疑似神話武器専用イベントだったのかも知れない。固有スキルも汎用性が凄く高いな。・・・ん?


「おい、さっき追加で放り込んだUR武器は?」


弓に話しかける。沈黙。


「何と・・・素晴らしいシステム、武器のカスタマイズが開放されました。不要なUR武器を消費する事で、武器の強化が可能になります」


つまり、食べたらしい。


「尚、弓系だと効果が高いです!」


弓が食べたいらしい。


「・・・まあ、強くなるならいいが・・・」


本当に強くなったんだろうな?これで疑似月弓の方が強かったら泣ける。


遠くにコケトリスが見えたので、狙ってみる。魔力で矢を作成。矢に魔力を注ぎ込み・・・今まで以上に魔力を注ぎ込める・・・と言うか上限があるのだろうか?かなり注ぎ込んで、光った矢を、放つ。


「ルナティックレイ!」


光の軌道がコケトリスに飛び・・・そのまま貫き、頭を吹き飛ばす。コケトリスが倒れる。強いな?!


「・・・なかなか強いじゃないか」


「ふふふ」


得意気だ。


その後、休憩しつつ、色々試してみる。なるべく大気のマナを使いたいので、魔力を大気から集めるイメージ。精霊から吸い上げるイメージで使用しようとしたら、精霊に抗議されたので、それはなしにする。


たくさん魔力を注ぐと凄い威力となるが、ある程度でもそれなりに強く、雑魚なら逃げ撃ちで倒せるようになった。分散させるとかなり弱くなる。それでも、疑似月弓の頃よりは強いけど。いい武器だ。


慣らしも兼ねて、月弓メインで戦う。空を駆けながらルナティックレイで敵を倒しつつ進むと、自分が強くなったように錯覚する。錯覚なのは分かってる。


上空から見ながら進んでいるけど、次回層への扉?はなかなか存在しない。岩陰とかで見過ごす可能性もあるのだろうか。


結局、次の階層への扉を見つけたのは、翌日の朝だった。

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