メイド様
〔ますたぁ、ちょっと付き合って貰えませんか?〕
ダンジョン探して放浪中、ユウタに頼まれる。
〔いいよ。何するの?〕
〔前メイド様に貰った剣を試してみたくて〕
〔うん、じゃあ適当なダンジョンで試そうか〕
アジトに戻る。アジト帰還のショートカットが欲しい。乗り物入手しようかなあ。
《これなんですけど》
神託の剣[GR]
神が認めた者に託された剣。
大気のマナを利用し、強度、切断力が上昇する。
魔に属する存在を攻撃する際、最終ダメージにボーナスを得る。
非常に破損しにくいが、破損した場合も大気のマナを利用して修復する。
エクストラジョブ、ラストクルセイダーが開放される。
ラストクルセイダー
前提条件
クルセイダー、ビショップ、ソードマスター、パラディン
《4次職かあ。まあ、武器だけでも強いし》
《そうですね。ただ、剣使った事がないので教えて欲しくて》
《分かった。練習しようか》
適当なダンジョンに入る。動きが遅く、的がでかい、機械の敵が出るところにした。
《まずは剣で攻撃してみて》
このゲーム、装備可能、の概念はない。適正ない装備をすると、熟練度が伸びにくいだけだ。後は、剣士で重盾持てば邪魔とか、重鎧邪魔とか。男が女性装備すると見苦しいとか。トキは大抵男性装備してるけど。
ユウタが機械兵に斬り掛かる。
ガッガッ
《駄目ですね。リアルで剣が上手くないと駄目な感じですか?練習あるのみでしょうか?》
《いや、各武器には決まったモーションがあって、ちゃんとやればリアルの経験とかは関係ないよ。攻撃前に、こう、溜めるような動作して、システムアシストに従ってやってみて》
ユウタが再度チャレンジ。今度は武器が光り、
ガッザシュッザンッ
流れる様な3連撃で、機械兵の一部を切断した。
《凄い!》
《武器によってモーションが決まっていて、連撃回数も決まっている。熟練度が上がれば変わったりする。熟練度や自分のステータスのDEX、LUC、相手のAGI、LUCの差で、命中やクリティカルが変わる。まあ、レベルを上げて殴ると、強くなる。後は慣れたら作業だね》
ふんふん、と頷くユウタ。
《でも、ますたぁも、トキも、レイも、サクラも、決まった動きって感じしないし、連撃回数も凄いですよね。あれは熟練度のせい?》
そこに気づくかあ。
《今の話は、一般的な話で、そこで終わった方が楽なのだけど。スマホ画面でタップして自動戦闘、とかだと今した話まで、で》
ス、と無貌の神刀[長剣]を抜くと、
ヒュヒュヒュヒュヒュン
神速で剣撃を繰り出す。しかも、一撃一撃が、力が篭っている。
《わ、何か格好いいですね》
《こう、スマッシュとかの武器スキルを使った際の感覚で武器を扱えば、通常の斬撃は強くなる。連撃の感覚で自分で動かせば、回数制限はない。敵の急所を狙えばクリティカルやトゥルークリティカルが出るし、縦斬りが有効な場面があれば、横斬りがいい場面もある・・・を適切に出せば、システムアシストに頼るより遥かに強くなる。格上の敵にもガンガンダメージ出るので、レベルアップは早くなるね。また、上手い扱い方をすれば、熟練度上昇も早い》
《わわわ・・・》
《ユウタが無意識に出来るようになってる、魔法の分解、あれの武器攻撃版かな。魔法の要素分解だって、本来は凄く難しいんだ。ヒールだって、本来は祈りを捧げ、神の力を身に宿し、対象に作用して、力を神に返す・・・集中、詠唱、使用後ディレイ、が一定量発生する。ましてや、同時使用なんて普通は無理だ。発動速度、連続使用、同時使用、ユウタは十分凄い事をやってるんだよ》
《・・・そうだったのですね》
《武器使用と魔法使用、結構感覚が違うから、両方熟練させるのは難しい。向き不向きがあるから。トキくらいじゃないかな、両方の適正があるのは。リアルで剣の経験がなくても出来るけど、ゲーム内で上達すると、リアルでも結構剣を扱えたりする》
《ふむふむ・・・》
《なので、個人的なお薦めとしては、システムアシストの範囲で趣味程度に剣を楽しみ、魔法を極めた方が良いとは思う。めが・・・目が可愛いメイドさんが渡した武器だから、何か意味有りそうな気はするのだけどね》
《そうですよね・・・メイド様に頂いた武器なので、使わないといけないような使命感はあるのです》
何者なんだ、メイド様。
《有難う御座います。少し練習してみますね。また困ったら教えて下さい》
頑張るなあ。
《言ってくれれば練習に付き合うよ》
そう言って、解散した。練習するユウタを置いて、その場を離れた。




