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PKとの遭遇

「PKに襲われた?」


エレノアに相談を受けている。PK、プレイヤー・キル(殺害)、またはプレイヤー・キラー(殺害者)、他のプレイヤーを殺す事や、殺して回る人の事だ。そういう行為が好きなプレイヤーが存在する。尚、通常のプレイヤーを殺す行為は、反社会的行動であり、カルマ値が上昇する。カルマ値が一定以上になるとレッドプレイヤーとなり、騎士団に捕まったり、PKされた場合に相手のカルマ値が増えず、逆に相手のカルマ値が下がるようになる。レベル差にもよるが、1回でもPKを行うと、高確率で赤くなる。


「はい・・・そうなんです・・・。最近、街の外を歩いてると、PKに襲われる被害が出ているようなのですが。ポラリスさんと歩いているところを狙われてしまって・・・」


それは災難だったな・・・PKが。


「幸い、何とか返り討ちにしたのですが・・・そう出来ない人もいるので、困っているそうです」


何とか、とかそういう話じゃないだろう。多分。と言うか何気にポラリスと親交あるのか。


「騎士団も動いてるんだろ?」


「はい。でも、騎士団は鎧に身を包んでいるし、エンブレムも掲げているので・・・目立って避けられるようです。とりあえず定期的に巡回とかしたりしているそうですが、成果は上がっていないそうで」


一応、カルマ値が上がればデスペナが厳しくなる、というリスクはあるが、そもそもPKするような奴ら、簡単には倒せないしなあ。PKされた場合、カルマ値がゼロでも、一定確率でSR以下のアイテムやお金がドロップする可能性がある。また、PKした側に、結構多めの経験値が入ったりする。ちなみに、カルマ値が高い状態でPKされると、URでもドロップするって噂もある。


「酷い話ですね!」


ユウタが聞きつけてやって来た。


「何とか対策とれればいいのですが・・・」


うーん、とエレノアが考える。と言っても、システム上許されてるし、十分ペナルティーはあるし、それを甘受した上でPKしてる奴らなので、これ以上のルールでの縛りは難しそうだ。


「まあ、ユウタのおかげでかなりの抑止力にはなったからな。今やってる奴らは、真性のヒールだから、どうしようもない。そういうプレイヤーもいる、って事で、警戒してやるしか」


そこにサクラがやってきた。


「おう、何の話してるんだ?」


「今はPKの話ですね。最近増えてきたなって」


「確かに増えてきたなー。僧侶系の格好している奴や、女キャラ使ってる奴とかよく狙われるみたいだぞー。私もちょくちょく狙われる」


「僕もちょくちょく狙われますね。魔法使いって狙いやすいのでしょうか」


魔道士は狙いやすいな。エレノアの場合あっさり返り討ちにできるけど。


「マスターは狙われないんですか?」


「俺はハーミットスキルがあるからなあ。後、人目に付くような場所あまり歩かないし」


ぼっち舐めるな。


アジトに入ってきたレイが、真っ直ぐにこっちに駆けてくる。で、たっと抱きついてくる。


「ますたああ」


「おう、どうしたどうした」


「んーこうしたかっただけ」


ごろごろ顔を擦り付けてくるレイ。可愛いけど、スキンシップ結構激しい子だよね。


「レイはPKに狙われないの?」


エレノアが聞くと、


「たっぷり狙われるよ!」


狙われるのかー。


「そっか・・・気をつけてね。言ってくれれば護衛もするよ」


「大丈夫だよ!1人でも狩れるよ!今日はカゲさんと一緒だったけど!」


PKKかあ。そういえばレイのカルマ値、異常に低いんだよなあ。かなりマイナス。PKK、プレイヤーキラーキラー。PKを専門にPKするプレイヤーを言う。PKを仕掛けられた時点で反撃になるし、相手をキルしても逆にこちらのカルマが下がる。


「狩る・・・?」


「うん、PKKって奴、カゲさんに勧められたんだ!時々やるの!」


「対人・・かあ・・・」


ユウタがうーん・・・と微妙な顔をするが、


「でもでも、誰かが歯止めを作らないと、どんどんPKは増えちゃうからさ!抑止力!」


「・・・そうだね。僕も、襲われた時は返り討ちにするしね」


「そうそう、誘い受けか、積極的か、消極的か、その違いだね!」


「まあ、人によって感想は様々だろうが・・・PKKは、悪いばかりじゃない。襲われてる所に割って入れば、正義のヒーローだしね。俺だって、流石に誰かが襲われてたら助けるし」


「私も前、襲われてた人を助けましたね」


ユウタが言う。ふんふん、といつの間にか横でメイドさんが聞いている。気づかないふり。


「まあ、どうしてもPKが増えたら、俺もパトロール手伝ってもいいしな」


LJOの影響で、まだPKってかなり抵抗あるんだけどな。大分薄れてはきた。


「その時は一緒にやる!」


レイがまたぎゅっと抱きついてきた。

総合3000PV突破、有難う御座います。

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