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エレノア

〔マスター、ちょっとお時間よろしいです?〕


エレノアから声をかけられる。


〔大丈夫だよ。何か用?〕


〔はい。古代遺跡?みたいなのを見つけたので探索したくて〕


〔それは面白そうだね〕


エレノアと、アジトの宿舎前で待ち合わせる。宿舎前に着くと、エレノアは準備を終えて待っていた。


《よろしくお願いします》


ペコリ、とエモを出すエレノア。こちらもエモを返す。


《遺跡なんて有るんだね》


《ちょくちょくあるみたいですね。背景っぽい場所探すの好きなんです。よくマップから外れちゃいます》


それは行けて良いのかなあ。


《ただ、ソロだと不安があって。この前も、いきなり警報みたいなのが鳴ったので逃げました》


エレノアが手を前に組み合わせる。エレノアの武器、魔導書がエレノアの前に移動し、パラパラとめくれる。地面に魔法陣が出現、光の柱が上がる。ポータルの魔法、通称ポタだ。ちなみに、前は片手向けて出してたので、多分雰囲気作りの演出だろう。


ポータルを抜けると、森の中で、確かに遺跡の入り口が見える。マップからかなり外れている。


《こんな場所来れるんだね。マップから外れるなんて発想なかったよ》


《通れそうだったので試しちゃいました》


遺跡を見ると、ダンジョンではないようだ。トラップはある。


《ダンジョン化していない。と言う事は、壁とかが普通に崩れるから気をつけてね。酸素濃度とかも、一定には保たれない》


《そうなのですね。一応、環境最適化魔法使っておきます》


エレノアが魔法を行使する。光の泡が身体に纏わりつき、薄い結界を作る。水中進行等を可能にする魔法の上位互換のようだ。便利だなあ、魔道士。


エレノアに指示を出しつつ、進む。先行し、解除の必要がある罠は解除しながら。


《そこを右に曲がった辺りから、音が聞こえてくる》


《徘徊型の機械兵ですね。マナ機関を隠蔽し、気配探知を防いでいるようです。マナ密度の差から判別可能ですが》


目視で確認、こちらに電磁弓を向けている。アレがコアかな。目星をつけ、


ガッ


疑似雷槌を投擲、コアにめり込み、一体動かなくなる。


《雷よ》


ゴウッ


エレノアが放った圧縮雷球がもう一体のコアにめり込み、沈黙。


エレノアが、緊急修復モードに入って攻撃停止した機体に歩み寄り、調べる。


《綺麗な造りですね。持って帰って調べたいくらいです》


すっと離れ、こちらを見て言う。


《名残り惜しいですが、今は先に進みましょう》


また先行し、罠を調べながら歩く。円形の窪みと、近くに情報端末がある場所につく。


ピ・・・ピピ・・・


エレノアが操作すると、キーボード?のようなものが浮かび上がる。それを高速に操作する。無数にパネルが空中に展開し、文字が流れる。かっけー。


《これはエレベーターのような物らしいです》


パネルが現れては消え、無数の文字が流れ。いいなあ、やりたい。読めないから出来ないけど。


窪みに光が灯る。


《ルートを省略し、最奥に繋げました。行きましょう》


エレノアが『グー』エモを出し、窪みに入る。続いてエモを返しつつ、乗り込んだ。


ボウッ


光が周りを包み、転送を開始。光が収まったときには、別の部屋にいた。


制御室のようだ。窓から、巨大な機械、空中戦艦?が並ぶのが見える。


《あれ格好良いなあ。持ち出せる?》


《やめておきましょう。あの大きさは不要です・・・それに、できるなら自分で創りたい。ちょっと時間を下さい。情報をコピーします》


エレノアが制御コンピュータに近づき、使い魔を呼び出す。メイジ系列は使い魔を連れることができるのだが、エレノアの使い魔はメカメカしい。ケーブルをコンピュータに接続すると、ピコピコ光り始めた。欲しい。


《凄いなあ、機械っぽいファミリアは初めて見たよ》


《遺跡で見つけたのをカスタマイズ続けてたらこうなりました。気に入ってます。出来れば1から作りたいですが、もう愛着も沸きましたしね》


ピローン


情報のコピーが終わったのだろうか。エレノアの使い魔から音がして、使い魔が離れる。


《欲しい情報は得ました。神?に対抗する?為の兵器だったそうです。設計図データ等入手したので、自室で解析予定です》


《滅ぼす、と言う意思に抗って準備した感じなのかな。移動用に1つ欲しい気もするけど、戦闘機能いらないし大きすぎるよね》


《小型の揚陸艇、定員10人くらいの奴があるかもしれないので、探しますか?空間収納出来たりします?》


《やってみようか》


エレノアの先導で、小型の揚陸艇を発見、収納する。近くに起動してない機械兵があったので、3体程回収。


《ありがとうございます。シルビアさんと一緒だと助かります》


来た道を戻る。


《・・・あのっ》


エレノアが立ち止まる。こちらの服を掴み、目を合わせ、言いにくそうに、切り出す。


《最近、皆さん、色々秘密を抱えてる気がして・・・その・・・僕一人だけ疎外感・・・感じているんです。僕も、色々知りたい。色々教えて貰えませんか?》


サクラの事、それに続く一連の事件だろう。それぞれ、情報のレベルは違うし、知ってる事、知らない事があるが・・・


《・・・そうだね。みんな仲間なんだ。みんな集まって、一度話そうか》


あまり広める話でない内容もあるが・・・知ってる人は知ってるし、隠す事でもない気もする。


《・・・ありがとうございます!》


エレノアが嬉しそうに言った。


その後は、アジトに戻り、揚陸艇とロボットを適当な場所に出してやり、みんなに集まれるか連絡を送った。場所は月夜の海岸亭。


揚陸艇とロボットを見た月花が、げっ、と呻いたあと、ぶつぶつ言っていた。

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